2019年上半期の良かった音楽について
2019年も半分が終わりましたね。
10代と20代前半で洋楽アレルギーだった僕が2019年上半期で良かった20曲を挙げてみたら、なんだか洋楽比率が高くなってて、生きていたら遠いところまで来てしまうもんだな……と思ったというお話です。
全部まとめたリストは一番下にあるので、はちわるの言うことなんてなーんにも興味ねーって人は下まで頑張ってスクロールしてね。
あと全部SpotifyなのでApple Music派の人はすみません。
1. エリ・エリ・レマ・サバクタニ / ドレスコーズ
おい!!!!!!!!!!!!!いきなり邦楽じゃねえか!イントロダクションで言ってたことはどうした!?まあそれはそれでね。
志磨遼平よどこへ行く。
僕は毛皮のマリーズのことが大好き。
初めて聴いた時の、何度も聴いていた時の、その瞬間は永遠で、経験が変質することはないと思っている。
とはいえ、もうあの音は聴けないのだと寂しく感じることもある。
だけど、別のかっこいい音が聴こえるうちはどこまでもついていくぜ。と思っている。たとえばのそれが、こんな音。
2. Spit It Out / DYGL
おい今、何年だ!?2019年!?嘘だろ!?
というのが最初の感想だった。
僕の背骨の中には、脊髄や脊椎ではなくてこういう音が詰まっているのだと信じたい。原初のロックンロールの音。そんな元気か?
古いんだけど、しっかりと"あの音"が2019年用にアップデートされているようにも感じられ、つまりなんかすごい。すごい好き。
という「アホの感想」しか出てこないけど、アホの感想しか出てこないロックは良いロックの証でしょう。
日本出身のバンドだけど、もう洋楽ってことでいいと思う。DYGLが邦楽ならマーティ・フリードマンだって洋楽になっちゃうよ(?)
3. Pet Sematary / Starcrawler
冒頭でも書いたけど、10代と20代前半はほんっとーに洋楽が聴けなかった。この曲を聴いて「かっけー!どんな奴らなんだ?」と思ってVICEでStarcrawlerのインタビュー読んだらめっちゃくちゃ若い奴らがめちゃくちゃかっこいいことを言っていて、海の向こうにはこんな奴らが……やべーな……という体験をしました。
もしかして僕が洋楽を聴いてなかったころ、洋楽を聴いてライナーノーツや雑誌を読んでいた人らはこんなワクワクを享受してたのか?
ずるいよ~~~~!!!!!!(僕が悪い)
4. I don't know / THE YELLOW MONKEY
イエモンはずっとイエモンだな……ということに感動してしまった。
アルバム、19年ぶりだってさ。
そんなことあるんだ。笑う。
何がすごいって19年経ってるのに全っ然衰えが見えん。
いい意味で変わらない。
吉井和哉が懐かしさとカッコよさで全方位から殴ってくる。
もはや実家のような安心感だ。
いやこんなゾクゾクする実家があってたまるかーい。
結婚報道が出た時は、待って、もうあれも4年前?嫌だ!!!!!!!!!!!!!
結婚報道が出た時は、「眞鍋かをりと結婚できるとか吉井和哉羨ましすぎるわ……」と思ったけど、冷静に考えたら、吉井和哉と結婚する眞鍋かをりのほうがよっぽど羨ましかった。
5. Mary / Teenage Wrist
ベースドスン!ブリブリ!ギターギュオン!エッッッッモい!!!!
みたいなのさ、そんなのさ、好きになっちゃうよ……
フフフ……おれは「10代の手首.png」という画像を保存しているヤバい奴……
(画像のファイル名がヤバい、teenage wristすらGoogle翻訳の力を借りないと翻訳できないのがヤバい、わざわざスクリーンショットを撮ってるのがヤバい、一連のやつを面白いと思ってるのがヤバい、以上、ヤバさ解説でした)
いや曲のヤバさを書け!いやそれは聴いてわかれ!!
6. アンダーグラウンド / SPARTA LOCALS
僕はまーじで安部コウセイの声が大好き。
これは今年行ったHINTOのライブで思ったんだけど。
そんで出たこのアルバム、イエモンの19年はヤバいけど、こっちも11年ぶりと相当だ。
だけど変わらず、いや、前にも増して、キレッキレのピリッピリだ。
もしかしたら、僕の切れ痔よりも(は?)。
HINTOの経験も活きてるんだろうかね。いやしかし、HINTOとは明らかに違うな。4人中3人一緒なのにね。バンドって何だろうね。面白いね。
バンドをちょこっとだけやって、少しだけだけど、ライブを見に行ったりした時に見える世界が変わった気がする。
それでも出てくる感想が「僕はマージで安部コウセイの声が大好き」とかなんだからもうたまったもんじゃないよ。
7. 953 / black midi
8. Near DT, MI / black midi
9. Ducter / black midi
こいつらのためにプレイリストを作ったりこうやって文を書いた言っても過言ではない。最初にこのアルバムを聴いた時はぶっ飛んだ。僕はこの音楽を知っている。だけど何もわからない。うん?僕はこの音楽を知らないのか。パンクっぽいな?いやしかし、プログレか?エモか?サイケか?グランジ?マスロック?シューゲイザー?はたまたブルースか?わっかんねー。つーか、いつから僕はそんなジャンルに拘るようになったんだ?耳から入ってくる音がめちゃくちゃカッコいい、それで全てじゃないのか?わかんない。とりあえず僕の好きなものが全部乗せみたいな感じ。そうか。そうだ。こういうプレイリストを作るときには僕は基本的に1アーティスト1曲って感じで縛りがちなのだけど、異例の3曲選出だぜ。それくらいすごかった、ほんとすごい。ライブ観たいなと思ってYouTube見たら、なるほど、去年のいつだったかにTLに流れてきて「あっ、巧すぎるしかっこよすぎる。今見たら完全にバンドをやる気がなくなる」と思って避けたやつだった。これは売れるだろ。売れなきゃおかしいよ。こいつらが売れなきゃもうロックバンドなんて終わっていいよ。
10. チクショー!! / 餓鬼レンジャー feat. あっこゴリラ & コウメ太夫
僕は最近マジでコウメ太夫を再評価している。
天才じゃないか?
と思ったらこれよ。ざけんな。
完全に曲の話を忘れてしまった。とりあえず聴いてみてほしい。
コウメ太夫がこんなカッコよく聴こえることあるんだ……。と僕は思った。
とくに、2分30秒くらいからのシャウトはどんなロックンローラーのシャウトより心に刺さる(かもしれない)。それはきっと弱者の叫びだからだ。
確かにコウメ太夫には不動産投資で安定した収入を得ているという話もある。社会的には弱者ではないのかもしれない。1000万円もらっても僕はコウメ太夫みたいなほとんどの人から失笑されるような人生を選べない。
1500万円ならちょっと考える。
餓鬼レンジャーと芸人のフィーチャリングは間違いないと信じていたんだけど、今回も間違いなかったな……。スチャダラパーとか餓鬼レンジャーとか文化や界隈を飛び越えていろんなところと組めるラッパーの人たちって面白くてかっこいいと思う。垣根をぶっ壊せる人はカッコいいよやっぱり。
あと、あっこゴリラの声いいよね、いい……。
11. シノギ(Dead Pools) / ヒプノシスマイク(MAD TRIGGER CREW)
それで、今日本で一番垣根をぶっ壊してると思うヒップホップ・ミュージックがこちらになります。
つっても僕はヒップホップにあんまり詳しくはないんで、4〜5年前くらいはこういう音を楽しんでるのって悪そうで黒そうで怖そうでカッコいい人たちじゃなかった?気のせい?くらいの認識で楽しんでいる。
でもそんな悪いイメージだった音楽を、今やオタクがこぞって聴いてるの面白すぎるんだよな。それにヤクザのシノギって題材、もう完全に日本において考えうる最悪のギャングスタじゃん。だけどYouTubeのコメント欄とか、お前ら何聞いてこれ書いてんだよみたいなコメントで溢れててめちゃくちゃおもしろい。 お前それ誰が曲作って誰がリリック書いたか知ってるか?
あとヒプマイのオタクたちが教養として普通に踏めるようになったりしてるのも最高。オタクって変な言語野が変に鍛えられてるから結構良い踏み方してたりしてね。銀魂風ツッコミをカマしてる腐女子の言語野は相当発達していると睨んでいる。
ヒプノシスマイクというプロジェクトは、オタクから毟ったBig Moneyで曲のクオリティがどんどん上がっていくのも痛快だ。どんどん大きくなって、どんどんオタクの人生を狂わせてほしい。
ACEがビーストウォーズのWAR WAR! STOP ITからラップを始めた話が大好きなんだけど、いつかヒプマイからラップに入った人が成り上がってきたりするんだろうか。楽しみ。
12. かかりつけの医者 -Listen To My Heart- / ティンカーベル初野
ジジィとババァが世間話するためにかかりつけ医のところに無駄に行く。
この情景をこれだけ鮮明に歌にできるアーティストがどれだけいる?
しかもリリックでは高齢化社会や社会的孤立、医師の不足、AMR(薬剤耐性菌)に至る用法用量を守らない自分勝手な薬の服用など、現代の抱える問題を鋭く射抜いている。
MVを見てくれ。
歌詞の内容と映像がぜんっぜん関係ない。
どうなってるんだ。
ツラもなんだかずっと見てるとイケメンに見えてくる。
メロディまで良いものに聴こえてくる。
もしかして本当に良いのか?何もわからない。
でも去年の初野より完全に進化してるのは確実なんだよな。
年や元号をまたいでティンカーベル初野を応援するな。
あまりにも巨大な才能を見ると人間は恐怖するという。ティンカーベル初野に触れた時の感情はその恐怖感なのだろう。あるいは単純に全然意味がわからなくて純粋な恐怖を感じているのかもしれない。
13. GOKOH / 踊Foot Works feat. オカモトレイジ
聴いた瞬間、「あっ、今年の水星枠!」と思った。
それはあるいはとっても失礼な感想なのかもしれないけども。
いつまで水星に囚われてんだよっていうダサさもあるよね。もう7年前だぞ。7年前?ヤバ。
けどさー、やっぱり水星を初めて聴いた時のガツーン!って感じが一緒だったんだよ。エモい。メロディが美しい。ラップが気持ちいい。圧倒的なシャレオツ。
誰から見てもシャレオツなものって馬鹿にされがちではあるよ。オシャレじゃなくてシャレオツって呼ばれちゃうくらいの。でもそうなりたくてもなれない奴がごまんといることを考えたらやっぱすげえんだよ。最近はBLEACHを読んでそう思いました。やっぱ師匠はかっけえよ。久保帯人デザインのスニーカーがもし出たら超ほしい。何の話だ?
それにしても踊Foot Worksってユニットは抜群に良い。そしてこの良い声のボーカルは誰だ?と思ったらOKAMOTO'Sのドラムかよ。多才なのもいい加減にしてくれ。その分の才能がない奴らがいるんだぞ。こういう声でこういう曲を歌っても許されたかった。僕はめちゃくちゃパシられ声らしい。パン買ってきます!
14. 火炎 / 女王蜂
ヴヴヴヴ……。来世はアヴちゃんになりたい。
僕が一番好きなアヴちゃんのインタビュー記事がこれ。
もうただの美容講座だけどめちゃくちゃ参考になる。圧倒的に美しい。
次点でこれ。
おいおい、耽美がURLと言う名の自我を持ってネットの海に堕ちたのか?
あ、全然曲の話をしていなかった。
ジャンル、何?これ。
black midiのところでも書いたけど、もう本当に音楽をジャンルで語る時代は終わってしまったのかもしれない。
どういう考え方をしてたらこういう曲が書けるんだろう。
切なさと可愛さとユーモアとカッコよさと粗暴さが同居して唯一無二のユニークになってる。
こんな曲ばかりになってしまってはずっとケミカル系のドラッグを決めてるみたいで危ない。
でも気持ちい~~~~~~~~
15. Ca Va? / ビッケブランカ
いや~、僕こういうの苦手なんすよ~。
FMラジオでヘビロテされてそうな(調べたらめっちゃされてる)。こちとらAMの住人だっつの。
カビとドブの香りのする深夜ラジオが俺たちのねぐらさ。
そもそもシンガーソングライターっていう生き物が苦手なんだよ。
何一人で完結してんだ。人間と関われ。人類は太古から共同体を組み協力することで物事を成してきたんだ。孤高の天才気取りか?おいR-1ぐらんぷり、テメーにも言ってんだぞ。社会を見ろ。
と、思ってたんだけども気持ち良すぎるわコレ。
麻薬全乗せ丼か?
こんなパリピみたいな曲絶対に好きにならねえぞ。そう思ってたんだよ。
人間の「そんなの笑うに決まってんじゃん!やめろ!」みたいな、システムの欠陥を突いてるんじゃないかと思う。
あれだ、つまり、ハリウッドザコシショウの笑いと同じシステム。そういや僕さっきR-1苦手つったけど、ザコシのことは認めちゃってるわ。もうね、やっぱ人類のバグとしてソロでやらないとダメな人っているんだわ。
仕方ないんです段違いなんです。
16. 予習をしないジジィとババァ ~ペンギンのパン~ / ティンカーベル初野
black midiのところで基本的に1アーティスト1曲縛りだし複数曲選ぶのは異例で本当にヤバいアーティストだと書いた。
そう、その通り。ティンカーベル初野は本当にヤバいんだよ。
日本の高齢化社会を憂いてる奴は全員聴け。
もしこれを読んでいるあなたがもう一回人生をやれるとして、電車の降りる駅を予習してこないで遠足に向かうジジィババァが今何駅かを教えてくれた鞄を持ってない人にペンギンのパンをあげてる情景で曲が書けるか?僕には無理だ。
そんでなんでちょっと曲オシャレなんだよ。ビッケブランカのあとにかかってもそんなに違和感ないだろ。ないよな?
そんでこのジャケットはなんなんだよ。マジで世の中のすべてをナメてないと出せなそうなやつ。反省してそうな顔すんな!
どうしてこんなジャケットになったかはこのSVを観てくれ。
「予習しろ 予習しろ」なんてコーラスなんてねえだろ。
これを高校生の時に聴いてたら僕は偏差値があと30は高い大学へ行っていたでしょう(予習を真面目にしてたから)。そしてティンカーベル初野が人生の恩人になっていたに違いありません。まだ間に合う皆さんはアホほどティンカーベル初野を聴いてくださいね。
17. おれだってギター1本抱えて 田舎から上京したかった / スガシカオ
THE うさんくさ顔声素敵エロおじさんことスガシカオ。
先日、ライブのほうに行きまして。
「うさんくさ顔声素敵エロおじさん……」と思ってるような奴に「ファンクってやっぱりカッコいいな……」と思わせた時点でスガさんの全面的に勝ち。
その背骨が一本通ってる感じ、でも国内の音楽シーンにおいてはバラードとか提供曲ばっかり評価されちゃう、でもやっぱ成功者側だよアンタぁ……って人がさ
腐って生まれてきた不良債権のガキは
(中略)
こんな声になって歌をうたっています
なんて歌うのズルなんすよ。
てめーの声になりたいと何度思ったと思ってんだ。
でも、音楽においてズルって圧倒的に正しいんだな…ってことを最近よく思います。あとパンク育ちのいつまでもガキ(だと思ってるおっさん)にとって
渋谷区初期衝動2丁目
なんて歌詞良いに決まってんだよ。ずりぃ。
18. こたえあわせ / teto
これはたぶん中学生の僕に聴かせても絶対好きなはず。
ていうか「未だにこんなん好きなんだな僕は……」と引いてしまったくらい。でも大好きなんだよなぁ。
演奏ももうイントロ2秒で最高なのが最高。
歌詞も鬱屈した青臭さで最高。
去年tetoはパクリ疑惑が出て、出てっつうかパクってるのは認めたんだけど、もうでもしゃあなくない?ロック始まって何年経って何曲出たんだよっつう話じゃない?近い人からパクったのはまずいけど。
でこの曲、なんかサビの入りで気でも狂ったんか?っていう音の外し方してるけど、それが味なのかもしれないけど、あるいは全然わざとじゃないのかもしれないけど、その経緯を知ってしまうともう頭の中で勝手にストーリーが構築されて胸が熱い。
馬鹿なガキを騙してこそのロックだろ。いかすぜOK。僕は馬鹿なガキなので。
19. 八重歯のキョウコちゃん / The Shiawase
中学生の僕でも~シリーズ2つ目。
ルサンチマンと自虐と勢いと純愛の歌詞、走ってる演奏と無骨な合いの手、そんなに上手くないけど命削ってんなぁってボーカル。
結局ね、こういうのよ。こういうのをイヤホンで聴いてウワーッ!って全力で走って田んぼの側溝に落ちて死にたい。
それにしてもThe Shiawaseてバンド名良すぎるな……。
20. Shiny Seven Stars! / 一条シン, 十王院カケル, 太刀花ユキノジョウ, 涼野ユウ, 西園寺レオ, 香賀美タイガ, 鷹梁ミナト
今年一番ヘビロテしたので。
レオくんがプリズムビームで「世界を素敵に変えちゃ」った世界に移住したい。僕は毎回このレオくんパートで涙ぐんでいる(マジ)。
キングオブプリズムを観てください。
昨日、無事に地上波で最終話が完結したので次はKING OF PRISM -Shiny Seven Stars-について書こうかな。
以上です。
ここまで読んでくれてありがとうございました。
言いたいこととしては
・black midi聴いてくれ
・キンプリを観てくれ
・ティンカーベル初野
くらいなんですけどね。長くなってしまいました。
洋楽多かったか?僕にしては多いんです、これでも。
下半期はたぶんやりません。疲れたので。
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