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がん再発防止の治療をするべきか

乳がんで腋窩リンパ節に転移あり。ステージ3aの私。左胸を全摘し、腋窩リンパ節も全て切除。目に見える病変はすべて取ったけれど、脇のリンパ節に転移があったということは、そこからガンがどこかに飛んでいるかもしれない。

画像診断には映らないような微小のガン細胞をやっつけるために抗がん剤と放射線治療を行う。いや、全く無いかもしれないけれど予防的に治療をする。なのでガンが小さくなったとか、目に見えての成果は分からない。

私は抗がん剤治療をすることは一切迷わず、その場で即決した。そして約半年の抗がん剤治療を終えまだ副作用に苦しむ今、ベージニオという薬を飲むことを勧められた。これは抗がん剤ではないがかなり強い薬で、本来であれば再発時に使用するものだ。それが最近、再発防止にも使うことが承認され保険適用となったらしい。

だからベージニオを使えること自体、タイミング的にはラッキーなのだろう。術後数年が再発しやすいため2年間服用する。副作用は主に下痢や疲れやすいなど。

ただ、保険適用といえど1ヶ月40万円ほどで、高額医療費制度で限度額いっぱいの支払いになる。高3の次女が進学したら大学生が2人になる我が家。果たして支払っていけるのか…

術後の病理検査結果を受けて抗がん剤治療の提案をされた時に、確かベージニオの存在も説明があったけれど、高額だしと考えていなかった。そのため、放射線治療が終わることを目標に頑張ってきた。

終わりが近づいた矢先の、次の治療の提案に何だかかなり落ち込んでしまった。例えるならオリンピック選手。ここまで血のにじむような努力をしてきたので、簡単に「次のオリンピックも出ます」とは言えない。だってここがゴールだと頑張ってきたのだから。

元気になったらあれをしようこれをしよう。あそこに行こうここに行こう。休んでいたことも再開しなくちゃ。。とあれこれ考えていたのに、あと2年だって??…まぢか。

下痢くらいならいいじゃない、と思われるかもしれないが、2年間もトイレに駆け込む生活は大変だ。特に長距離移動や長時間のイベント。私はライブに行くのが生きがいで、ライブ中にトイレに行くなど考えられない。1曲だって聴き逃したくはない。

思い描いていた未来が2年も先延ばしになるのかと思うと、軽く絶望した。

それでも調べると健康保険組合からは補助があり、医療保険も抗がん剤扱いで支払いがあるのがわかった。

再発に怯えるのが嫌で部分切除でなく全摘を選んだ私。だからベージニオを飲まない選択をした場合、再発を恐れる日々が待っているかもしれない。

金銭的な問題がクリアされるならば、副作用は嫌だけれど治療を受けようと考えている。

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