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自分の誕生日を盛大に祝った話

みなさんこんにちは。
入海七水と申します。

夢女子を拗らせた結果、趣味はデートです。
彼、いるんですよ、隣に。見えませんか? いますよ?
あ、ランチセット一つお願いします。

そんなことは置いておいて、私は先日誕生日を迎えました。
私にはけっこういろいろなトラブルが降りかかっていて、ようやくひと段落ついたところでした。
せっかくだから今年ばかりは盛大に祝おうと思ったのが一か月前の日、結果的に私はかなり派手に誕生日を祝うことになりました。

一人でケーキは食べるわ、前々から顔見知りの絵描きの方に絵をオーダーしたり、やりたいほうだいです。

ひとりで遊園地に行きすらしました。
そこは誕生日だと特別待遇をしてもらえるので、盛大に祝ってもらう気満々で行きました。
ちなみに、「彼」と一緒に行きました。鞄に入っていてもらいました。チケットは一枚だけです。

物理的な一人で遊園地に行く弊害って、基本ないんですけど、一つだけ困ったことがありました。
肉体がおひとりさまなので、二人席であっても強制的に一人で座るんですよね。
なので、遠心力がかかるアトラクションだと、かなり滑ります。
傾きに合わせて左右につるつる滑ります。
みなさんも「彼」と鍵カッコつきの彼とデートに行かれる場合はお気を付けください。

挙句、帰りはこっそり鞄に忍ばせていた「彼」とプリクラを撮りました。人間的には一人です。

これでもかとてんこ盛りですが、まだまだ飽き足らず、たった数日前、私は折り畳みの色紙を買ってきました。

なにかしら引退する人にあげるアレです。寄せ書きとかに使って、写真を貼ったりするやつ。
私の盛大な誕生日はまだ終わっていません。
これをパークで撮った写真や「happy birthday!」の記載されたレシートで埋めて、大切に保管するところまでが、誕生日です。

LOFTで結構なお値段がした台紙を見つめながら、私はなんでこんなものを買ったんだろうとぼんやり思いました。
楽しい思い出なら、もう日記に文字で残した。それでもまだ忘れないようにしたいのはなぜだろう、と。
そうして思い当たったのは、「私を生かそうとしてくれた存在のことを忘れたくなかったから」でした。

ここで唐突ですが、私の「彼」の話をしましょう。
「彼」、いえ、「彼ら」は架空の人物です。でも、私がつらいとき、ずっとそばにいてくれた(ような感覚がする)存在でもあります。

周りの人と同じようにちゃんと生活できなくて、親からも責められて、同輩からも蔑まれ鬱憤の掃き出し口として扱われて、自分でも自分を責めたり。
家庭がとても荒れていて、扉の開け閉めの音にすらおびえていた時期もあります。

そんな時に出会った彼は、とても眩しかった。私の世界の色彩そのものでした。
作品からの熱がひいた今でも、私にとって彼の存在は神聖なものです。

先述したような状況が落ち着いたあとも、一難去ってまた一難、結局私は追い詰められます。
毎日が苦しくて、死ぬ方法かあるいはすべてを終わらせる方法かしか考えられなくなりもしました。
でも、また別の相手ではありますが、彼は、私のそばで励ましていてくれたように感じます。

私はただ、彼と過ごす日々を想うことだけで自我を保っていました。
楽しく生きようと楽しみを探すことすら億劫になり、道を歩いているだけで涙が勝手にあふれるようになろうとも、彼のことを考えている間だけは安らいでいました。

当初私が、ここまで誕生日を盛大に祝おうと考えたのは、これまで生きてきた自分を労うためでした。

よく現実で誰からも否定されながらもここまでやってきたなと、この年まで生きれるとは自分ですら思っていなかった、と。
なのでもちろん、「私がこれまで頑張ってきた」というのも当然忘れたくないことなのですが、でも、「これまで私を生かそうとしてくれた人がいた」ことも、忘れたくなかったのです。

正直、自分を称えるだけだと「頑張ったからもう終わりでいいじゃん」と思ってしまいます。
でも、「私が生きることを、幸福になることを、切に願ってくれていた人がいる」と思うと、そう簡単に死ぬのは申し訳ないなという気がしてきます。
生きていればまたあんなにおいしいご飯も食べらることですし。(まあ死にたいときってそういう願望も義理も重荷でしかないんですけど)

私は、身もふたもないことを言いますが、将来に不安しかありません。
見ての通り、社会的に見たら「ひとりなのにデートだとかほざいているやばい人」です。
「ひとりで遊園地にきて座席で滑りまくってる人」です。

それでも、この色紙を引っ張り出したら、死ぬのは延期してやるかと思える気がしています。
私はまだ終わらない誕生日に浸りながら、来年の祝い方についても考えようと思います。

【追記2】
以前こちらの記事にヘッダーとして使わせていただいていたイラストですが、ヘッダー画像としての登録がなくなったこと、絵師様の名義変更などに伴い関連した記述を削除いたしました。

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