10月、札幌を訪ねた。
長くお世話になった方の遺産の一つを処分をするためである。
その方ならおそらくこうするだろうと想像しながら関係者と共に処分方法を選定した。
本日、無事に事が済んだ。

元気でおられた頃、度々札幌にご招待をいただいた。
酒を酌み交わしながら、仕事の話、独立した頃の苦労話、仕事の失敗談など色々お話をしてくださった。
私とは30歳以上の歳が離れており、仕事では厳しい方であるが、酒を飲むときはいつも楽しくお話をされていた。パスタが好きな方で、ランチには良くパスタ屋さんにも連れて行って下さった。

今回は、感謝の意味も込めて、札幌での遺産の処分のお手伝いをさせていただいた。

そして久しぶりの札幌、懐かしさもあり過去を辿ってみた。

広い札幌市内、郊外に入るとまばらな人影、住宅街にポツリと古民家のイタリアンレストランとと。
なんだか不思議な空間である。

打ち合わせ場所に向かう途中であるが、まだ時間がある…昼飯もまだなので入ってみよう！

落ち着いた店内を見渡す。
古民家の懐かしい雰囲気を残しつつ、新しい設えも映える。
イタリアンらしからぬ風情である。
パスタと言うよりスパゲッティーである。
正に、そのお世話になった方が好んで食べていたトマトソースのパスタであった。
これにたっぷりとタバスコを掛けていたいたなあ…
自分も真似て、今でも良くタバスコを掛けている。

昼食を終え、打ち合わせ現場へ。
担当者とは久しぶりの再会、積もる話しもあっという間に時間が過ぎる。
彼のゆっくりと落ち着いた話し方が心地が良い。
札幌人の気質だろうか、いや、長年営業マンとしての経験だろうか…

余談話を交えながらがも、必要書類にサインをし無事任務完了。
さて、この後はどうしよう…？
晩飯にはまだ早い…

腹減らしに近くにある北海道神宮に行ってみる。
正門までは、車窓から眺めていたが、参拝はしたことはない。

北海道神社は、北海道の総鎮守である。
北海道での仕事が無事に終わるよう祈願をする。(既に主要な仕事は終わっているのだが、感謝も含めて報告。それと旨い飯が食えますようにと…)

初老の朝は早い。
翌朝、ホテルの眼下に広がる中島公園を散策する。
近くには豊平川が流れる。
ここには何度も来ている。
散歩がしたくなるのである。
北海道らしい風景と言って良いのだろうか、なぜか清々しく感じられる。

いつもなら、前夜のすすきので浴びたアルコールが残っているのだが、前夜は大人しくホテルでの部屋飲みを楽しんだ。

なぜだ？
目の前がすすきのだぞ！
ジンギスカンを食わないのか？
イクラ丼食わないのか？
ラーメンもあるぞ！
(悪魔が囁いていた！)

昨夜は自問自答しながら食材を仕入れ、
すすきのを横目にホテルに帰る…

しかし、そのお陰で爽やかな朝を迎えた。
早朝の散歩は健康的だ。
ひんやりとした空気が気持ちいい。

さて、今日のランチは何する？
実は、もうテーマは決めてある。
トマトソースパスタである。

昨日食ったやろがー
しかもどこでも食えるやろがー
いや、今回の滞在中はトマトソースパスタに決めたのである。

要は、札幌の旨いトマトソースパスタが食いたいのである。
実は昨日、すすきのをパスしたのは、ソースパスタの旨そうな店を探し疲れたのである。
もちろんネットでも探したが、当てにならない…
自分の足で探すのが基本である。
自分の要件に合う店がない…
大通公園界隈を行ったりきたり、狸小路を行ったりきたり…
自分の思う店がない…
疲れはててしまった…
北海道神社へのお参りが後回しになったせいで罰が当たったのか？

とりあえず、今日のランチはホテルのレストランにしよう。
一番楽な選択をした。

旨いでないか！
まあ、期待どおりである。
でも、そうじゃ無いんだ…
なんかこう…パンチが欲しいと言うか…
刺激と言うか…

そう、自分の舌はバカになっているのだ…
タバスコを掛けすぎて味覚バカになっている…
バカがまた一つ増えてしまった。

親父の味音痴にますます近づいている…
これはヤバい…
歳は取りたくない…

その日の帰り、新千歳空港の飲食店街を探索する。
ラーメンも海鮮丼も食いてー！
と嘆きながらチェックインする…

また、旨いものを食いにきたい！
この味覚バカの私に、ここは行っとけと言うバスタの店を知っている方がいれば教えていただきたい。