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I love you.感想

愛は言わなきゃわかんない。愛は伝えなきゃ信じられない。

平成ぽよ卒業公演「I love you.」を観劇しました。公演は2020年2月28日、29日両日19:00より行われました。

この演劇は、私と同期で演劇部に所属していたメンバーが作っています。そのことも含めて、観終わったあとはいろいろと心によぎるものがありました。

とまぁしんみりするのも程々に、あとは感想の羅列になりますので期待せずに読んでくださーい


【キャラクター】
 楽しくなっちゃうな〜
 同期の演劇部にはすごい憧れがありましてその人たちが集う作品はかなり久しぶりだと思うんですよ。つい楽しくなってしまいますよね。このキャラクターってのは脚本上のキャラもそうですけど演者への視線も混ぜこぜになってます。

 *キャラクターのその後について勝手な妄想をしています。不快になられるかもしれません。ご注意ください。

ヲウリ・コーナー
 序盤にあった一種のヤケクソ感?がラストでなくなりスッキリしていたのが非常に心地よかったです。頭がいいキャラってやるの難しそうだなーって思うんですけど頭よかったなぁって思います(なんだその失礼な言い方は)。あとあそこ可愛いですよねあの、ナーヴコネクトタイプのVRゲームの説明をするときに、腕を動かす神経を動かせばゲーム内で腕が動き……って言って腕をクイって上げるあの動作。説明っていう事務的(?)な行為に対してのギャップがかわいい。発言も特段大袈裟でないのに動きだけがカートゥーンみたいでかわいい。
 ヲウリさんは、ニナの墓参りのあとどうするんだろう。あんなことがあった後もカナン博士のもとで働くのか……?ヲウリさんは宇宙の答えに興味があったのだろうか?ニナとの決別は最終的に「143」による和解で決着がついたとして、その先彼女はどういう人生を歩むだろうか。勝手な妄想で言えば別の研究所に行くとかだし、母親と思いっきり違う人生を歩もうって思ったらいっそWIRACに就職するとか。アイザさんの紹介で。

アイザ・アルク
 その衣装二段構えはずるいだろうて。思わず声上げそうになってマジで危なかった。机に座るのもずるくないっすか。というか最初。バーンずかずかって入ってくるあそこ。勝手を知らないどころか礼儀も知らないあの行為だが実は相手の認識に飛び込みそこからの話の展開を早くするという高等テクなのでは(すみません適当です)さすがは特派員。セリフ以外の演技もさすがと言いますか。相手の言ったことを考えている時の表情とかいいっす。さいこっす。
 しかしアイザさんはこの事件が収束したのち、WIRACに戻ってからちょっと不安だなあ……WIRACはMALUSプログラムの全容を把握してはいないと思うけど、本件でアイザさんが知り得たことを報告すれば、MALUSの喪失は世界の情報資源の重大な損失って扱いになるかも?そうすると、MALUSの削除コードを探し出してしまったのはまずいことになるのかも。責任を問われるだろうか?いやでもニナ・コーナーがMALUSの削除へと誘導したことは最後の最後まで知り得なかったことだしなー。無理もないか。ってかあれか、使えば死ぬようなプログラムには大した価値はないね。むしろ、AIによる深層学習という手法で「世界の心理」に近づけるってことが明らかになっただけでも大した成果だよな。アイザさんは責任を問われない。大丈夫だ。

キラウ・カナン
 上司ポジが似合いすぎて困る毎回。いつもそうだ。冷静な姿の裏に秘めたものを隠していやがる。
 物理学の限界を自覚しつつも、物理学はこの世を知るための手段として美しいっていうのがいいなと思います。だってさぁ、深層学習で人工知能に見つけさせるってパワープレイ感あるじゃん?まぁその人工知能を設計しチューニングするのがすごいんだろうけど、やはり観察と理解によって真理を導こうとする物理学は偉大だよ!諦めないで!まぁやっぱり物理学に限界はあるんだろうけど。
 というか博士、銀行にまで白衣を着ていくんですか……?いやダメとは言いませんよ博士って感じでますし……でもほら白衣って仕事着的なところあるじゃないですか……っていうズボラ感が好きです。ズボラじゃない感じするけど僕はズボラって思ったんだ。現実的に白衣がどうとかはうるせー話です。
 カナン博士はMALUSを奪おうとはしたけど直接的に誰かに害をなしたわけでもないので(むしろ撃たれて肉体的には一番被害者)これからもなんともないのかなと。宇宙の答えを探求する研究ができるくらいですし、すでに過去に実績があってちゃんとそれなりのところから資金が出てるんでしょう。安泰安泰。(そうかな……?)

ワン・タイロン
 企業的には三皇ライフラインがどうかは知らんけどトップのこのCEOはマジに普通にいい人やんけ。そのいい人が多分出張から帰ってきたら大変なことになるんだろうな……。主任研究員を含めた四人の研究員が謎の死を遂げるし、飛行機に乗ってる最中に部下が発砲するし、挙げ句の果てに事業の成果物であるMALUSは失われるし。CEOから降格、免職までありえる?この人いい人すぎて自分からやめるかもな……。でも個人の資産はアホほど多いし、むしろ自由な身になるかもしれないね。

ターチ・ターナー
 あの上半身だけ腰から折り曲げて覗き込むのあれパクっていいですか?多分狂人扱いされますよね(失礼)というかあなたはまーた銃なんかぶっ放してー。もっと大きい銃持ってもらってもいいんですよ?
 個人的にはターチさんはかなりニナさん好きなんだろうなって思う。彼女も宇宙の答えクラスタでその第一人者であるニナさんをめっちゃ尊敬してるんだろうな。カナン博士と比較して、ターチさんは職場で一緒に働いてたしご飯食べに行ってたから、ヲウリが羨ましいって感情はそれほどでもなかったんじゃないかなぁ。それを思うとやっぱりカナン博士の経歴は悲しいなぁ。

ニナ・コーナー
 優秀な科学者であり不器用な母親であり、娘への愛の深い人だなと。愛を伝える方法を知らなかったんだろうな……。
彼女は宇宙が大好きだった、自分の子供を宇宙と呼んだのはなぜだろう?自分が大好きな存在1に、大好きな存在2を重ね合わせたって感じ?
 これは何の根拠もない妄想だけど、ニナさんはもちろん優秀な科学者で、科学者と言えば事実に基づいて論理を組み立てるのが得意でもあるけど同じくらい直感も優れていることが必要なんじゃないかなと思っているのですよ。で、ニナさんは宇宙の答えについて直感的に理解していたんじゃないかなと。ただその答えってのは、本来研究していた「宇宙がどうやってできているのかっていう答え」じゃなくて「宇宙に生きる人間はどうやって生きればいいか」的な答え、生きる意味とか理由とか目的の方なんじゃないかな、と。我々はどこへ向かうのか、的な答えな訳ですよ。そしてその答えを直感で察したわけです。
それは娘への愛だと。それは対象が異なれど万人に共通のことであると。だから娘を宇宙と呼んだ(宇宙=愛)のかな(理屈成り立ってる?私はわからない)。
 むしろ、宇宙がどうやってできてるかなんてしょーもないことなのかもしれないですね。それこそ死んでしまうくらい。ニナさんは当然そっちにも興味があったんでしょうけど、それに意味がないことも理解していたのかもしれないなぁ……。
 ヲウリさんがMALUSで見たものが143=愛っていうのも、私の宇宙の答え=愛理論を補強しています(キリ


【脚本】
 脚本を書いた彼(上善如水)からSF仮説や演繹について何回か聞いていたので理解がしやすかったです。それはともかく。
 彼が伊藤計劃を好きなんだなって改めて思ったのがWIRACの名前が出た時です。世界情報資源協定理事会。こういう架空の組織の名前とかが計畫的だなと。
 70分に収めるのは結構難しかったんじゃないかなこのお話……と思いました。キャラクターを掘ろうと思えばもっと掘れるだろうけど話の本題はそこじゃないですからね。私が脚本についてアーダ=コーダ(1997~)いうのは無理なんで別の話を。
 観劇を自分の意思でしたのは大学に入ってからなんですよ。つまりこの4年ほど。で、思い返せば観た演劇の5〜7割が彼(上善)の脚本なんです。だからこれがデフォルト、みたいな感覚があります。他の人が書いた脚本を読んだ時にすごく感じる違いとしてはセリフ回しでしょうか。
「これが答えです。これが答えなんですよ」とか「人間は目でしか真実を見抜けない」とか。繰り返しと言葉遊び?もっと長いセリフで、構造を繰り返すようなところもあったなー。うん好き。

【音響】
 恥ずかしながら今回の音響機材をサークルNo Wall Diggerより貸し出したついでにちょっとだけ、ほんのちょっとだけ関わらせて頂いたので、音響について。
 BGMの効果がすごく良かったなと思います。今回は役者がミシュラン三つ星なので劇的な音楽で補強する必要がないというかそれをするとむしろ役者の演技とぶつかるのかな、と。さりげなくそこにバックミュージックとして存在し、観客の意識のしたからシーンの印象を操作する影の支配者、音響。そんな気がしていました。

【舞台とか演出とか】
 ケーブルをあえて隠さず、舞台と客席のラインにしたり、ケーブルでサイバー感てきな物を出したりしていていいな、と。第3アトリエデッサン室という環境も白黒に空調パイプがあったりして無機質で。さらに壁はプロジェクタの投影にも使えると。少ないリソースでできる表現を考え続けてきた演劇部らしいなと感じました。
 机や椅子を便宜的に多数のものに見立てる演出もわかりやすくて良かったなって思います。ゼミ室の机は足が心許なくてね。たいへん。

【広報や物販】
 さすがの4年生ですよ。パンフレットとか写真とかグッズとか良すぎるでしょうよ。パンフレットあれほんとデザインの参考にしますよ。(まぁ春からは営業やりますが)
 コーヒーバッグもとても良かったです。ああいうサービスがあるってこと自体初めて知りましたし、セリフがあしらわれているコーヒーってめっちゃおしゃれですよね。ご馳走様でした。


【最後に】
 とりとめもない文章なので、日本語バグや何言ってんだこいつが多かったかもしれません。でも最後にちょっとだけ。
 この期の演劇部のメンバーには最初にも書いたように憧れがありました。それは単にイケメンとかカッケーとか綺麗とか尊いとかそういうことではなく(それもありますが)、一人一人が一つの演劇を成功させるということにしっかり向き合って、自分の能力をだし意見を衝突させながらチームとして最後まで走っているその姿に憧れていました。
 多分似たことを過去の別の感想でも書いててまたかよって感じですけど、全然変わってないですね。
 「I love you.」を観れて、本当に良かったです。卒業に伴って離れ離れになるでしょう。でも望めば叶わないこともないですし。大丈夫ですよね、愛があれば。

 よっしゃ〜俺もこの人達みたいな仕事してこの人達みたいにカッコよくなってやるぜ〜〜〜!感想で何書いてんの〜〜〜!??!?!?

ありがとうございました!
143!


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