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木質フィラメントを試してみる実験

以前から麦茶さんのYoutube動画で配信されていた、木質フィラメントを使用した3Dプリントに興味を持っていました。木質フィラメントはとっておきのためにとってあったのですが、安価で安定してプリントできるフィラメントが紹介されていましたのでトライしてみました。


実験条件

目的:木質フィラメントで年輪模様を表現してみる
実験日: 2022年4月3日~13日
実験環境: 3Dプリンタ Prusa Mini+
      ノズル:0.4mm
      ノズル交換時期:2022年3月25日(0.4mm)
      フィラメント: Pxmalion Wood (紫檀色)
              Pxmalion Wood (浅木色)  

フィラメントの試験

フィラメントを使用する前に、適正温度を確認するためにTemp towerにて評価します。
浅木色のほうはプリントしてベッドが冷える前に外したので下側がゆがみました。それにしてもすごい糸引きです。封をあけてすぐにプリントしましたが湿っていたでしょうか?ほかのプリントも何度か乾燥させながらプリントしても同じような感じでしたので必ずしもそうとは言えないと思います。いずれ、リトラクションなど条件出しをしたいと思います。
紫檀色のほうは、PETGをプリントした後にシートを変えたのですがLive Adjust Zの値を変更し忘れていて、ノズルがベッドをずり刷りしたので壊れてしまいました。いずれの結果からも温度は190℃以上で大丈夫そうです。できるだけ温度を低くしたほうがサポートがきれいにはがれると麦茶さんのライブでもおっしゃっていましたので、今回は200℃としました。

浅木色
紫檀色


デザイン1

リンゴのデザイン

デザインはとてもシンプルに、リンゴの小物入れにしました。年輪模様を持った何か、としてほかに思いつかなかったので。
1作目はこんな感じ。高さが約8cm, 厚みが4mmあります。

1作目
1作目断面

スライス

年輪がきれいに入るようにと傾けて配置しています。可変レイヤ高さを利用して、このように年輪っぽく仕上げました。緑色の部分が密なところ(レイヤ高さが低い)ですので、色が濃くなります。
アダプティブの設定を0.5として、自動設定の上年輪を入れて、さらに最上部と最下部は荒くなりがちですので細かくなるようにしました。

蓋の裏側のブリッジとなる部分をサポートで支えるように、パーツを追加して強制サポートをしています。これは、ペイントオンサポート機能の中のビューのクリッピングによって内部を観測したものです。これまで、ブラシを使って強制サポートしたい個所を塗りつぶしたりしていましたが、スマートフィル機能を使用すると、スマートに塗りつぶしたりブロックサポートをしてくれたりします。初めて利用しました。

スライサ ペイントオンサポート画面
スライス結果
リンゴ内部

プリント結果

蓋と本体の隙間を1mmあけて、一体でプリントしました。というのも年輪の連続性を得るためです。こちらのプリントは7h12m要しました。小さいのに時間がかかりすぎです。

タイムラプスはこちら。タイムラプス向けではなくプリント最適化設定ですので、あまり面白くありません。



もう少し大型のリンゴをプリントしようとしました。こちらは1d1h19m要します。ます、としたのは途中で崩壊したためです。これまででプリント時間としては最長だったのに崩壊してしまい、非常にがっかりしました。


デザイン2

リンゴのデザイン

何せ、大きなリンゴをプリントしたらあと数%というところで吹っ飛びました。蓋と本体は1mmの間隔を開けています。蓋の裏のサポート尾をプリントしているときにノズルがぶつかったのでしょうか。サポートがサクッと外れる状態なっているので、蓋と本体もわずかなサポートでつながているにすぎず、蓋が吹っ飛んだようです。そもそも一日かけてプリントするデザインではありません。よって、少々デザインを変更しました。
肉厚が4mmあるのはかみ合わせ(陶芸では、キーと呼びます。)の部分の厚みを確保した時に全体の厚みを合わせこんだためです。印刷時間を短くするために、本体の厚みを抑えるようにしました。

外形はほとんど変えていません。軸が折れることがあったので軸の太さを太くしました。厚みを3mmにし、キー部分のみ厚くなるようにしてあります。

スライス

こちらの可変レイヤ高さの設定はこんな感じ。

蓋が吹っ飛ばないように、確実にキー部分にサポートが付くようにしました。蓋の裏側の強制サポート部分以外はスマートフィルによりサポートが付かないようにしています。(時間短縮のため)

プリント結果

紫檀色は年輪模様が非常にわかりにくいです、残念ながら。肉眼で見るとわかります。是非どなたかに引き取っていただきたいです。



考察

今回、初めて木製フィラメントを使用しました。
使用しての感想は、

  • 温度は低め(200℃)でOK. 

  • 色によって糸引きの状況が違う。

  • 紫檀色はちょっと豪華に見えますが、木目がわかりにくい。浅木色は木目がはっきりしている。

  • プリントの難易度は低い

  • サポートは剥がしやすい、プリント中にはがれることがあるので注意。

浅木色は糸引きがひどいのでOctoprintのスパゲッティ探偵は、失敗してない?と教えてくれました。失敗していないのですが、糸引きがそのように判断されるのです。
私は浅木色のほうが好きだということがわかりました。
まだフィラメントが大量にあるので、まだまだいろんなものを作ってみたいです。


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