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美術館に行ったら元カレに怒られた話

30年間も生きてきているとありがたいことに、殿方と恋仲になった経験をいくつかさせて頂けました。
今の恋人には特に不満は無いのですが、歴代の元彼氏の方々は、結果として別れるに至るだけの価値観の違いがあります。

それはどちらかが悪いとかではなく、違いとしてあるものです。
もちろんその違いは大きなストレスになることもありますが、時に大きな学びになることがあります。

思い出すことがあったら、そんな元カレを含めた様々な人との付き合いの中で学んだことをこのnoteに書いていきたいと思います。

今日書くことはこんなこと

元彼と美術館に行ったら、怒られてしまった!
悪くないつもりで納得いかなかったけど
「なるほど」と思う気づきがあった

23歳くらいの頃付き合っていた恋人は、県内の名門私立高校に進学し、そのあと都内のちゃんとしたランクの大学を卒業したエリートだった。
頭がいいので、会話も面白かったし、資格の勉強をしたいと言ったら彼も別の勉強をしたいと言って、社会人なのにテスト前の学生のように勉強会を開いた。

そんな人だったので、デート先に「資料館」とか「博物館」とかを選んでくれることが多く、知識を増やすのが好きなわたしは喜んでそういったところに出かけていた。

ある日、電車内で上野にある美術館の特別展の広告を見て、わたしは「これが見たい」と言ったら、彼も面白そうとなり、次の休みの日に行くことになった。

平日だったにも関わらず入場2時間待ちの大混雑で、その間もネットで調べたクイズを出し合ったりしながら時間を潰していた。

美術館にやっと入れた頃には疲れてしまっていたが、絵が興味深くわたしはどんどん先に進んでしまった。
この、どんどん進んでしまったというのがまずく、彼を置いていってしまった。
そんなことに気づかないまま最後の展示まで見終えてしまい、館内のベンチで物販のカタログを眺めていた。

その事に彼はものすごく怒ってしまい、わたしは謝るしかなかった。
ただその時思ったのだが「なぜ美術館で絵を見るのに一緒じゃなきゃダメなんだろう」と

わたしは別に彼を急かしたつもりはない。
わたしが見たい絵を見たいペースで見ていただけで、終わったから休んで彼を待っていた。
でも彼は怒っているし、美術館では人と並んで見ないといけないことを学んだ。

これを友達に話した時

その彼氏とは別れて数年後に「美術館で怒られた話」を友達にしたところ、その場にいた複数人から彼の気持ちを代弁された。

「あなたがしたかったのは美術館を見ることだけど、彼がしたかったのは美術館でのデートなのよ」

元彼は美術館を一緒に手でも繋ぎながら周り、その場で「この絵はこう見える」「この絵はここが凄い」と話したかったのだろうという。
なるほど。彼は「美術館にいる時間を共有したかった」のだ。

でもその場にいた友達に「美術館、相手に合わせて見るのしんどくない?」と聞いたら、満場一致で「しんどい」と言われた。
そして1人が「こういうところが社会不適合者なんだろうな」と言ってみんなで笑った。

こういうのが「価値観」っていうんだろうな、とわたしも笑った。

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