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【看護過程】COPD患者のアセスメント(自己知覚)

男子看護学生の鳩ぽっぽです
以前、アセスメントのポイントという記事を書きましたが、それでは分かりづらいと思いましたので、具体例を書いていきたいと思います。
アセスメントは最初から完璧に書くのは難しいです。自分のスタイルができるまでは、基本のアセスメントを真似して書くべきです。
そのテンプレとなるアセスメントをここでは紹介できればと思います。
今シリーズはCOPD患者のアセスメントの事例を紹介します。
※ここにでてくるアセスメントは全て架空の事例です。

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自己知覚・自己概念

※この事例は架空の人物です。
()は情報、太文字はアセスメントです

自己概念とは、一般的に自らが自己を対象として把握した概念、自分の性格や能力、身体的特徴などに関する比較的永続した自分の考えである。
自尊感情は自己に対する評価感情で、自分自身を基本的に価値あるものとする感覚である。自尊感情=成功/願望で示されており、個人が願望を持っている領域で成功したと思えることが自分に対する満足感を高めることを示している。
Aさんは(病気になった時はショックだった)とマイナスのことを考えており、自尊感情が低い状態だったと考えられる。しかし、現在回復傾向にあり、(希望が見えてきた)と、以前の生活をするという願望に対して成功しているという感情を抱いており、自尊感情が高い状態にあることが考えられる。
ボディイメージとは、身体に関する構成概念であり、多様な理論的・経験的概念による多次元的なものである。身体図式、身体緩衝帯、身体概念、身体カセクシス、身体的魅力、身体境界、身体的自我、身体の知覚など、自身の身体の意識や認識に関するものである。
Aさんは(入院前はもっと動けていた)という発言から、現在のCOPDの悪化による日常生活の自立度の低下がボディーイメージの変容に影響を与えている。また、(酸素チューブを恥ずかしがる)なとわ、治療に伴うボディイメージの変容も生じていると考えられる。
障害の受容とはあきらめでも居直りでもなく、障害に対する価値観(感)の転換であり、障害をもつことが自己の全体としての人間的価値を低下させるものではないことの認識と体得を通じて、恥の意識や劣等感を克服し、積極的な生活態度に転ずることである。
Aさんはボディイメージの変容を起こしているが、(治療への理解を示したり)、(積極的に取り組む)、(家に帰るための条件を自身で考える)など、疾病の改善や付き合い方を自分なりに理解、目標設定しており、障害受容がなされていると考えられる。
不安は、精神医学的には「対象のない恐れの感情」と定義されており、これによる障害を不安障害という。高齢者では、周囲の人を失う喪失感や死に対しての恐怖から不安を生じやすい。
Aさんは(自身のこの先について考えるとモヤモヤする)ことや(前に比べて動けなくなった)といった発言から、この先のことへの不安が強いことが考えられる。しかし、治療が進み、ADL改善の兆しが見えてくると、(希望が見えてきた)、(もっと動けるようになってから)と希望を持つ発言が聞かれるようになり、不安が抑えられていることが考えられる。これらのことから、以前は感情コントロールが困難な状態だったが、現在は感情コントロールができている状態と言える。
自己効力感とは、自分が行為の主体であると確信していること、自分の行為について自分がきちんと統制しているという信念、自分が外部からの要請にきちんと対応しているという確信であり、自己に対する信頼感や有能感のことをいう。
Aさんは(自身の退院や治療の目標設定をしており)、(それに向かって積極的に理解、取り組んでいる)。このことから、自己効力感が高い状態にあることが考えられる。

結論
・自尊感情が高い状態にある
・以前のADLとのギャップや治療によってボディーイメージの変容を生じている
・障害受容ができている
・この先の生活や自身の状態への不安が強かった
・回復が進み、ADLが改善されてくると不安が軽減された
・感情コントロールができている
・自己効力感が高い状態にある

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まとめ

今回はここまでです。
自己知覚、自己概念は何をどう書いていいのかわからないですよね。
今回のはあくまで一例ですが、項目としては、自尊感情、ボディイメージ、障害受容、不安、感情コントロール、自己効力感があります。
これらひとつひとつをアセスメントできていれば自己知覚、自己概念はOKです。
複雑だとは思いますが、是非参考にしてください!
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アセスメントのポイント(自己知覚)はこちら→https://note.mu/810poppo/n/n4ee827dea9b0

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