西の魔女が死んだ 感想

「西の魔女が死んだ」

通っていた中学校でのいじめをきっかけに学校へ足が向かなくなった少女まいは、ひと月ほど自然豊かな場所に住む西の魔女で過ごした。まいは魔女、すなわちおばあちゃんから規則正しく生活すること、自分で決断すること、そして死について教えてもらう。強く生きるためのヒントが隠されている、そんな物語。


ジャンルはいわゆる教養小説ではないか。作者は何を伝えたかったのだろうか。様々なものが考えられるが、第一に「喪失」ではないかと思われた。

小説に一貫して存在する、魔女の「死」の匂い。そして、それは突然に来るもので準備なんてできない。そんなことを読者に教えてくれる。

読者は子どもでも大人でも。しかし、両者の間で読み方は異なるだろう。子どもは初めて遭遇する「死」であるかもしれない。一方で大人は人生のどこかで「死」を経験している可能性が高い。両者の捉え方の違いが面白い小説で、読み直しを勧めるものかもしれない。

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