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【看護過程】COPD患者のアセスメント(活動)

男子看護学生の鳩ぽっぽです
以前、アセスメントのポイントという記事を書きましたが、それでは分かりづらいと思いましたので、具体例を書いていきたいと思います。
アセスメントは最初から完璧に書くのは難しいです。自分のスタイルができるまでは、基本のアセスメントを真似して書くべきです。
そのテンプレとなるアセスメントをここでは紹介できればと思います。
今シリーズはCOPD患者のアセスメントの事例を紹介します。
※ここにでてくるアセスメントは全て架空の事例です。

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活動・運動

※この事例は架空の人物です
()は情報、太字はアセスメントです

老年期の身体機能、運動機能は成人期に比べ、衰退することが多い。加齢に伴う身体機能、運動機能の変化として神経機能低下、筋力の低下、持続力の低下、反射能の低下、骨量の減少がある。また、生理機能としては心機能の低下、肺換気能の低下が生じており、運動機能に影響する。
Aさんは(老年期)であり、これらの変化を生じていることが考えられる。特にCOPDの影響で(肺機能1秒率65%)となっており、肺機能が低下していることが言える。これにより、一般的な加齢変化に加えて、運動機能は低下していることが考えられる。しかし、(運動療法を始めたとした治療)によって(歩行訓練10m(入院時)→100m(現在))と運動機能が改善してきている。
活動量は人によって必要量が異なる。例えば身体活動レベルでは、必要エネルギーとその際の活動量、レベルを対応させている。また、エクササイズガイド2013では、メッツ(運動強度)×エクササイズ(運動時間)にて評価し、1週間に23エクササイズ以上の身体活動を行い、そのうち4エクササイズ以上は活発な運動を行うことを推奨している。
Aさんは加齢変化やCOPDによる影響で身体活動レベルはⅠであり、活動量が低い状態にある。また、入院前と比較しても減少している状態である。身体活動を行うための身体強度が低下しているため、(できる範囲のことをやってもらうなど)現在のAさんに合わせた無理のない範囲での活動量はこなせていると考えられる。現在(運動療法)などで改善を図っており、活動量の向上が見込める。
日常生活動作(ADL)とは、ADLのAはアクティビティー(動作)、DLはデイリーリビング(日常生活)を指す。日常生活を送るために最低限必要な日常的な動作のことを言う。移動、食事、排泄、清潔などの動作がどの程度自立しているのかの総合的に表す。
食事動作は自立しているが、COPDによる労作時の息切れから(動作中断)などがあり、動作への支障が考えられる。排泄動作についてもCOPDの影響で(トイレまでの移動に介助)が必要であり、動作への支障が存在する。清潔動作は基本(清拭)であり、床上での動作は自立しているが、入浴などの負担の大きい清潔動作に関してはCOPDの影響で行えない状態である。移動方法は(車椅子)が基本で、COPDの影響で自立歩行が困難となっている。ADLとしては、COPDによる影響で自立できている範囲が狭まっている状態といえる。
入院前には(ADLは基本自立)しており、全ての動作を行えていた。しかし、COPDの悪化によってADLが低下したことが言える。以上のことから活動を妨げる要因としてCOPD、またそれに伴う運動機能の低下が考えられる

セルフケアとは、個人が生命、健康及び安寧を維持するために自分自身で開始し、遂行する諸活動の実践である。本人の主体的な活動である。活動においては日常生活を営もうとする、維持しようとする能力として重要である。
Aさんは上記の理由からADLが高くなく、自身でできることが制限されている。セルフケアが労作時の息切れから妨害されていることからセルフケア不足の状態にあることが考えられる。
廃用症候群とは過度に安静にすることや、活動性が低下したことによる身体に生じた様々な状態をさし、肺炎や転倒転落などのリスクに直結するものである。転倒とは筋力の低下などの身体機能の低下から転ぶことをいい、大腿骨頸部骨折の原因となる。大腿骨頸部骨折を起こすと自力では立ち上がることができず、寝たきりの状態となるため、手術などの治療が必須となる。
Aさんは床上での動作は自立しているが、それ以外の動作に息切れが伴うため、基本(日中はベットに横になりがち)である。そのため、筋力の低下や生理機能の低下のリスクがあり、廃用症候群を引き起こす可能性がある。また、それに伴い、(移動が自立していない)ことから転倒のリスクがある。現在は(運動療法)で廃用症候群のリスクは低減しているが、転倒のリスクは少なからず存在する。
活動意欲は(「歩けるようになってきたけどまだまだ」)といったように高く、生活動作の自立についても意欲が高いことが言える。

結論
・運動機能は加齢、COPDにより低下している
・運動療法により改善してきている
・活動量は低下しているが改善してきている
・入院前に比べ、活動量、ADLは低下している
・COPDによりADLは低下している
・セルフケア不足の状態である
・廃用症候群、転倒のリスクは存在する
・活動意欲は高い

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まとめ

今回はここまでです。
徐々に慣れてきたでしょうか?
今回の内容で少し見えてきたと思いますが、一般論は必ずしも必要ではありません。特に意欲や思いに関しては一般論がないので、そのまま書いて大丈夫です。また、疾病やリスクの一般論に関しても書き始めるとキリがないので、必要なところだけ書いていけば大丈夫です。
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アセスメントのポイント(活動)はこちら→https://note.mu/810poppo/n/n05ee83ef958e

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