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かなえたい夢〜青春時代のやり直し〜

私がかなえたい夢を語る前に、少し昔話をしましょう。詳細は省きますが、私は、幼い頃から家庭環境に難を抱えていました。そのせいで「慢性的なうつ状態」で人生を過ごすことになってしまったのです。不幸なことに、私自身も家族も周囲の人々も私のその状態が「普通」だと思いこみ、適切な治療が行われることなく大人になりました。

「慢性的なうつ状態」ですから、精神状態や体調は常に不安定でした。希死念慮もありましたが、私の中で死を望むことは「普通じゃないこと、よくないこと、考えてはいけないこと」だったので、自分の本当の気持ちを押し込めるように日々に絶望して生きていました。その中で、絵を描くことは私の生きがいでした。

幼稚園生になった私は、どうやら他の子供よりもほんの少し達者に絵が描けることを知りました。絵を描いて、周りの子や先生に褒められることは嬉しかったです。小学生になると、絵を描くのと同時にストーリーも考えていました。作文や読書感想文を書くことも得意でした。私の将来の夢が「漫画家になること」なのは、ある意味必然でした。

しかし、私のキラキラした夢とは裏腹に、私の精神と身体は、暗い沼に沈んでいくように下へ下へと落ちていきました。何をするにも憂鬱で、頻繁に頭痛や腹痛が起きていました。そして、1番の悩みは「漫画が描けない」ことでした。漫画を描くのは簡単なことではありません。ストーリーを考えること、キャラクターを作ること、絵を描くこと、どれも根気のいる作業です。今振り返れば、うつ状態の私には日々の学校生活ですでに出来ることの容量がオーバーしていたと思うのですが、私は不出来な自分に愕然とし、自分のことがどんどん嫌いになっていきました。私にとって、唯一の得意である「絵を描くこと、ストーリーを考えること」すら、まともに出来ない自分を許せなかったのです。そんな日々の中で、漫画を読むことは私を暗い沼から一瞬でも浮上させる手段でした。

高校生になり、ネガティブな言動する私は教師から疎ましがられました。常に体調が悪い。教師からは叱責される。漫画を描くことも出来ない。いつの頃からか、私は現実感を持てなくなりました。大学生になった私は、親元を離れることになりました。それからはもう、加速度的に具合が悪くなりました。パンパンに膨らんだ風船は、さらに空気を入れても針で指しても破裂します。私の精神はついに限界を迎えたのです。

それでも周囲の人に助けられ、なんとか大学を卒業した私は、当然就職など出来ず実家に帰って治療を始めることになりました。自分に合う薬を見つけるのにかなりの時間を要し、ほんの僅かに効果が出たと思われる薬に望みをかけ、自宅と病院を往復する日々でした。あんなに好きだった漫画も、内容が理解できなくなってしまったため読むのを止めてしまいました。希死念慮を誤魔化すエネルギーすら無くなっていました。それでも、身体は思うように動かず、布団に横になって涙を流すことしか出来なかったのです。

雲の間から光が差し込みはじめたのは、治療を開始して3年程経った頃でした。ふと、自分の思考の中で死を意識することが減っているのに気付いたのです。それは、私の人生において経験したことの無い感覚だったため戸惑いました。「みんな、常に『死にたい』と思って生きているんじゃないの?私にとっての当たり前は異常な状態だった?」そこからは、投薬とカウンセリングによる治療を行っていくことで少しずつ良くなっていく実感がありました。気力が出てきたのか、漫画のストーリーを考え、漫画の絵を描くようになりました。ただ、それでも体調が万全では無かったため、着想から完成までに約5年を費やすことになりました。

ひょんなことから身体の病気になり、入院生活も経験しました。それをきっかけに「人生は何が起こるかわからない。後悔しないように生きたい」と強く思い、退院してから本格的に漫画制作を行うようになりました。その時にはもう、30代になっていました。私は「人生で最もエネルギーに満ちていたであろう年代が台無しになった」という自覚があります。だから、今は「青春時代のやり直し」をしているのです。「あの頃、健康なら出来ていたこと、やりたかったことが今の私なら出来る」そう信じて漫画を描くことが、私の生きる意味に、生きる目的のひとつになっています。

私は、幼い頃から絵を描いてきた人間にしては、画力が低くて描くスピードが遅いです。ストーリーもパッとしません。でも、たとえどんなに拙くても時間が掛かっても、漫画を完成させています。ネットで作品を発表したり、漫画賞に応募しています。これは、過去の私からすれば、とても凄いことです。そして、出来ることが増えてくるとさらに欲が出てきました。

私がかなえたい夢は、画力を向上させること!描くスピードを速くすること!魅力的なストーリーを考えられるようになること!色んな人に私の漫画を読んでもらうこと!です!!

努力するために健康な精神と肉体が必要なのは、身をもって知っています!!だから、これからも漫画を描き続けるために、体調管理を頑張っていきます!!

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