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早春のスノーシュー散歩

毎年一度は雪のある時期に訪れる山
山と言うより実は元スキー場だ
既に営業しなくなって久しい
青木湖を望む景色を味わえる場所で週末は家族連れが中心に訪れる活気のあるファミリーゲレンデだった
私にとっても思い出多きスキー場だ
今や時の流れと共に忘れ去られた存在となってしまった
ゲレンデに生えた樹々も随分成長してきた
いずれは雑木林の自然に戻るだろう
そんな場所にも雪が降った直後には必ず訪れる人達がいる
私もその一人だ
スノーシューや山スキーで山頂まで自分の足で登りそして降りてくるだけなのだが
二時間程度で戻ってこられるお手軽さがいい
きょうは昼過ぎに来たので誰もいない
車から降りてスノーシューを履いて歩き出す
雪の上の踏み跡を見ると朝から何組かは来ているようだった
静寂
昨夜ふんわりと積もった新雪

雪を踏み締める音だけ
歩きながら色々なことをとりとめもなくなく考える
なにか悩みが解決するわけでもない
そしてまた外の景色に意識が戻る
絶えず脚が動いている
バランスを取っている
温度 風を感じ取る
あともう少しで山頂なのだがこれからが急登
あっさりと諦めてしまった
今回はここまでにして下山開始

時を止めた時計の横を通れば過去に戻れるかなと思い通過してみる
残念ながら何事も起こらない
西陽の影が来た時よりも雪面に長く延びていた
気温も下がってきたようだ

駐車場が見えてきた
雪解け水
立ち止まり春の足音にしばらく耳を傾けた

人間って歩いたり立ち止まったり走ったり
時には戻ったりしながらも歳を重ねていく
その人間が時間とお金をかけて手を加えても
それを止めてしまえば元に戻ってしまう自然もここにはある


#スノーシュー #早春ハイク #スキー場
#青木湖 #水の音












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