平成ぽこ 2019新人公演 感想

注意
・この感想には門外漢の割にめっちゃ言うやん的シチュエーションがわりとあります
・オメェ(私)のことはいいんだよって文章があります


四季折の羽
なかなか大変だったと思います。20分で恋愛感動系は難しいんじゃないでしょうか?積み重ねた上に感動というものが存在するので、時間が短いほど積み上げにくいですね。

原案がひとしずく×やま△さんによるVOCALOID楽曲だと聞きました。おそらく原曲を知っていて感情移入も深い人ならばもう少し楽しめたかもしれません。

役者さんがよかったので、話の改善と演技練習によって良くなる可能性があると思います。

この話では、起きたことの全てが時系列で語られているのでただの報告になっている点が問題だと感じました。随所に入るナレーションによる「説明」もそれを助長しています。

原曲を聞くと、鶴を助けた部分が回想として中盤に挿入され、ストーリーの流れが時系列でない部分があります。よくある夫婦の話、からの実は……そして病に倒れる夫、果たして……的なありきたりな起承転結をなぞっているのだと思います。それをなぞる方法があったのでは、と。

起承転結は物語の基本とか言われるらしいので基本は大事にした方がいいですよ。マジで。基本大事にしないと基礎造や演習で基本がないばかりに奇抜なアイディアに走り対して面白くもない廃棄物を生み出す私の大学生活のようになります。これは余計でしたね。失礼しました

でも役者さんは美男美女イケボ美声に加え老人を演じられる人までいていいな〜と思いました。練習重ねれば重ねるだけ強くなると思います。あと演技でいえば(特に道具を用いなかった)動作の一つ一つをもっと吟味できると思います。雪道の歩き方とか重たい背嚢を下ろす時の動きとかですね。



コレクション
第4の壁「舞台とお客さんの壁」を超えてくる系演劇(1〜3知らないんですけど)でした。私たちが王のコレクションだったのか……中盤までの楽しく明るく愉快なコメディから最後にゾクリとさせる寒暖の差にドキドキしました。

印象的だったのは、ロンリコサムサム王が出てきた時です。声や所作は明るいのに顔が笑っていないというか、幼く見えるのにはるか上にいるというかここにいるけどいない(想像し過ぎ)感じとか。
関係ないですけどロンリコを読み間違えそうで怖いです。

役者さんもよかったです。トレジャーハンター3番目の彼が好きです。今後色々な役で魅力を発揮してくれそう。あと2番のイケメンさんのうるさい動きが好きです。うるさい動き大好きなのです。
隊長は大事なツッコミ役(だった、のか?)、いないとツッコミ不在の恐怖が訪れますね。常識人はこの学校少ないですから常識人はきっと重宝されますよ。


ROCKET
胸にくる話だったぜチクショー。
「怖いんだよ」のセリフが胸にきました。痛かった。でもロケットっていう人類の夢の象徴みたいなものを通して自分も夢に向かって飛んでみようと。さて、会社員の彼には隠れた夢があったが自分はどうかな?おっとこれ以上はいけない。

借金返されないのに一緒にロケット発射見学に行く仲良しいいですね。そういうダチっていいと思います。私?やめとけやめとけ!ただダンサーの彼、親には顔見せとけよ。急に死ぬからな(急に不穏にすんな)。

役者さんですが、
ダンサーの彼の方、相手のセリフの時の所作がいいなーと思いました。話を聞いてリアクションが体から出てるみたいな。自然ですよね。会社員の彼も、やるべき演技をきちんとやっているんじゃないかと感じました。自分に言い訳している様の演技はある意味、まるで自分を見ているようでした。

これはオリジナル脚本ですか?全くゾッとするぜ。



便宜上裏方と呼ばれる方

音響。音に関しては一家言あったりなかったりする私です。今回は音の数が少なく、音量も少々足りないシーンがあったと感じました。音量に関しては役者の声よりも異様に大きいと音が舞台上の世界の中で変に浮いてしまうので、役者との相対的な兼ね合いもあるのではないかと勝手に考えていますがもう少し音量欲しかった感はあります。音は会場によって、また客入りによって聞こえ方が全く変わります。これは研究と経験しかないと思います。

音の数ですが、ようはもっとSE入れられるところ入れてよかったんじゃないかなって感じです。玄関の開閉音は一度鳴らしたら全部鳴らした方がいいと思います。

しかし、音関連で大きなミスはないと思ったのでさすがだな〜って感じです。


照明

きちんと仕事をしていたのではないかと感じます。開演前の会場の明るさに関して少し議論するといい(って始まる前に話してた)と思います。これも正解のない難しい話ではありますが……。今後は脚本との兼ね合いでもっと仕事が増えるんじゃないでしょうか?頑張ってください。

音響と照明は役者と同じレベルで舞台上の世界を作るのに必須で仕事も精査が必要な役割だと思います。今後も頑張って欲しいです。


制作物やそのほかスタッフのみなさん

パンフレット、わかりやすいので良いと思いました。スタッフのみなさんが黒で並ぶ様は壮観ですね。支える人あっての演劇なんだなぁと感じます。




おわりに

めっちゃ上からの文章ばかりになっているのですが、いっそ最後までそれで行きます。

わずか2ヶ月かそこらくらいで、ここまでのものを作れるのはすごいと思います。資質もそうですし、それを生かして本番までに詰める努力もすごい(基礎造もあったりバイトしてる人もいるだろう中で)と思います。それをできる個人がすごいのはそうですが、何より「平成ぽこ」という演劇部が、それを可能にする土壌を持ち合わせていたというのが大きいと思います。半ば嫉妬するレベルに、力のある組織です。そして組織とは、そこに所属するメンバーの帰属意識で強さが変わります。仲間をフォローし時にフォローされたら感謝し、「平成ぽこ」として強くなっていって欲しいと思います。

いやぽこはまじですごいからこれからも頑張ってください!





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