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梅雨の養生

梅雨入りしても、しばらくの間はここ鎌倉ではお天気が続いていましたが、ここ数日はしっかりと雨降りですね。今日は、梅雨の養生についてのお話です。

みなさん梅雨は得意ですか?

得意という方は、あまりいらっしゃらないかもしれません。梅雨のこのじめじめべたべたの季節、なんだかいろいろとおっくうですよね。

私もこの季節、とても苦手です。からだはなんとなくだる重い。蒸してるのでクーラーつけると、なんとなく冷える。でも消すと暑い。もともとアトピー性皮膚炎もちなので、べたべたした汗や湿気が皮膚にかゆみを起こして憂鬱…などなど。この季節、はやめに過ぎ去って欲しいです。

今の季節は、みんな水が滞りやすい

みなさん今の時期、こんな不調を感じませんか?

□からだが重だるい
□下半身がむくみやすい
□雨の日•梅雨に不調になりやすい
□ 胃がちゃぽちゃぽする
□車酔いしやすい
□めまいが多い
□汗がべたつく
□関節のこわばりがある
□鼻水•鼻づまりになりやすい
□ 下痢、軟便になりやすい
□口内炎ができやすい
□食後、眠くなる
□顔色が黄色っぽい

いかがでしょうか?チェックが多いければ多いほど、この季節にお疲れのサインが出やすい、水滞タイプと呼ばれる方です。

水滞とは、読んで字のごとく「からだの中で水が滞っている状態」です。今の季節はこの水滞タイプになりやすいと言われています。

理由は、日本は海に囲まれた島国で湿度が高い国だからです。その中でも特に海に近い街、山や森など湿度の高い場所で生活していたり、お仕事で水に触れる機会が多い方などは、この水滞タイプになりやすい可能性があります。からだのタイプは、住んでいる環境や生活習慣にも影響受けることがあります。

からだの水分代謝をアップさせることが大切

さてこの水滞タイプのみなさんへの養生は、「水分代謝」をよくすることがポイントになります。

つまり、

1余分な水分はからだの外に出し
2必要な水分を上手にからだに取り入れる

です。出すことと入れることどちらも合わせてセットにして考え、からだの中の水の巡りをよくしてあげることが大切です。

[ 汗で余分な水分を外に出す ]

みなさん日頃からいい汗はかいてますか?^_^
汗をかくと心身ともにすっきりする感覚、みなさんご経験されていると思います。しかし今は汗をかきたくてもかきずらい環境が多いです。

理由は、
1.外気に湿気が多く、そもそも汗が蒸発しずらい。
2.空調のきいた室内にいる時間が長いと、そもそも汗をかいて体温調節をする必要がない。

汗は、かかないでいると汗腺の機能が弱まり、汗をかきづらなります。そうるするとからだの熱を外に逃がすことができず、からだに熱がこもり熱中症などの危険性も高まってしまいます。

そして、汗はかけばかくほどよい汗をかけるようになります。最初はべたつく汗であっても、だんだんとさらっとしたキレイな汗、時間がたっても臭いの少ない汗をかけるようになります。


さて、汗をかくには、もちろん運動が一番よい方法です。ウォーキング、ランニング、ヨガ、筋トレなど、ご自分の好きなもの、続けやすいものを、習慣にできたらよいと思います。

ここでひとつお伝えしたいのが、湿度の高い梅雨の季節は二ヶ月近く続くので、一日だけ運動を頑張って、たくさん汗をかいても、梅雨の養生的には、残念ながら効果は高くありません。

外気の湿気が高い今の季節は、からだの中の水の滞りは日々生まれてしまうからです。
「毎日、ちょっとずつ余分な水分を出す」が大切になってきます。養生は、自分のペースで細く長く続けることが一番大切です。(自分で書いていて耳が痛いですが…。)

運動が苦手、なかなか続けられないわぁという方は、半身浴がおすすめです。特にクーラーの効いた部屋の中で過ごすことが多い方は、この季節に意外と冷えている方も多いです。半身浴で湯船につかり、汗をかきやすい体質にしてあげるとよいと思います。

[ 梅雨の五臓「脾」を養う]

梅雨は、五臓の「脾」が特に活躍する季節です。脾は、食べ物を消化吸収し、からだに必要なエネルギー、栄養、水分を作り出すところです。 

脾は湿気に弱いので、湿度が高い梅雨は、脾に負担がかかりやすい季節とも言えます。この時期、あなたの健康のためにフル稼働してくれている脾をちょっとでも大切にするために、以下のことを心掛けてみてください。

(1)脾を養う食材を食べる
•芋類・豆類・かぼちゃ・キャベツ・ブロッコリー・など

(2)水分代謝をアップしてくれる食材を食べる
•いんげん、枝豆、大豆、黒豆、緑豆などの豆類
•きゅうり、ゴーヤ、ズッキーニ、スイカ、冬瓜などのウリ科の野菜
•はとむぎ、アスパラガス、空芯菜、とうもろこしの髭など

(3)温かく消化によいものを食べる
消化に負担をかけないように、蒸したりゆでたり煮込んだりして温かく調理したものを食べる。

(4)消化に負担をかけないようにする
・よく噛んでゆっくり食べる
・冷たい飲み物、生野菜、生の魚などは摂り過ぎないようにする
・砂糖類がたっぷり入った甘いお菓子などは控える
・脂っこい物、味のこいものは控える

(1)から(3)の「からだにいいものを摂る」というプラスの健康法は分かりやすく、実践もしやすいと思います。

逆に(4)の「からだに負担のかかるものを避ける」というマイナスの健康法も、同じくらいとっても大切です。
(この飽食の時代、おいしい物やお店もたくさん。誘惑も多いです。これを実行するのはなかなか大変。私もついつい甘いものや冷たいものを食べ過ぎてしまいますが、自戒もこめてお伝えしますw)

[ 必要な水分を上手に取り入れる]

熱中症対策として「水分をしっかりとりましょう」というのは、いろんな場所で耳にしますし、みなさん気を付けていらっしゃると思います。

ただこれ、少し注意していただきたいのですが、薬膳漢方的にみると、水分を取り過ぎてしまっている方が多いです。日本はもともと湿度が高い国なので、水分が足りなくて病気になることよりも、水分を取り過ぎて不調を招くことの方が圧倒的に多いです。

水分の取り過ぎは、梅雨の五臓「脾」に負担をかけてしまいます。脾が弱まると消化吸収機能が弱まり、からだのエネルギーを作り出せなくなり、結果的に夏バテになったり様々な不調を招いてしまいます。

水分を上手に取り入れるコツはとてもシンプルです。「喉がかわいたときに、ゆっくり少しずつ飲む」です。飲食物の消化吸収をしてくれる脾は冷たいものが苦手です。氷でキンキンに冷えた水は、脾の負担になってしまいます。一気にたくさん飲み過ぎないように、そしてあまり冷やし過ぎないように、「喉がかわいたときに、ゆっくり少しずつ飲む」をこころがけてみてください(^^)

脾を養うじゃがいものマッシュ

今週のお弁当にも入れていた、梅雨の五臓「脾」を元気にしてくれるじゃがいもと、水はけをよくしてくれるとうもろこしを使ったじゃがいもマッシュをご紹介します。

(ちなみにとうもろこしのひげも南蛮毛といって、水はけをよくしてくれます。スープに入れたり、素揚げしてサラダにトッピングしたり、乾燥してお茶にしたりしていただけます)


[材料]

・じゃがいも 4個
・とうもろこし(ゆでたもの) 1/2個
 (または缶詰1/2個)
・玉ねぎ 1/2個
・バター 10g
・豆乳 適量
・塩 少々

1.じゃがいもは皮をむき半分に切り、水につけてあく抜き。玉ねぎはスライサーで薄切りにし水につけておく。
2.1のじゃがいもは火が通るまでゆでる。ゆであがったら湯を捨て、水気を切り火をとめる。鍋の中で温かいうちにじゃがいもをつぶす。
3.2にバターを加え、混ぜながら余熱でバターをとかす。
4.3にひたひたになるくらいの豆乳を加え、火をつけ弱火に。へらでかき混ぜながら、好みの固さになるまで水気をとばす。最後に水気を切った玉ねぎ、とうもろこしを加え、塩で味を調える。


梅雨明けまでのもうしばらく、みんな元気に過ごせますように。