見出し画像

SEOでの「〇〇とは」記事の活かし方

※ちょっとB2B寄りの内容ですが、結論はB2BもB2Cも同じです。

いつからだろう?Googleのキーワードサジェストや関連キーワードに「〇〇“とは”」ってのが出てきたのは?昔からこんなクエリありましたっけ?

とは図1

いずれにしても、検索意図としては「〇〇 という言葉の意味を知りたい」ということに他ならない。
オウンドメディアでもこの「〇〇とは」を狙っているであろう記事コンテンツは多々ある。

でも、この「とは記事」の使い方がもったいないなぁと思うことが多々ある。

「とは記事」をどのように活かしていくべきか考察します。

「とは記事」の役割はなんなのか?

「とは記事」は、もちろん、その言葉の意味を知りたいという検索意図がある。

この検索意図には、大きく3つの分類があるといわれている。

クエリの種類

①Knowクエリ(インフォメーショナルクエリ):〇〇を知りたい
②Doクエリ(トランザクショナルクエリ):〇〇したい・〇〇買いたい
③Goクエリ(ナビゲーショナルクエリ):〇〇のページに行きたい

「とは記事」はこの中でいうと①のKnowクエリにあたる。

また、世の中の検索キーワードを大まかに分類すると、
Knowクエリ:Doクエリ:Goクエリ=7:2:1くらいの割合になるらしい。
(すべてのキーワードがこの3つにきれいに分類されるというわけではなく、①とも②ともとれるようなクエリは多数存在する)

また、「とは記事」に共通しているのは、「掛け合わせキーワード+とは」はほとんど存在しなく、「ビッグキーワード(単体KW)+とは」が対策きーわーどになっていて、かつタイトル冒頭に記載されていることが多い。

つまり、「とは記事」は世の中の大半を占めるKnowクエリの中でも、ビッグキーワードの用語説明のための記事といえる。

多くのオウンドメディアや企業サイトがこの「〇〇とは」というキーワードで上位表示をねらう、群雄割拠の世界なのである。

「とは記事」で上位表示されるとどうなるのか?

この誰もが狙っている「○○とは」のキーワードは、上位表示されると以下のメリットがある。

・「〇〇」領域においてのソートリーダーシップの獲得
・強調スニペット(検索0位)が取りやすい
・将来的に自社サービスの見込み顧客になるかもしれない潜在顧客へのプレゼンス
・ゆるふわ曖昧検索によるサイト流入増

あたりがぱっと思いつくところ。
そりゃ、みんな狙いたがりますよね。。

でもね、何でもかんでも「〇〇とは」記事を作ればいいというわけではないと思うんですよ。
たまに、「○○とは」記事しかなんじゃないか?と思うようなオウンドメディアを見かけることがありますが、、、、もったいない!って思ってしまいます。

ここからは、この「○○とは」記事をもっと上手に活かす方法を解説します。

「〇〇とは」記事が見落としているニーズがある

検索できないKW

あなたはどんな時にGoogleで「○○とは」という検索をしますか?
多くの方は、「〇〇の言葉の意味を知りたいとき」や「○○に関してザックリと概要を知りたいとき」じゃないでしょうか?

「〇〇とは」記事は、間違いなく上記のような検索ニーズを満たすものだと思います。

でも、人は知らない言葉では検索できないという前提があるのをご存じですか?※ここ、超大事です!

例えば、とあるスタートアップの新人B2Bマーケターが、もっと自社サイトのインプレッションを増やして見込み顧客のリードを増やすにはどうすればよいだろう?と考えたとき、どんな検索をするでしょうか?
「SEO コツ」「Twitter バズ」「Web広告 運用 コツ」とかでしょうか?
彼がこのキーワードで検索できるのは、SEOやTwitterやWeb広告という言葉を知っているからです。

きっと彼は、「WPO」とか「想起集合」とか「ザイオンス効果」とかでは検索できないと思うんです。
なぜなら、彼はこれらの言葉を知らないから。
言葉を知らなければ、検索もできないし、「〇〇とは」記事にたどり着くことも難しいでしょう。

つまり、「〇〇とは」記事を作るだけでは、上記のような、 “言葉は知らないけど、ニーズはめっちゃある” 状態の人の目に触れることはできないんです。

「〇〇とは」の〇〇を知ってもらう仕組みを作る5ステップ

とは記事5ステップ

じゃあ、どうすんの?となるわけですが、答えは簡単です。
「〇〇とは」記事を作ったら、関連キーワード且つ掛け合わせのクエリで記事コンテンツを作ってください。

例えばこういうことです。
①「WPO とは」という検索キーワードで上位表示を狙うとします。
まず最初にやることは、「WPOとは 」に対応する「とは記事」を作ります。

②次に(同時にでもいいです)、WPOにつながりそうな別のテーマを考えます。※キーワードではなく、テーマです。
例えば、「コンテンツマーケティングにおけるSEO以外の現実的な集客方法」とか、「短期間でも成果がでるSEOの進め方」とかになるでしょうか。この時にピックアップするテーマは、キーワードの検索Volとか無視していいので、とにかく検索意図がわかりやすく、且つ自社サービスで解決できうるテーマを選んでください。

③上記のテーマで「関連記事」を作成し、その中の見出し1つくらいを「WPOとは」に割いて、詳細は「WPOとは」の記事にリンクを貼って送客しやすくしておいてください。
その際、この見出しに書く内容は、

“人が情報に接したり、検索する場所は必ずしもSERPsやGoogleの上だけではありません。いろんなところでPresenceを高める必要があります。この考え方をWPOと呼びます。 WPOに関しては、こちらのWPOに関する記事もご覧ください。”

のような形で、自然とWPOの説明につなげやすくすることがポイントです。

④ほかにも「WPOとは」に関連づけられそうな、且つ検索上位をとれている別記事があったら、「WPOとは」記事にリンクを貼って送客しやすくしてください。

④最後に、上記「関連記事」を公開し、ただ待つのではなく、SNSやメルマガなど、Push型のデリバリー手法で「関連記事」のインプレッションを稼いでください。

以上です。

この設計で何が起こる?

この設計では、さっきのペルソナ君は、まずはSNSやメルマガ、場合によっては検索で「関連記事」の方を目にすることになります。

その「関連記事」には、「WPO」という見慣れない単語が出てきます。

好奇心旺盛なペルソナ君は、リンクをたどって「WPO」という言葉の意味を知ります。

そこから数か月、ペルソナ君が携わるサイトの流入数が減ってきてしまいました。焦るペルソナ君。そしてペルソナ君は「SEO コツ」「Twitter バズ」「Web広告 運用 コツ」「コンテンツマーケティング SEO 短期間」とかで検索します。
※この時に重要なのは、上記④の別記事を見つけてもらうということです。

すると、脳裏の片隅に、「あれ?なんかSEOっぽいけどSEOじゃなくて、もっとこう、『面』な感じの考え方なかったっけ?」となり、ようやく頭のなかでWPOという単語に再会します。

で、「WPOとは」という検索をする。

「WPOとは」の検索結果に出てきた、あの「WPOとは」記事を見つけ、サイト運営社のコーポレートサイトにたどり着く。

というのが未来予想図です。

この時、まず最初の「関連記事」との出会いの場面では、ペルソナ君は一つの記事で関連する2つのトピックとの出会いがありました。(お得だね)

また、ペルソナ君は、ピンチを救ってくれたあの「WPOとは」コンテンツに対して親しみや信頼感を持ってくれます(たぶん)

まとめ 「〇〇とは」記事は単体よりもWPOを意識した方が強い

正直、「〇〇とは」記事は競合が多く上位表示されにくいのはもちろんのこと、強調スニペットのおかげでサイト流入しなくてもQ(検索意図)に対してのA(答え)がわかってしまう というのが今のSERPsの状況です。

つまり、「〇〇とは」記事は作る労力に見合うほどの効果が得にくいのではないでしょうか?実際に、「〇〇とは」記事の上位表示されているコンテンツは1万文字越え当たり前だったり、日によって検索順位の変動が忙しかったり。(Googleの試行錯誤のせいです)

それであれば、必ずしも「〇〇とは」記事だけで勝負するのではなく、「関連記事」を使ったり、SEO以外にもSNSやメルマガなののデリバリーを使ったり、他のメディアを活用したりといったWPOの考え方で勝負する方が効果的といえるでしょう。

さらに言えば、コンテンツの置き場所は必ずしも自社サイト内だけとも限りません。他のメディアやSNSも活用しながら、オンライン上のいろんなところで自分たちのコンテンツが目に触れるような設計にしていくことが大事です。

ここまで設計すれば、頑張って作った「〇〇とは」記事も生きてくるし、何なら「〇〇とは」記事を経由せずとも自社サイトへ指名検索で来てくれる方が増えることでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?