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ノクチル「いつだって僕らは」

涙止まらん。この涙の正体は何だ。

9月9日、満を持してシャニマスの新ユニット「ノクチル」の楽曲「いつだって僕らは」が先行配信された。個人的には、フェスのPVバージョンを何度もリピートするくらい楽しみにしていた楽曲で、フルで聴いてもその新鮮な感動は全く消え失せなかった。

そもそも「ノクチル」とは。彼女たちは4人組の幼馴染ユニット。どこかアイドルらしくない独自の世界観を形成している、何て言えば聞こえは良いが、誤解を恐れず表現すれば「世間知らず、怖いもの知らずのユニット」というところだろうか(諸々あり「生放送で歌わない」選択をするユニットなのだ。この「諸々」が大事なのでぜひイベントシナリオ「天塵」を読んでほしい)。

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※解釈は全て個人的なものです
※歌詞は全て耳コピです。間違いあったらすいません

ユニットコンセプトは「さよなら、透明だった僕たち(チルアウト・ノクチルカ)」(アイドルマスター公式サイト参照)。以前にも述べましたが、僕は、ノクチルのストーリーは「喪失」の物語なんじゃないかと考えています。何を「喪失」するのか、それはこれから解明されると期待しているのです。

さてさて、そんなノクチルの楽曲が配信されています!みんな、ダウンロードしようぜ。この楽曲、やっぱり最高に素晴らしいよ!歌詞、曲調、全てが見事にノクチルの世界観、そして彼女たちの個人の思いを見事に歌っている、そう思う!あと、ジャケットめちゃくちゃこの曲を表していますよね。聞けばわかると思う。
(雛菜担当として一言言わせてもらうなら、2番の雛菜めっちゃ良いです。1番も当たり前のように良い。まあ全部良い。)


「幼馴染」の破壊=「停滞」からの超克

ノクチルが結成に至ったのは、浅倉透が例の公演の近くでスカウトされたから。そこから、透を中心に、他の3人が集まってきます。そもそも、この時点で他のユニットと一線を画します。

樋口円香は、浅倉を守るという動機から。

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福丸小糸は、みんながやるから、一緒にいたいからという動機から。

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市川雛菜は、透先輩がやるという動機から。

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いや~この感じ、普通のPなら一喝入れているところですよね。それでも、Pは彼女たちを受け入れ、「ノクチル」というユニットで活動させます。

そもそも、皆さんは「幼馴染」ってどんな関係性だと思いますか?

僕は、幼馴染って言うのは、そこに「停滞」を含むものだと思うのです。浅倉がアイドルなんかにならなければ、この4人はいつまでも同じ関係で、ただ仲が良い4人で終わっていた。そう思うのです。

「いつだって僕らは」の歌詞もそういった「停滞」を表す歌詞から始まります。

「その夢はどこでぼくを待っているの?」
「ぼくのくつはまだ白いままで」
「小さくてでこぼこ、はかない光たち、まだ頼りなくてゆらめいた」
(※耳コピ 抜粋)

そんな彼女たちの前に現れた「アイドル」というもの。動機は何にせよ、彼女たちは偶然、そこに足を踏み入れます。その世界で、新しい発見をしていく。そんなワクワク感が爽快な曲調と共に伝わってきます。まさに、ここでは幼馴染の停滞をぶち壊した感じです。

「ひとつひとつ合わせていこう パズルみたいにつなげていこう」
かすかに希望の音が聞こえたんだ」

そう、ここではまだ「かすかに」希望の音がするくらい。希望の音とは、彼女たちが足を踏み入れた新鮮な世界、なにか新しいことが始まる、そんな予感。それは、パズルをつなげると見える、知らなかった世界。まだ、分からないけど、かすかにそんな感じがする、彼女たちのワクワク感が伝わる。

1番のサビでは、そんなノクチルが新しい世界で躍動している様子が想起されます。

光集めて 響け遠くへ (せーの) 未来を呼んでみようよ
いつだって僕らは 精一杯僕らは 昨日よりも強く
光れ 今 光れ 今

「かすかな」希望の光から、「たしかな」希望の光へ

1番では、主に幼馴染の停滞をぶち壊し、ノクチルメンバーが新しい世界に気づいた様子を描いたとお話ししました。

では、2番では何を描いたのか。それはタイトルにもありますが、「たしかな」希望の光へとノクチルが進んでいく様子です。

「そっとこの手を伸ばしたんだ 名前の無いそれ(空?)に」
「待ってばかりいた毎日にサヨナラを告げたら、夢もあこがれも迎えに来た」

足を踏み入れたアイドルの世界。始めた当初は何でも光って見えた世界。私たちは何かになれる、「アイドル」という夢を見つけたかもしれない。しかし、壁にぶつかります。それは「業界」の闇かもしれませんし、「大人」になることを強要されることかもしれません(「天塵」参照)。そんな世界を知って、不安が垣間見えるのがこのフレーズ。

踏み出したストーリー、おぼつかない足取り 迷って遠回り

これをどう乗り越えるのかというと、ここで幼馴染の絆に回帰するのです。しかし、これは今までのただの幼馴染の関係ではない、どこか一皮むけた感じのものです。

手と手をほら重ねて 気持ち全部ぶつけてみよう
みんなが一緒なら 知らなかった世界さえ見えるよ

いやあ、これからノクチルメンバーが気持ちぶつけちゃうコミュとか来ちゃうんですか?!想像しただけで泣いてる。

そして絆をさらに強くした「小さくてでこぼこな光たち」は、「たしかに」希望の音を聞くんです!

ひとつひとつ合わせていく パズルみたいにつなげていこう
たしかに希望の音が聞こえたんだ

作詞した人まじで神。僕の聞き間違いだったらすいません、いや聞き間違いだったとしても僕はここの歌詞を「たしかに」で聴きたい。

そう、1番では踏み出したのはまだ一歩。「かすかな」希望の音しか聞こえなかった。でも、2番で成長したノクチルは「たしかに」希望の音を聞く。覚悟を決めたような力強いノクチルメンバーの表情が想像できる。ライブで聴きたいぞ、まじで。

そして、最後はまるで自分たちの未来に向かって歌うかのようにサビを歌いきって終わり。最後のサビを聞くと自信にあふれたノクチルメンバーがアイドルとしてステージに立つ姿が見えてきそうです。

何が心に訴えるのか?

1曲を通してノクチルメンバーが見てきたもの、彼女たちが過ごした時間のすべてを表現している。

では、何が僕に涙を流させたのか。それは、彼女たちの若さ、はかなくて透き通るような青さだ。僕が時の経過とともに失ったものをノクチルはとても大事に表現する。それは若さゆえできるもので、永遠ではない。でも、きっとノクチルが持つ、その刹那性に涙したのだ。

「いつだって僕らは」

このフレーズは「永遠があること」を歌っているようだが、僕には「永遠を願う気持ち」を歌っているように聞こえる。その彼女たちの儚く、切ない願いに涙する。大人はそれが永遠じゃないことを知っているから。僕はノクチルをそんな風に解釈したいですね。

まあ、何はともあれノクチルの今後に期待大です!カップリング曲「あの花のように」も期待してます!

CD発売日は、9月16日、楽しみです!

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