花咲くうちにきて / 薬膳・養生・中医学

美穂(漢方養生指導師・国際薬膳師) 日々の暮らしに、薬膳や中医学の知恵がゆきわたるよう…

花咲くうちにきて / 薬膳・養生・中医学

美穂(漢方養生指導師・国際薬膳師) 日々の暮らしに、薬膳や中医学の知恵がゆきわたるように。鎌倉で薬膳の知恵を取り入れたお弁当販売を経て、今は薬膳中医学の知恵をお伝えしています。https://www.instagram.com/hanasakuuchinikite/

マガジン

  • 今日の薬膳ごはん

    日々のプチ不調から自分の体質を知り、それにあった食材をご紹介します。体質はからだの中を巡る気血水(きけつすい)とからだの内部の働き、五臓(肝心脾肺腎)のサインからよみときます。

  • 薬膳って何?養生って何?

    薬膳ってからだによさそうだから、知りたい、生活に取り入れてみたい。ではそのそもそも薬膳ってどんなもの?一番基本にある大切な考え方をお伝えします。

  • 五臓(肝心脾肺腎 かんしんひはいじん)の話

    薬膳・中医学ではからだの中の働きを5つに分け、それを「五臓」と呼びます。五臓は、「肝(かん)心(しん)脾(ひ)肺(はい)腎(じん)」。五臓が協力し合ってバランスを取り合って、私たちの健康を保ってくれています。

  • 季節の養生

    薬膳・中医学的にみる季節の過ごし方。人間も自然の一部。季節にあった過ごし方で、より元気に健康に過ごせるようになります。

最近の記事

講座〜梅雨の薬膳養生ごはん会〜(5/10fri)

季節ごとに開催している講座のご案内です(^^) 初めての方も、お気軽にご参加お待ちしております☺︎

    • 腰は体の要〜腎の話〜

      今年のお正月の出来事。 主人の実家の福島に帰省中、重たい石油ストーブの場所を少し動かそうと、えいっと力を入れて持ち上げた瞬間に、じみーに腰の奥ににぶい痛み。「あ、やっちゃった…」と思ったときには、時すでに遅しでした。ぎっくり腰までいかないけど、ここ数年で痛めやすくなってきている腰をまた自分で雑に扱ってしまったと思いました…。  以前、漢方薬局でいただいていた腰痛のお薬を飲んで、症状が軽くなってほっとしたのですが、改めて自分の弱いところ、自分の体を大事にしないとなぁと思った出来

      • 睡眠ってとても大事☺︎~睡眠と陰陽~

        久しぶりの更新になりました。 突然ですが、みなさん毎日睡眠はしっかりとれていますか?朝すっきり起きられますか。夜眠るときの寝つきはよいですか。悪い夢を多く見たりしませんか。朝方や途中で何度も目が覚めたりしていませんか。 とても当たり前で、そしてとても見落としがちな、健康にとって大切なこと、それは「睡眠」です(^^) 今日は睡眠と陰陽のお話です。 中医学では陰陽という考え方があり、両者のバランスをとても大事にしています。陰も陽もどちらも同じくらい大切な要素です。どちらか

        • 汗のかきすぎに梅干し

          先週から夏の土用に入り、今年も和田農園さんのおいしい梅を干しました。 今年は、和田農園の佳代さんの梅干しづくりのレシピを参考に、去年よりも塩の量を少し減らし、その分おいしいお塩を使ってつくりました。あがってきた梅酢をちょこっと口にすると、おもわず「うま~っ」と声が出ました。梅干しのできあがりが楽しみです。 さて、梅干しは今の季節にぜひ食べていただきたい食材の一つです。梅の酸味は、収れん作用といって、汗のかきすぎを抑えてくれます。 汗は体温調節のために大切です。夏の暑い時

        講座〜梅雨の薬膳養生ごはん会〜(5/10fri)

        マガジン

        • 今日の薬膳ごはん
          7本
        • 薬膳って何?養生って何?
          3本
        • 五臓(肝心脾肺腎 かんしんひはいじん)の話
          2本
        • 季節の養生
          7本

        記事

          血の滞り〜茄子の紅花揚げびたし〜

          私たちの体を作る大切な要素「気(き)血(けつ)水(すい)」があります。 気は、体を動かす基本的なエネルギー。 血(けつ)は、栄養素、滋養作用。 水(すい)は、血以外の体の中の水分。 気血水が体の中をたっぷりと巡っているとき、私たちは健康でいられます。 気血水のうち、血の流れ悪くなり滞ると瘀血(おけつ)という状態になります。瘀血にはこんなサインがあります。 □目の下にクマができやすい □しみ・あざができやすい □肌がくすみやすい □舌や唇が紫色っぽい □肩こりがひどい

          血の滞り〜茄子の紅花揚げびたし〜

          乾燥しやすい血不足タイプ~鮭とほうれん草の炒め物~

          薬膳・中医学では、体を作る大事なものとして、 「気 き」「血 けつ」「水 すい」 の3つがあると言われています。 気は、体を動かす基本的なエネルギー。 血は、体の栄養素。 水は、血以外の体に必要な水分 です。 今日は、血と血不足(血虚・けっきょ)のお話です。 血(けつ)は、体に必要な栄養分。体を潤し、栄養や滋養となります。興奮状態をクールダウンさせる鎮静作用もあります。また血は精神とのつながりも深く、血がたっぷりあることで、穏やかな気持ちや心、思考力、適切な判断がで

          乾燥しやすい血不足タイプ~鮭とほうれん草の炒め物~

          声は気の余り

          (以前、インスタで投稿した記事を加筆修正したものです) 薬膳・中医学では、「声は気の余り」という言葉があります。気とは、体の生命活動を支える基本エネルギーのこと。 想像してみてください。 虚弱体質で繊細なイメージの人は、声、小さくありませんか。活動的でエネルギーにあふれている人は、声、大きくありませんか。 気は、充分にからだの中を巡っていることが健康につながります。 薬膳では、その人の体質を重視します。その体質にはいろいろなものがあり、代表的なものの中に「気虚(ききょ

          じめじめ湿気に、はとむぎ

          先週から全国的に暑さが強くなりました。気温とともに湿度も上がってきて、これから蒸し暑い夏がやってきます。 日本は海に囲まれた島国。木々も多いので、湿度がとても高い国です。 薬膳・中医学では、季節による気候を六気(ろっき)と呼びます。六気は、風(春)、湿(梅雨)、暑・火(夏)、燥(秋)、寒(冬)とあります。これらの六気は、それぞれ過剰になりすぎると邪気となり、私たちの体に悪い影響を与えます。これからの季節は、湿度と暑さが増し、湿邪、暑邪、火邪となり、私たちの体に負担をかけるよ

          エイジング〜腎・脾・肺〜

          薬膳では、体の中の働きを五臓「肝・心・脾・肺・腎」と呼び、それぞれがバランスよい状態でいられると私たちは健康で元気でいられると考えられています。 さてタイトルにある通り、今日はエイジングのお話です。薬膳では、老化は「腎・脾・肺」の3つが大きく関わるといわれています。 エイジングに大切な「腎・脾・肺」と それぞれのお疲れのサイン 【 ①腎 】 体の元気の源「精」を蓄える場所。老化に一番かかわる場所。年齢を年齢を重ねると、特にこの腎の気(腎気)がだんだんと少なくなっていき

          いらいらしやすい気滞タイプに気のめぐり~鯵の南蛮漬け~

          前回は、エネルギー不足(気虚)のお話でした。 今回は、気が滞る「気滞(きたい)」体質です。 私たちの体には「気・血・水(き・けつ・すい)」の3つの成分があります。気血水がたっぷりとバランスよく体を巡っている状態が健康な状態です。 そしてこの気血水は、「不足している」か「滞っている」かで、その人の体質を読み解くことができます。 気が不足している場合(気虚)は、不足している分を食材などで補い、気が滞っている場合(気滞)は、めぐらせることが大切です。そうして偏ったバランスをま

          いらいらしやすい気滞タイプに気のめぐり~鯵の南蛮漬け~

          疲れやすい気虚タイプ~じゃがいもマッシュ~

          あまり意識していなかったのですが、子供のときから、じゃがいもをよく好んで食べていました。大人になってから友達と外食するとき、よくじゃがいもを使ったメニューを注文しているようで、「じゃがいも好きだよねぇ」と友達に言われました。(それも違った場面で複数の友人に…。)ようやく、あ、私はじゃがいも好きなんだ…と自覚しました。 薬膳を知ると、自分がじゃがいもをよく食べていた理由が分かりました。じゃがいもは、補気と言って、からだの不足したエネルギーを補充してくれる役割があります。 学

          疲れやすい気虚タイプ~じゃがいもマッシュ~

          そもそも薬膳って何?(2)

          前回、薬膳は「目的に合わせて食材を選んでつくるごはん」とお伝えしました。そしてその目的は大きく分けて、二つあり、ひとつ目の【1.季節の変化に合わせて健康に過ごすため】をご紹介しました。 今回は、もう一つの目的 【 2.慢性的なプチ不調をよくするため 】 についてのお話です。 みなさん、日々の生活の中で、病院に行くほどでもないけど小さな不調を感じたことはありませんか? 例えば、疲れやすい、冷えやすい、肩がこる、目が疲れる、むくみやすい、からだが重だるい、のぼせ感がある

          そもそも薬膳って何?(1)

          薬膳は、からだによさそう。 健康によさそうだけど、ちょっと難しそう。 薬っぽい香りがしてちょっと苦手…。 薬膳のイメージ、みなさんいろいろとあると思います。今日は、そもそも薬膳って何?というお話です。今回のお話は、これから薬膳の知恵をみなさんの生活で実践されていく上で、とっても大事なポイントです。 薬膳は一言でいうと ①目的に合わせて、 ②食材を選んで、 作るごはん です。これだけだとちょっと分かりづらいですね…。でも実はこれ、みなさん既に実践されていることもあるんで

          あなたのからだと健康を支える脾

          関東も梅雨明けになりましたね。 今年は梅雨入りしてからも、晴れの日が多く、梅雨を感じることが例年より少なかったですが、それでも梅雨明けの青空は、厳しい暑さも感じつつ夏を感じて嬉しくなります。 今日は五臓の「脾(ひ)」についてのお話です。 前回の記事でもお伝えしましたが、この脾臓さんは、とくに梅雨に活躍する場所と言われています。 じめじめむしむしのあのいや~な梅雨の「湿気」は、脾に負担をかけてしまいます。梅雨があけても日本の夏は湿度が高いので、これからの夏本番も脾の養生は

          あなたのからだと健康を支える脾

          梅雨の養生

          梅雨入りしても、しばらくの間はここ鎌倉ではお天気が続いていましたが、ここ数日はしっかりと雨降りですね。今日は、梅雨の養生についてのお話です。 みなさん梅雨は得意ですか? 得意という方は、あまりいらっしゃらないかもしれません。梅雨のこのじめじめべたべたの季節、なんだかいろいろとおっくうですよね。 私もこの季節、とても苦手です。からだはなんとなくだる重い。蒸してるのでクーラーつけると、なんとなく冷える。でも消すと暑い。もともとアトピー性皮膚炎もちなので、べたべたした汗や湿気

          春の食養生

          近所の八百屋さんやスーパーでも、新玉ねぎや、うど、菜の花など、春の食材がちらほらと見かけるよになりました。暖かい春が待ち遠しくて、気持ちが若干前のめりになっていますが、明日から3月。今日は春の食養生についてお伝えします(^^) 酸味を適度に適度に酸味をとることは、春の五臓「肝」を助けてくれます。柑橘類は、香りによってストレスを緩和し、この時期滞りがちな肝の気を巡らせてくれます。(肝についてはこちら) ただ酸味の取り過ぎには少しだけ注意が必要です。酸味には「収れん作用」とい