スクリーンショット_2018-09-20_1

「THE BABY BABY IDENTITY」感想1

平成ぽこ学祭公演「THE BABY BABY IDENTITY」感想1

2018年長岡造形大学大学祭で行われた演劇サークル「平成ぽこ」による学祭公演「THE BABY BABY IDENITY」の感想です。感想というか日記?雑記?
最後の平成、元号が変わった時平成ぽこの名前はどうなるのか?別にそんな不安は持たずに9/15日14:30開場15:00開演の回に潜り込みました。

今回は事前の告知をほとんど見ずに観劇しました。なので、音楽劇というのを直前に知った時は驚きました。冬には殺陣をやり今度は音楽とな。平成ぽこの挑戦は止まることがないって感じでしょうか。しかし音楽ですか。そういわれるとパンフレットの色合いは妖しく楽しく、そして暗さもある、そんな感じになっているなーと思いました。

A4半分おりパンフの中を見れば挨拶とあらすじが。「みんな本当の罪とは何かを探している。」「私たちはまた罪を重ねた––––––」
罪、罪とな。ハハーンこれは終劇後に小難しいことを考えている自分の姿が想像に難くない。現に今そうだもの。
しかも主人公のリリーはリンゴを盗んだってさ。これはまさに罪ですね。いやー罪ですね。

観終わって率直に

音楽の要素と演劇の要素でいうと、演劇の要素が強く印象に残ったかな?という感じです。ミュージカルものだよ~って言われて「ララランド」と「グレショ」観たときに、これ同じくくりにしていいん?って感じるものに近いというか。ベビベビはララランドよりなんじゃないかなと勝手に思った。別にそれがいい悪いではなくてなんというかな……ある方法をとったらたまたまそうなって、伝えたい本質はちゃんと別のところで伝わってる、というか……
(日本語が下手だがなんとか言語化したい)

キャラクターと役者さんについて

「リリー」
主人公。「リンゴを盗んだ罪」で投獄される。
彼女がリンゴを盗んだことで、監獄内に「本当の罪とはなんなのか」という思考をもたらし、事態は連鎖していく。聖書っぽいですね。これは本当に私の感じただけのことですが、このリリーさんはあまりにも純粋でそれゆえに周りを巻き込んでしまう……その純粋さが人を救い人を殺すキャラクターだと思いました。ある意味狂気で、それを本人は認識していない。あまりにも純粋という罪。
<<間違ってたら申し訳ないですが、役者さんは新人公演の「◯罰」で千世を演じられた方でしょうか?いや本当に違かったらごめんなさい。もしあってたら罪と罰で面白いなっていう。>>

追記:9/20 間違ってました。千世さんを演じたのはリリー役の方ではなくジゼル役の方でした。


「ハンナ」
リリーと幼馴染のキャラクター。赤色さん。いわゆるいいヤツ?
明るく楽しく、曲がっていることを許さない感じのキャラでした。ただ過去に犯してしまった罪によって投獄されている。刺したら死んじゃったという、これはなんて言いましょう、無知?それとも運が悪かったのか?
やり直しがきかないこと、それをやっちゃったあとどう生きるか、というのを表したキャラクターだったのではないでしょうか。

「ロイ」
獄中で生まれ獄中で死ぬ。彼は罪というより「理不尽」とか「忌子」みたいなことを表したキャラでしょうか?そして最後は愛のために死ぬ
あーまったいま書いててちょっとしんどくなってきた。そうか、ロイは愛のために死んだのか。そうか。それも個人への愛のために死んだんだな。私にはできないことを、獄中で生まれて外を見たこともないロイがやったんだ……最後に歌って死んだんだ……。

「エド」
彼キャラクターの中で最も好きです。強面×動物好きとか、スタイルとか色とかかなりグッとくるポイントも多いですが私の好きなポイントは声ですね。中低音がしっかり張られている感じが好きです。そして、感情が強く出ると硬かった部分が崩れるのがまた良さみ。

「ジゼル」
自分を騙した罪で、という感じでした。罪状は子供殺しですが。
もらった金を「どこかで拾ったんだ」というセリフと、娘のビオラが「誰かに殺されたんだ」というこのセリフがリンクしているのがゾっとしました。もし彼女が牢獄から抜け出していたとしたら、そのあと何処かの誰かを探し続けるのでしょうか?見つかることのない他人を探し続けて老衰よりも、娘殺しを自覚できたことは良かったのかもしれない、と思いました。

「ポッツェリオ」
コメディと問題提起を担った大事なキャラクターでした。

「アラン」
盲目的に看守長に従い、最後には支えを失ったことで自死を選ぶということに心揺さぶられる人もいるのではないでしょうか。その点からすると前半にポッツの遊びに付き合ってあげていたのは若干キャラにブレがあるのか?それとも理屈では看守長に従いながら別のところでそれを認めていないのか?あるいは、看守長野いうことを聞いているだけの「子供」という演出?
シーン一つ取っても色々考えられて楽しいです。

「看守長」
安定の演技力で見事に演じてくれました。敵サイドのキャラでありながら観劇者としてある意味安心するという謎の矛盾が生じました。素敵。カリスマ。
看守長があそこまで犯罪者の扱いを悪くするようになった理由はなんなのかと考えたくなります。でも、安っぽい「実はこんな理由があってこの性格になったんだ、決して悪い人じゃないんだよ」みたいなことやるより今のままがいいかもしれませんね。


サポートしていただくと、元気になります。元気は良いこと