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2023年の研究〜目標もない僕だけど共生について考えてみた。

今年の個人研究は、昨年末に1週間で2回寝違えてしまい首がめっちゃ痛いので、ストレートネックと自分との共生について考えていきたいです。どうやったら一緒に過ごしていけるか試行錯誤していきたいです。こんな淡々と書いてますが実際気持ちはこんな感じです。

早速、高反発マクラ買ってみました。寝るのが恐怖から楽しみに変わってきました。

続きまして今年のはいこんちょ研究は、認知症に伴う問題行動とどう付き合っていくかがやはり焦点かなと思ってます。問題行動という呼び方は、あえて使っています。問題行動すら出来なくしたり問題行動があるのにないように見せかけたりするのが嫌だからです。子供だって反抗期が必要なようにお年寄りだって問題行動を通して訴えたいんだと思います。そこから目を背けずに付き合っていきたいなと思っています。
はいこんちょが4月で丸9年、10年目に入ります。この間様々な問題行動があるお年寄りと一緒に生活を作ってきました。
認知症のお年寄りとの共生は、僕たちの最大級のミッション(使命)だと思っています。年末にTwitterで僕の投稿にこんな反応がありました。

そうなんです。
世間やメディアは
認知症にならないためにはどうしたらいいか
そんな話ばかりです。
僕は介護の世界に入って今年で20年目に突入しますが
僕の実感では、長生きしてたら遅かれ早かれ全員なります。
そして認知症になったお年寄りは周りの人との関係と生活環境で全てが決まります。認知症で悩んでるというよりは、認知症が原因でできなくなった生活や壊れてしまった人間関係に悩んでいるんです。

たとえば、365日お泊まりしてるMさんAさん。
家のこと全部女手ひとつでやってきたのに、だんだん認知症が深くなり身体も衰えてきて、息子が全部やってくれるようになった関係性に耐えられなくなり、夜中に杖で壁を叩いたり、食事拒否したり、大声で叫んだりするようになり、自宅で暮らせなくなっちゃった。
Aさんは、はいこんちょを家だと思い時々僕らを息子だと思い怒りながらも幸せに暮らしてる。夜中にトイレ行く時泣きながら、私何も出来なくなってわからなくなっちゃったと言ったりもする。大丈夫だよお母さん。と伝えると、ありがとねありがとね。私は息子に面倒見て貰えて幸せだよと喜んでくれたりする。
あんた誰だ!私の家から出てけ!夜勤なのに退勤させられそうにもなるけど。

Mさんも夜中に急に怒り出したり介護拒否したりする。だけど朝になると(昨日はごめんな)と言ったりする。Kさんてお友達が朝方でも夜中でも話を聞いたり慰めてくれたりしてる。本人も息子に捨てられたなんて言ってるけど、自宅に連れて行こうとすると(行きたくない)と自分から言い出す。私には、はいこんちょが第2の自宅だからここで死にたいと言ってる。8年も前から毎日通って洗濯たたみの仕事をしてたんだから僕ら職員よりはいこんちょにいる時間が長いんだから当然だよね。
今日も首痛いって言ったら奥さんと夜使いすぎたんじゃないか?わっはっは。と言ってきたので、そうだね。じゃあMさんには僕の片方のお年玉あげると言って股間から取り出して渡すと、まだまだわたし頑張るよ!と嬉しそうでした。97才だよ。長生きの秘訣はエロス。

Iさんなんて、走り回って、人のご飯食べてハイター飲んで靴食べてマスク食べて急にいなくなっちゃうのをみんなで介護してきて、今は動くのもやっとなぐらい衰えてきた。でも、5年もクタクタになりながら面倒見てきたから家族もケアマネもスタッフもみんな死を恐れてない。てか、お迎え来るのみんなで待ってる。ただただその時が来るのを待ってる。もう顔も見たくないぐらいトコトン介護してきた人達のIさんからのプレゼントなんだろうね。
だからさ、やっぱり問題行動が一概に全部悪いって言いきれないのよ。問題行動に付き合ってこないとこんなふうに思えないことってたくさんあるし、問題行動と限界まで付き合ってきた家族や介護職はどんな最期だろうと後悔しない人が多いもんね。
時間と量が心に蓄積してるから。
残された人達を悲しませないのは、いつの時代だって自由に生きて他人に迷惑をかけてきた人だからね。やっぱり認知症老人って凄いよ。かっこいいんだよ。

僕も魚に食べられてる場合じゃないな。

ということで今年の予定です。

新年早々、一月中旬に最首塾に参加して(共生)について考えてみたいと思います。たぶん障害福祉や家族介護の視点から認知症老人との共生に影響を受けるはずです。

6月には、はいこんちょ9周年記念セミナーで鹿沼に高口光子さんをお招きして認知症老人との共生について考えます。虐待やリーダー論生活モデルなどの視点から新たな視野が生まれると考えています。

僕は、昨年の12月の2022おむつ外し学会で、問題行動が大変な認知症のお年寄りを介護し続けている間は、はいこんちょは間違った方向に行かない。というような趣旨の話をしました。
いや、問題行動が大変なお年寄りを介護していること自体が意味であり目的ですという話だったかな。
ハイボール呑みながら書いてるのでわからなくなっちゃった。
そんなこと言ってない気もしてきた。

困ったな。こういう時は本の力を借りよう。

年末年始に読んだ川本隆史さんの著書
(共生)から考える
では、このように書かれていました。

82頁

仲間ではない人間との出会いと受容が、自分達の生き方の歪みを反省させる契機。
他人が負う傷や苦しみに直面することで自分も傷つきますが、その場から立ち去らずあえて歓待性を発揮する。
(他者)が在ることの受容や(個別性)や(歓待性)といった原理をしっかりと実践に組み込まなければ、臨床における(共生)も絵に描いた餅の域を出ない。
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なんで手のかかるあの認知症爺さんの面倒見るの?
だって、奥さん限界でほっとけないじゃん。

なんであの認知症爺さん一日中ドライブしてるの?
だって、みんなと喧嘩して居場所ないじゃん。

なんで新たに大変そうな利用者も受けてくれるの?
だって、その人のおかげで大変だった人が大変じゃなくなる可能性もあるんだよ。関係の力ってすごいんだよ。

なんで傷つけられるのに平気なの?
平気じゃないよ。大変だし胃も痛くなるし逆流性食道炎にもなったし、傷つけられたら無傷じゃいられないよ。
でも僕だって知らずに誰かを傷つけてるかもしれないからさ、傷つけられて傷ついて、それでもなんとか一緒に居られるように試行錯誤し続けてる時、ああ生きてるなあって生の実感凄いんだよね。

みんなと一緒にいられないFさんとドライブしてる時、何でデイサービス来てるの?って尋ねたら必ずこう言うんだ。

母ちゃんに迷惑かけたくないからさ。

今日もポケットの中にはいこんちょのトイレットペーパーをたくさんつめてるけど
今日は注意しないで、見て見ぬふりしようと思う。

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