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余熱は170度



ことばの種を買った。
ここ数年の恋愛に欠かせなかった音楽
マカロニえんぴつ、久々にハマった人たち


人前で声を出して泣くほど刺さった曲を
手にとって触れることができるなんて。

歌詞集を読みながら非常に残酷だったなあと傷ついた過去の自分を思い出した休日

上京した時に買ってもらった
オーブン機能がないただの電子レンジじゃ
大したお菓子も作れやしないと嘆く私に
母親が買ってくれたオーブンレンジ。

嬉しくて最初に焼いたクッキーは
その時付き合ってた人に食べてほしくて。
でも1時間後に家に来ると言われたのを最後に
その日は連絡が夜まで取れなかった。来なかった。

泣きながら食べずに捨てたクッキーのことがずっと忘れられない。思い出すだけで今も悲しみで胸がギュッとなる。


だから今はきっとオーブンレンジも喜んでいると思う。
作る度に新鮮なリアクションをして喜んでくれて、美味しそうに食べてくれて、作ったものも、作った私も、全部抱きしめてくれる彼に今度、ぜひオーブンレンジのことも抱きしめてあげてほしいとお願いしたい。


ハッピーエンドへの期待を捨てなかった私が
報われた冬がきた。大好きな冬が帰ってきた


今週末はシフォンケーキに初挑戦するんだ
失敗する気がするから
得意のチーズケーキの材料も用意した
でもそれも不安だからクッキーも作ろう

がんばれ、オーブン

美味しそうに食べる彼のことを想像してあっためるオーブン、余熱は170度。時間は様子見、すぐ焦げるから。私の匙加減がいい加減なだけなんだけど

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