株式と人間の感情の話

株式については、色々な視点で語ってきました。今回は、もう少し人間的な、心理の面に迫りたいと思います。株式というものは─おそらく皆さんご存じのとおり─資金調達/供与の手段です。株式会社は、独自の株を発行することで、投資家から資金を募ります。

これを活用することで、日本のみならず、世界各国の会社が新たなプロジェクトへの着手や、事業の展開に精を出しているわけです。ここである疑問が浮かびます。株式の価値は変動(詳細を探すにはこちら)しますが、何がそれを可能にしているのでしょうか?

答えは、人間の感情です。感情は、期待や失望の根幹にあるものです。換言すれば、感情が沸き起こり、それに基づいて、私たちは、将来に希望を抱いたり、失望を感じたりしています。これこそが、株の値動きを理解する上での大事な考えです。

期待の高まった株式の値段は上がります。つまり、多くの人が「成長可能性があるから、欲しい」と思うと、需要と供給のバランスにより、価値が上昇します。逆に「この株は下がりそうだから、売りたい」という人が大勢いれば、価値は下落します。

では、こんなシンプルな仕組みなのに、なぜ、私たちは、簡単に取引や値動きから利ざやを取ることができないのでしょうか。それは簡単です。感情というものは、各個人が点でバラバラに所有していると思われがちですが、実際そんなことはなく、つながっているからです。だからこそ、簡単に「自分だけ未来を予測する」ことができないのです。

感情は、ある意味で、全人類で共有されています。

決してスピリチュアルな話をしているわけではありません。むしろ、科学的とも言えるでしょう。特定の会社についての悪いニュースが放映されたら、それが、視聴者のネガティブな感情を引き起こします。新聞やソーシャルメディアも同様です。あらゆる情報が、垣根無く広がる時代だからこそ、感情の平準化のようなものが起きていると言えます。


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