冬の養生~太陽の光を浴びよう~


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漢方・薬膳の古典「黄帝内経(こうていだいけい)」には、冬の過ごし方で「閉蔵(へいぞう)」という言葉があります。

冬は寒さの厳しい季節。寒さから身を守り、からだの中の陽気を逃さないように閉じて、体内にエネルギーを蓄えて過ごすのがよいという意味です。

冬は、春に向けてエネルギーを蓄えるために冬眠する動物もいます。草木は枯れ落ちて、地面の中でじっと種の中にエネルギーを蓄え、春に芽吹くのを待っています。人間も自然の一部。寒い今の季節は、エネルギーを蓄えて、思いや気持ちもそっと自分の内に込めて過ごすのがよい季節と言われています。

この「閉蔵」という言葉は、冬の養生の智恵を伝える言葉です。しかし、寒さゆえに家に引きこもりがちになったり、不安感や気がせくなどネガティブな感情に浸ってしまったり、人に会うこと、外出することもおっくうになるという状態はあまりよくありません。(今は外出も人に会うこともしづらいご時世ですが…)
冬は、からだに必要なエネルギーも不要な感情も、良くも悪くもいろんなものをからだに蓄えてしまいがちな季節とも言えます。

冬の晴れた日は、陽気をからだいっぱいに取り込むように、太陽の光を浴びましょう。散歩も寒さから血行が滞りがちな冬に、血流をよくしてくれるおすすめの養生です。日光は気持ちを穏やかにしてくれたり、うつや不眠を和らげたりしてくれます。朝起きたとき、ベランダに出て朝日を浴びて深呼吸するだけでもいいのです。縮こまった心もからだものびのびとして、気持ちも上向きになります。

先日、友人と七里ヶ浜から鎌倉までをのんびり散歩しました。歩き始めは寒くてしょうがなかったですが、冬の太陽をめいっぱい浴びて、歩いているうちに血流がよくなり、からだはぽかぽかと。気持ちも穏やかになりました。その日は、ぐっすり眠れて気持ちもすっきりです。

冬の貴重な太陽のエネルギー、たくさん活用してみてくださいね。

#冬の養生