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#9 乳がんの中で働く、暮らす。仕事と日常生活について。

秋田県大館市でコニュニティFMの運営をしている、みそソムリエakikoです。
本業(味噌を伝える事業)の傍ら、地域の情報発信・防災拠点となるラジオ局で番組制作と運営を担当しています。

ステージ3cの乳がんを生き、ここからの時間で私自身をどう活かしていくか。
自分自身の記録として綴っております。この記録がどなたかの参考の一つになったり、乳がんを知るキッカケになればと思います。


◆仕事のこと。FMラジオの業務と乳がん治療について◆

乳がんと診断されて3ヵ月。
当時は乳がんのことを何一つ知らなかったがために、仕事の判断についてはミスをいくつかしたなと振り返って思います。

2人に1人が生涯に何らかのがんを発症すると言われている時代。
がんを告知されると、治療や仕事や社会生活のことで、多くの判断や選択を迫られます。

がんについての予備知識はこれからを生きる私たちにとって必須のものだと実感しているところです。


FMラジオおおだて 大館市釈迦内


私の仕事の一つ、FMラジオ局の運営についてです。
乳がんが分かってから、根本的に局の運営を一新しました。

がん治療をしながら放送業務を365日24時間体制で行うためには、人の手が必要です。新たに契約スタッフを募集し、これまで私が抱えていた業務の8割をスタッフに任せることにしました。

この決断とそのための引継ぎは、私にとって大きな社会経験となりました。


根本的な私の性格が人に任せたり、人に分かりやすく物事を伝えることが非常に苦手だったからです(^_^;)

1人何役もこなすのは得意なんですけどね。

1人でソフト面もハード面も全部抱えてしまう。
良く言うと、1人である程度のことはできちゃうんです、私。笑


でも気がついたんです。
これが私が乳がんになった原因の一つだということに。

乳がんが絶妙なタイミングで、「それは良くないよ!」と私に気が付かせてくれたのです。


不思議な感覚ではありますが、私は時々「乳がんになってよかった」と思うことがあります。

乳がんにならなければこんな風に人に向き合うことももっと遅かっただろうし、仲間を信じる力もまだまだ身につかなかったと思うのです。

会社員であればチーム業務の習慣が身についている人が多いと思いますが、一人親方のフリーランス歴の長い私は、個人プレーを軸にする癖が身についてしまっていました。

自分の性格や癖に気づきより良い方向に導く。
このキッカケになったのは、間違いなく乳がんです。

命を大切にすることは、これまでの働き方や環境、自身の性格の悪い癖を改善することでもあります。そのことに真剣に向き合えて良かったと心から思います。


ラジオおおだては現在、局長代理を務める二人の制作マネージャーの下、12名の市民パーソナリティーで生放送を担当している他、

市内の様々な企業や個人のPR番組を協賛の形で行っています。

新しい仕組みに生まれ変わることは、私自身が生きるための手段であったと共に、結果的に市民の活躍の場を増やすことにもつながりました。

大館市の情報を沢山の市民、沢山の企業のみなさんと一緒に発信していくコミュニティーFM。
改めてスタートを切りました。
ある意味、開局の時より感慨深いものがあります。


乳がん。
できればなりたくはありませんでした。
でも、ならなければ、本当の意味での会社経営、本当の意味での私の幸せはなかったと思います。
たとえ5年、10年がある意味でのリミットだとしても、長さを超えた幸福を今存分に味わっています。
生きるとは、活きるとは、本来こういうことではなかろうかと思うのは私だけでしょうか。

だから私は、乳がんであることを隠すよりも(語弊があるかも知れませんが)幸せを獲得した自信から、どこかで乳がんの自分を讃えて愛しているのです。

これまでも頑張ってきた自分。
そして、これからの生き方に向き合い幸せを存分に味わっている自分。

これからもっともっと素敵な自分になっていきたいです。
それがきっと私の周りの人のためにもなるハズと信じています。




◆生きるためにやること。死ぬまでにやること。◆

もしかしたらこんな事をするのは私だけかも知れませんが、
会社運営、母親という役割を、次の人にとって良い状態にしたいという想いがあり、乳がんである「私の生き方」を見える化する作業をしました。



「生きるためにやること」と「死ぬまでにやること」です。
この2つを明確にし、生き方のスタンスや計画を家族と共有しておくことで余計なストレスや想いのすれ違いを防げる(すれ違いが生じた場合は、スタンスを軸に話し合える)と考えたからです。

もちろん、気持ちや計画には変化がつきものです。
追記や削除はその都度ということで。


このスタンスシートを作って良かったことが2つあります。

①私自身、仕事の計画に無理のない判断をしっかりできている。
②家族や友人が、私の言動や行動を「ワガママ」と捉えなくなった。

よりよく生きて、よりよく活きるためのスタンスシート。
自分自身と、家族や仲間にしっかりと愛を注ぐためのシートなのです。



来週は4回目の抗がん剤治療。
今回は投与後に入院して経過観察することになっています。

元気になったと思ったらまた抗がん剤治療。
がん治療は、上がったり下がったりの落差が大きいんですよね。でも頑張りたい。


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