▶︎注意！！！！
この後、あんまり面白くないことを書きますので気に入らない方はブラウザバック推奨です。あと、かなり考えながら書いているので、脈絡がないし話がまとまってません。

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●脚本に関して思ったことが結構多かった。

音楽劇という、音楽と絡めながら物語を作り上げていくという難しいことに挑戦されていました。しかも内容は「罪とはなんなのか？」という、一口では語れないものでもあり、難易度は天井知らずだったのではないかと思います。脚本の方も、それを演じた方も支えた方もみなさん苦労されて本番を迎えたことだと思います。それを承知の上で書かせていただきます。

今回の脚本は非常に「閉じた」ものだったと感じました。結末がはっきりと示され、最終的なキャラクターの考えが述べられ、生死不明といったキャラもいません。なので、観劇後に想像が膨らむ余地が少なかったのではないかと思います。

また話を閉じさせるために囚人５人がそれぞれのこれからや思いを語るシーンがありましたが、申し訳ないことにここが長く、記憶に残らないシーンでした。その前に脱走からの看守組の自死という大きな山を迎え、その後に数テンポ挟んでの本シーンだったので、惰性感が出てしまった、というのもあります。また、このシーンが物語の核心こと言われると私は必ずしもそうではないと感じました。

あくまで私の解釈で言えば「罪とは何か」という問いかけがこの話の骨子であり、それを語るのであれば看守サイドの意見が欲しかったところです。しかし、わかりやすい罪の形を提示していた看守長は早々に退場、問題提起をしたポッツェリオも自分たちのやっていることや罪についてわからなくなり自死してしまいます。残ったアランも自死してしまいますしお寿司（アランが看守長を失った後で自分で考えられるかといったらそれも難しそうですが）。

観劇後に想像が膨らむ余地、というよりあれですかね、観劇後にこの物語のテーマについて考えるための余地とかその材料が少ない、という感じです。

先ほど「罪とは何か」がこの物語の骨子、と書きましたがいま書いているうちにそれに自信が持てなくなってきています。

罪について最も考えるセリフといえば序盤ポッツの「死刑は殺人とは違いますよね？」みたいな感じの何気ない一言です。あれ聞いた時にもうポッツは間違いなく後半に「やらかしてくれる」キャラだと思いますし、ポッツがどのようにそこに解を見つけるかというのが、そのあとの楽しみとして観劇中に浮かんでくるんですよね。でもポッツは「わからなくて」死んでしまう。

●キャラごとの罪の形を考えてみる

リリー：そんなつもりはないという罪・純粋すぎることが周囲を巻き込む罪？無自覚？
ハンナ：そんなつもりなかった・軽い気持ち・考えが足りてない
エド：愛ゆえに犯した罪
ジゼル：自分を都合よく騙している罪
ロイ：忌み子？他者から焼印を押された感じ
看守長：行きすぎた正義・権力の暴走？
アラン：盲目・盲信・思考停止
ポッツェリオ：（強いていうなら）どっちつかず？はっきりしない？思考停止？

こんな感じでしょうか？

●うまく説明できないけど
「罪を犯すことが自分を作っている」と言える？
赤子のように無垢であれば罪は存在しない、しかし自我の芽生えとともに自分が何かを得るために何かを犠牲にしたり誰かに迷惑をかけたりする、ので罪を無くそうなんてのは無理ですよ？
エヴァが知恵の実を手にして知識を手に入れたら無垢ではなくなって楽園を追放されたっていうあれ的な
知識を持ち自我を持つということは罪ってことか
罪＝悪いものではなくて

いや、罪ってそもそも人間が定義したもので
ある罪はある「罰」に対応する
人を殺せば社会が成立しなくなるしものを盗めば経済が成り立たないから、罪というリアクションの形を用意し、そのリアクションが存在することが
うーん

●考えすぎたわ
っていうことを考えたりもしたが、今考えたことが今回観劇をして出てきたことかと言われると別にそうではなくて……。

罪に関することを提供できていないのも一つ課題だったのかもしれません。
例えばの話、看守長に「殺人は社会を不安定にし窃盗は経済を不安定にする、人間文明を脅かす罪人は一刻も早く社会から取り除かねばならん。罪のない社会こそ真に安定し幸福な社会である」的な思想があったなら「罪は社会、文明を脅かすもの」ってことになるだろう。
それとは別に、ハンナが「親が厳しすぎて私の人生を邪魔しそうだったから殺した、殺人は良くないかもしれないけど、自分の人生を守る行為は罪じゃないよ」とかいえば、同じ行為でも罪とそうでない場合があるのか？って投げかけられるし……。

観劇者に投げたものがまじにポッツのセリフくらいで、それいがいに罪に関して考える材料が（燃料が）なかったことが残念ポイントだと書きながら思ってます……。