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わざわざ来なくていいから


今日は父の誕生日である。
共に施設に住んでいる母に電話をしたところ
誕生日の時に 来なくていいからということだった。
コロナ禍の中で 外部の人との接触がなるべくないように、とのことである。
不要不休の場合以外。


すでにプレゼントは用意して送ってある。

ほとんどの時間を横になっている父に部屋着を選んだ。気に入ってくれるかな?


今日は豪雨注意報が発令されるほどの大雨。

朝から 私の心はざわざわ。

不要不休って何?

緊急の場合以外、会えない。

このきまりを守り、昨年の父の誕生日もなかった。

1年、緊急なことが起きずに
会わずにいた。

365日のうち364日は何も起きずにいたから
会うことはなかった。

また、次の1年が始まろうとしている。


行けるのにいけない。


ざわざわ ザワザワ。


後になって
あの時行けたのになぜ行かなかったのか?

そんな場面が頭をよぎる。

私は悔いたくない。

プレゼントを送って誕生日のこと、
やりましたという感じ。

あまりにも味気ない感覚。


そんな自分が嫌だ。


今日は父の誕生日である。


いつもと同じではない。


本人からは何も言ってこないが
周りが父を祝いたいのだ。


少なくとも私は、会って祝いたい。


不要不休ではないときを待っていたら
いつになるかわからない。


今日は 父にとって
不要不休に値する日である。


行けるのに行かなかったことをしたくない。

行かない理由が見つからない。


じゃあ、行くしかない。


誕生日カードを作る。
父の好物を買って向かう。


最近になり 父に対するリスペクトが
自分の中で高まっている。



父があって
自分の存在がある。


88年という長い期間を
ぶれることなく生きている父を
私は心から尊敬している。


お誕生日おめでとう。




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