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【看護過程】COPD患者のアセスメント(排泄)

男子看護学生の鳩ぽっぽです
以前、アセスメントのポイントという記事を書きましたが、それでは分かりづらいと思いましたので、具体例を書いていきたいと思います。
アセスメントは最初から完璧に書くのは難しいです。自分のスタイルができるまでは、基本のアセスメントを真似して書くべきです。
そのテンプレとなるアセスメントをここでは紹介できればと思います。
今シリーズはCOPD患者のアセスメントの事例を紹介します。
※ここにでてくるアセスメントは全て架空の事例です。

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COPD患者の排泄

※この事例は架空の人物です
()は情報、太文字はアセスメントです

膀胱は通常約500〜600ml蓄尿できるが、膀胱壁の排尿筋は加齢に伴い膠原線維化していくため、膀胱の萎縮、容量の減少、排尿回数の増加が起こる。また、内尿道括約筋は不随意に収縮し、尿を膀胱に貯める働きを有している。便の形成は結腸で行われ、直腸に充満する。内肛門括約筋は不随意に収縮し、直腸に便をためておく。直腸内圧が高まると排便に至る。
Aさんは(老年期)であり、(トイレが近くなっている)ことから、加齢に伴い尿をためる能力が低下していることが考えられる。
尿意は膀胱容量の半分まで尿がたまることで生じる。蓄尿が続き膀胱内圧が20mH2Oを超えると、脊髄から大脳皮質に伝わることで尿意を感じ、排尿という行為につながる。高齢者では、膀胱に尿が満たされた状態で初めて尿意を感じることが多く、失禁につながる。便意は、直腸に便がたまり、充満すると重みによって脊髄の排泄中枢に伝わることや肛門括約筋に圧力が加わると大脳に伝わることで生じる。
Aさんは(失禁なく、)(尿意、便意)を感じたのち排泄行動に移行できているため、問題はない。
排泄動作は認知機能、移動動作、排泄姿勢動作、衣服の着脱動作、後始末動作、手洗い動作で構成され、それぞれの動作を認知し、次の動作につなげていくことで排泄動作を行うことができる。高齢者では、加齢変化によって認知機能や身体機能が低下するため、阻害される可能性が高い。
Aさんは(老年期)のため、上記の機能や動作が低下していることが言え、COPDによる動作困難から、(トイレまでの移動に介助が必要である。)しかし、日中(意識清明)であり、(排泄動作)や(着脱)は自立しており、(姿勢保持能)もあることから移動以外は自立している。排泄方法として、(トイレでの排泄)、(尿のみは尿器)としており、トイレは軽介助、尿器は自立しているのは上記の理由による。
男性は加齢に伴って前立腺が肥大することで、尿道の抵抗が増え、遷延性排尿などが起こる。また、末梢支配神経の萎縮によって尿道閉鎖症、尿量流量率低下が起こることで、尿勢が低下する。便は24〜72時間で直腸から体外へ排出される。直腸の収縮力が低下すると排便中に便意が消失することがある。高齢者では筋力が低下するため十分に怒責することが困難となる。
Aさんは(老年期男性)のため、前立腺肥大となっている可能性があり、尿の排泄に問題を起こす可能性がある。排便に関しては、COPDによる労作時の息切れから、十分な怒責ができない可能性があり、便の排出に問題を起こす可能性がある。現在、Aさんはトイレ内、尿器内で排尿、排便が確認できているため、排出はできていると考えられる。
高齢者の場合、量は1回量が減少する。ADHの日内変動が消失することから、夜間での尿量が増える。便は吸収のよい食事だと少なく、野菜、穀物が多いと増える。排尿回数は一般的に日中4〜6回、夜間は0〜2回である。便は対象の習慣によって変わり、回数の決まりはない。性状としては、尿の場合、腎機能が低下するため、尿濃縮機能低下により希釈尿となる。便の色は黄褐色である。
Aさんは(尿回数は4〜6回/日、一回量は100〜150ml)であり、正常回数である。尿の性状も(希釈尿)であり、(BUN値)も正常のため、問題はない。排便回数は(1回/日)であり、規則的に排便ができている。性状も(茶褐色)であり、問題ない。
成人の1日に排出される水分量は、尿として1000~1500mL、不感蒸泄として約900mL、糞便中の水分(約200mL)などがある。老年期の場合、成人よりも水分保持能が低いため、これよりも多いことが考えられる。体内で生じる老廃物などを排泄するために必要な最小限の尿量(不可避尿)は約400〜500mLであり、これ以下の場合、生命活動に影響が生じる。
Aさんは(尿回数は4〜6回/日、一回量は100〜150ml)のため、排便の際の尿量を考慮しても、約1000ml排出されていることが考えられる。摂取水分とのバランスは取れており、(尿が希釈尿であること)、(皮膚の乾燥もないことから)現在脱水は起こっていないことが考えられる。

結論
・加齢変化によって尿、便をためる能力は低下してきている
・尿意、便意は問題なく感じ、排泄行動につながっている
・排泄動作は
・加齢による前立腺肥大から尿排出困難となる可能性がある
・尿器内、トイレ内で排泄あるため、尿、便の排出はされている
・尿は希釈尿であり、水分のインアウトバランスにも問題がないため、脱水なし
・尿路感染症はみられない
・尿回数は正常
・排便回数は規則的で、性状も問題ない

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まとめ

今回はここまでです。
排泄は、ためる、尿意・便意、排泄動作、排出、性状、インアウトの項目でアセスメントしていきます。
ポイントと照らし合わせながら、事例を読み解き、自身のアセスメントに生かしていきましょう!
※アセスメントの基本については、前回、前々回を参照ください。
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アセスメントのポイント(栄養編)はこちら→https://note.mu/810poppo/n/n023b7eba4c57

大腿骨頸部骨折のアセスメントはこちら→

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