Snapmaker J1ノズル詰まり解消への道
Prusa Mini+とKaikaノズルの組み合わせがとても好調で恐いもの知らず!ってことでSnapmaker J1の左ホットエンドにはKaikaノズルを取り付けてあります。Kaikaとストックノズルの違いが見れたらな、と思っていたのですが別のところで躓いています。
Kaikaでさえ詰まる、ってことで次の手を施す必要があり今回試行錯誤してみました。
Forumでの議論
フィラメントが詰まるという事象は多くの方が直面されているようです。特に多いのがシルク系フィラメント。私も同様にこの事象に直面しました。特につまりがひどいのはPolymaker製のバイカラーシルクPLAです。この製品が悪いというわけではないと思います。Prusa Mini+ではほとんど(詰まることがゼロではない)発生しませんので。
Forumでも盛んに議論されており、結論として3人の方が原因を研究されて対処方法を見出したそうです。この資料はForum会員限定(もしかして購入者限定)かもしれませんのでこれまで共有してこなかったのですが、自分の備忘録として残します。もし、違反ということであれば公開を取りやめます。
ヒートブロックでのノズルへの熱伝導が悪い、ということが一つ挙げられていました。原因としては、ヒートブロックがアルミでできているのでヒーターからの熱伝導が悪い(色は黄色いので真鍮と思っていましたが)、さらにノズルが1/3しかヒートブロックに差し込まれていないのでノズルに効率的に熱が伝わらない。
こちらには載せていませんが、ヒートブレイクでの熱分離についても確認され、そこについては問題なしとのことでした。
しかしながら、リトラクションでは問題が起きているとのこと。チタンヒートブレイクの表面摩擦により解けたフィラメントがスムーズに上下しないため詰まってしまうとのことです。
ここで、ヒートブレイクはJ1用のオリジナルです。よって、別の材質のサードパーティー品に置き換えることができません。
これに対して、Bondtech社などのヒートブレイクに置き換える、ただし、長さが短いのでスペーサーを用意することが提案されました。また、ノズルはMK8ではなくV6を使うことが提案されています。
実は別のノズル径用にホットエンドを複数手配してしまいました。なので、すべてのホットエンドについて同様の対処をしたくありません。
スペーサーについては当初はブラスに穴をあけて作ることが提案されていましたが、最終的にはプリントも可となりました。ここについては問題なしとなりました。
さらに、MK8のノズルをたくさん調達してしまっているのです。Kaikaを2本、0.6mm,1.0mm,1.2mmのノズルを調達してしまっており、これらを無駄にしたくない、という思いがあります。
なので、ノズルは利用できる方向で改造を完了させたい!これが私の思いです。
作戦実行
作戦1 ヒートブレイクに導電性グリスを塗る、できる限りノズルを差し込む
ヒートブレイクに導電性グリスが十分に塗られていなかった。なので、グリスを塗ることにしました。グリスはこれまでも使用している、EDOさん、KITANOさんから推奨されている、あれです。ただ、以前ご紹介いただいた千石通商さんのサイトでは小分けのものはもう販売されていないようです。手元に1つと少しありますので貴重品として使用します。
品名はこちらです。
Red Ice 611HTC
小分けにしていないのはこちら。うっ、高!
こちらが、ざっくり測った結果から起こしたものです。ノズルがヒートブロックからずいぶん飛び出しています。
寸法はこちら。ヒートブレイクをヒートブロックにもう少し浅めに入れれば、ノズルをヒートブロックに押し込むことができそうです。(ヒートブレイクとヒートブロック、すぐに混同するので一応書いておく。温める金属の塊なのでヒートブロック、熱を伝達しないようにするためのものなのでヒートブレイク)
ヒートブロックからヒートブレイクを外し、ノズルをヒートブロックに締めこんで最終的にヒートブレイクがまっすぐになるようにノズルを少しづつ緩めてから締めこみます。
できるだけノズルを押し込むようにしたのがこちら。ヒートブレイクとノズル間に隙間があるとまずいので、ノズルを完全に占めて、少し戻したところにしてあります。
ノズルの埋め込みが4mm→5mmに変わりました。ヒートブロックの高さが11mmですのでまだ半分まではいきませんが、ちょっとは効果があるでしょうか?ヒートブロックの高さに対して、36%→45%に向上しました。
これにより、無事解決するか?ということで、サポートテストパターンで試験しました。
残念ながら途中で停止しました。
全体の20%で停止しています。これだけではダメなようです。残念。ちなみにこの時の温度は210℃です。PLAとしては十分だと思いますし、Kaikaノズルを使っているのですが..…
作戦2 温度を上げてみる
ノズル温度を上げるとノズルに詰まりにくいことがありましたので、今回は210℃→215℃にあげてみました。上げてみる前には、クリーニングフィラメントでクリーニングしています。
結果はこちら。さきほどよりは進んでいますが、55%で止まっています。
作戦3 ヒートブロックをカッパー素材に変更
ヒートブロックを熱伝導率の高い、銅素材に変更しました。交換したのはこちら。アルミよりずいぶんお高いです。
純正ヒートブロックよりも高さが低いです。(純正:11.4mm)
ついでにノズルにも熱伝導グリスを塗っておきます。ノズルをつけ外ししていたのでこんなになっちゃいましたが。ピンともあっていないし。かわいそうなKaikaノズルです。
取り付けたらこんな感じ。
39%で止まってしまいました。
作戦4 今チャレンジの最後の手段、ノズル交換
ヒートブレイクまでは変えたくない、でもノズルはKaika以外は惜しくはないってことで、ノズルをV6ノズルに交換しました。手順とした歯、作戦1同様、できるだけノズルをヒートブロックに深く差し込む感じ。
真横から見ると、かなりヒートブレイクが浮いています。
で、結果はというとこんな感じ。
つまりはNGです。
実験結果
今回の試行では、成功!には程遠い感じでした。
リトラクションはすでに2mmになっていますのでこれ以上に減らしたほうが良いのでしょうか?それとも温度をもっと上げたほうが良いのでしょうか。最終手段はヒートブレイクを交換することだと思いますが..…
最近は、PETGでもTPUでも詰まることがあり、詰まった後でごまかして再開しても吐出不良の部分は表面にも残ります。
やっぱりどこかできちんと直していく必要があります。
とりあえず、今回は実験失敗、ってことで止めておきます。近日中にきちんとしよう!とちかって実験を中断します。(週末が終わってしまった.....)
Happy Printing!
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