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春祝うクルドの祭り「ネウロズ」8500キロ離れた埼玉で開催!

クルド人が春の訪れを祝う祭り「ネウロズ」が20日、埼玉県営秋ケ瀬公園(さいたま市桜区)で行われた。色彩豊かな衣装をまとった人々が音楽とともに輪になって踊り、故郷からはるか8500キロの地で春の訪れを祝った。

支援団体などによると、県内では1990年代に川口市などにクルド人が住み始めてからネウロズが始まり、秋ケ瀬公園での開催は今年で4回目。90年代から日本で暮らす40代のクルド人男性は「最初は屋内で少人数でやっていたが、日本人もどんどん来るようになり、クルドの文化を多くの人に知ってもらえるようになった」と振り返る。

今年の開催を巡っては、公園側に批判的な電話がかかるなどし、いったん、開催を不許可とする方針が示されるなど紆余(うよ)曲折があったが、協議を重ねて開催に至った。

主催者によると、会場には日本人も含め1000人以上が集った。弦楽器の「タンブール」などが奏でられ、クルド音楽とともに来場者が手をつないで輪になってステップを踏んだ。

ケバブやヨーグルト飲料の「アイラン」などの屋台も出店し、来場者が列を作った。家族と訪れたクルド人の小学3年生の女子児童(9)は「新しいドレスで来ました。家族でネウロズを祝うことができてうれしい」とほほえんだ。

独立や自治権をめぐる問題に直面するクルド人にとって、ネウロズは祝祭にとどまらず、民族の連帯や自由を表明する意味も持つ。日本クルド文化協会によると、県内のクルド人の主な出身国であるトルコでは、ネウロズ参加者が逮捕されるなどの事態も起きてきたという。  

同協会のワッカス・チョーラク事務局長は「春の到来を告げる日を日本で祝えたことに感謝している。2700年以上の歴史を持つこの祭りから、クルド人の踊りや、平穏への願いを伝えられれば」と話した。(抜粋おわり)


https://news.yahoo.co.jp/articles/bdec7317dfca27f1b7286a1fa9ae35e6c70b9fd5