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天晴爛漫!の一色小雨

明治ロマンものかと思わせといてのアメリカサイズのド迫力レース活劇、天晴爛漫!の山下誠一郎について。

出会いはあまり覚えてないけど、たしか山下さんのTwitterでシャーレンの話が出ていて、フォローしてる方もおすすめしていて気になったんだったような気がする。
過去作の話題もつぶやいてくれるところ新規に優しくてありがたいです。

2020年の作品なのでアマプラにあるし、コミカライズも連載中でまだまだ新たな動きがあるかも…?な作品。アウトロー、ゴールドラッシュのような競争に興味があれば存分に楽しめること請け合いです。

【未視聴向け】小雨はこんな役どころ

堅物/若者/武士/コミカル/強い/仲間想い/兄(妹の兄)/境遇重め

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視聴後の感想ツイート↓

公式サイトのキャラ紹介はこちら。

各種視聴方法

現時点での私の場合です。

テレビシリーズ:1~13話 Amazonプライムビデオhttps://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B086XFCL4L/ref=atv_dp_share_cu_r

コミカライズ:1巻(2021/01/24現在)https://www.amazon.co.jp/dp/B08GFNW2SH

コミカライズ:Comic Walkerで連載中
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_KS02201655010000_68/

2020/8/7円盤発売記念山下誠一郎ネットサイン会
(現在のTwitterライブの仕様上、公式Twitterが消えない限りはURLがわかれば視聴できる状態です)

【ネタバレあり】感想

レース参加者誰もが活躍するのでキャラクターが多いのだが、埋もれることなく見せ場があり最後は全員協力の激アツ展開もあり、テンポ良い構成でハラハラドキドキしっぱなしだった!
全員に変化があるのが良いよね。キャラクターが本編の中で変化するの大好き人間なのでぶっ刺さりました。特にセスが中間管理職サラリーマンからエンジニアの熱を取り戻すのいいよね。

好きなキャラを挙げるのも難しいくらいみんな個性的で愛らしいよね~
コミカライズも追っていくぞ! 絵がうますぎる。

絵作りが素晴らしくて、特に11話の街並みのロケーションが美しすぎるって……!

↑このカットも格子と天晴のシルエットが、小雨の危篤状態を自分でどうすることもできないがんじがらめの心情を表していて美しすぎる

一色小雨という男

小雨は明治の武家の男なので価値観がかなり前時代的だが、アメリカに渡り天晴やシャーレン、他の人たちと出会うことで価値観が変わる。始まりは低い点数(失礼)からぐんぐん上がっていく、三枚目キャラと思っていたらキュンとさせられる。そこがなんとも憎らしい。

文明開化の波に乗りに行った男として天晴が、前時代に固執している保守的な男として小雨が対比されている。
この二人は無表情/表情豊か、弟/兄、家族と不仲・健在/家族思い・死別、天才型/努力型、天パ/直毛、派手/地味、細い/筋肉質など挙げればキリがないくらい対比されており、この二人が歩み寄っていくことで無敵になっていくのが見ていて気持ちがいい。

小雨のトラウマ

現代と違って人切りが珍しくない時代、小雨は人切りから自分をかばって自分の腕の中で母親が絶命する経験をする。これがトラウマとなり、実家の剣術の鍛錬を続け免許皆伝にはなったが、日本刀を腰に下げても抜いて人を切ることができない。

ここで小雨のトラウマとは何だったのかを掘り下げたい。

日本刀同士で小雨が戦うシーンがないので推測だが、小雨は日本刀自体にトラウマを抱えているわけではない。素振りをするのは木刀だが、日本刀を鞘に収めたままで持ち歩くことはできる。
小雨が心で避けているのは真剣を抜いて人と対峙することである。アルとの手合わせでもあの時の太刀筋がよぎり戦いをやめてしまった。相手が銃を引き抜く動きに太刀筋を重ねるシーンもある。

小雨のトラウマとは?

昔自分も剣を向けられて怖かったことを思い出す ←まあわかる
母親が死んだときのことを思い出して悲しい ←まあわかる
=自分で真剣を振るえない ←?

自分の命の危険とか肉親との別離の苦しみから日本刀自体に恐れを感じることがあっても、そのものは平気で自分が振るうことだけできないのはちょっと深層に到達してない感があるので、恐れや悲しみでないものが原因となっていそうだ。

小雨は半月一刀流を何年も鍛錬してきた。真面目な男だが日本に帰るために10年働く確実性よりも天晴に賭けて一攫千金大陸横断レースに参加しているので、コツコツが性根ではないことがうかがえる。1話で天晴を説得しようとする文句も穏便になんとか丸く収めたい若干怠惰な部分が透けていた。保守的ではあるが実直ではない。
長男が実家を継ぐもの、という固定観念はあっただろうが、鍛錬を積みあそこまで強くなるためには相当な「強くなりたい」という執念があったのだろう。
その執念のルーツこそがトラウマだ。

「大切な人を守れなかった」後悔が小雨に強さを求めさせた。しかし勝負とは常に相手があるもので、剣を抜いて戦いを始めてしまえばまた大切な人を守れない結果になってしまうかもしれない。負けることが許されない絶対的なプレッシャーに小雨は打ち勝てずにいた。

小雨から豪雨へ

そのトラウマを打ち破るのが8話「HEAVY RAIN」。くぅ~タイトルもいいっすね。
過去に囚われて今の仲間を見捨てたままでいいのかいいわけない! からの無双! 銃弾の動きを予測して躱して一刀両断できる男やばすぎる。

てか半月一刀流奥義の言い方かっこよすぎ! 山下さんの特撮好き男児部分が垣間見えて好き。鼻で息吸い込んで心を整える演技がね、好きなんですよ。

克服の仕方が行きずりの酒場の女将さんと話してってのが身内に弱さを見せれない昔気質で小雨っぽくて良い。その後シャーレンに母が殺された経緯は話したっぽいけど、剣が抜けなくて辛かったことも照れ笑いしながら天晴とかホトトとかシャーレンに話せてるといいね……。

小雨ベストシーン

変化していく物語なのでベストを選ぶのが難しいのだけど(フリとなる変化前も愛おしいし、変化後はもちろん良いしで)、その中間あたり、変化の片鱗が見えたところをチョイスしてみた。

第6話「I am Gil!」行方不明だったホトトと合流して天晴号に乗り込んでからの「よーし、いけいけいけえ!」

ホトトが見つかった&レースに間に合った安堵とこれまでアメリカで培われた小雨の解放感が表れてて良い……。

1話のふみに対しての「すぐに戻る」(戻らない……)も優しいお兄ちゃんで好きだし、
新ホトトとの出会いで誤魔化して溺愛飼い主を演じてるところもかわいくて好き。

それでは、小雨爛漫……続編待っておりまする! 御免!


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