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『ラグビー初心者*女性』が《ラグビーマガジン》を攻略する〜無償の愛が詰まった世界に〜

1.世界観を楽しむか、偏愛に興じるか

月刊タイガース

若い頃毎月買っていた。藪は織田裕二そのものだった。葛西、和田、八木、仲田、中込、、、懐かしい顔を思い出す。先日のGAORAの阪神解説は湯舟だった。私が阪神ファンになった原点の人、お元気で嬉しかった。

野球はベースボールマガジン等、総合野球雑誌で球界の全体把握を楽しむか、月刊タイガースみたいにご贔屓のチームを偏愛するか、読者に選択の余地がある。

しかし、ラグビーにはない。

2.女性には高い壁『ラグビーマガジン』

ラグビーマガジン

女性が手に取るスポーツ雑誌でも最難関の手強さを誇る。

なにより情報量がとにかく多い。

小学生の大会から、トップリーグ、海外リーグまでを一冊で網羅しているからだ。

初心者女性はどこから手をつければいいかわからない。

しかも字が小さい。

情報量が多いから仕方ないが、40代後半にはきつい。リーディンググラス買ったほうがいいか。

しかし、ここで諦めてはいけない。読み方はあるはずだ。

3.ゆっくり読め、選んで読め

この雑誌を、娘たちが読んでいる様な

『Non-no』『anan』『Myojo(昔は明星だったよね)』

のように一気読みしようとしてはいけない。

時間をかけてゆっくり読む

これがまずポイントだ。次の号まで1ヶ月もあるのだから。

そして、この本を手に取ったら

まず目次をチェック。これは学術専門書でも雑誌でも同じ。

全体を把握してから、自分の一番興味あるものから読む。これが第二のポイントだ。

私の場合、今月号は、松井千士選手の記事を読むために買った。しかし、目次を見た瞬間

堀川隆延(ヤマハGM兼監督)インタビュー

という魅力的な記事を見つけてしまい、松井選手には本当に申し訳ない、と思いつつそこから読むことにした。

清々しく控えめだが芯が強い大人の男達、ヤマハ発動機ジュビロ指導陣の3人

堀川GM兼監督、大久保HC、長谷川ハイパフォーマンスコーチ、

『ヤマハ・トリデンテ』

と私は勝手に命名している。トリデンテのセンター堀川さんの相変わらず端正で美しいお顔を拝みつつ記事を読む。9月の釜石との試合にワクワクする。

次はいよいよ松井選手だ。

大きな目標が突然延期になる、この大きな人生の試練を経て再び動き出した松井選手に、エールを送らずにはいられない。

我が家の娘達も、長女は普通の大学生活が奪われ秋学期もリモート授業、次女は晴れ舞台になるはずだった文化祭が吹き飛んだ。オリンピックに比べれば小さな事かもしれないが、彼女達のやり場のない怒りと涙にずっと付き合ってきた母親としては、松井さんのご苦労も多少は実感できる。

松井選手の記事は『解《体》《心》書』という欄にあった。日経新聞の『私の履歴書』に近い。ラグビー選手ならいつかここに載りたい、と思うだろう。CanCamの読モ経験があるとは初めて知ったが、松井さんなら当然か。リオ五輪の心の葛藤から来年の東京に向けた決意まで、じっくり読めた。

目的を一応ここで達成。今日はこれでやめてもいいが、まだ眼の焦点はあっている。もう一つくらい読めそうだ。

ここで、巻頭特集から選んでみる。早稲田ラグビーファンなので、迷わず齋藤直人くんの記事を選んだ。トップリーグ期待の新星、夢は4年後に膨らむ。

今月号から新たな連載が始まっていた。フランスに渡った松島幸太朗選手のコラムだ。今月号は半分旅行記のようでもあり、南仏の眩しすぎる太陽を感じさせる。これは来月号も楽しみだ。

ここまで来て、私の眼は限界にきていた。

あとは明日。巻頭特集の坂手選手の記事から始めよう。

4.専門雑誌に詰まった無償の愛

私は結婚以来雑誌numberを愛読しているが、総合スポーツ誌と専門雑誌の切り口はまるで違う。どちらがいい、という話ではない。もちろんnumberのラグビー特集に寄稿するジャーナリストの方はラグビーマガジンと重なっている。しかし、ラグビーマガジンでの取材だと、選手、コーチ陣とジャーナリストの方々は家族のような雰囲気を誌上で醸す。

取材する側とされる側の距離が極めて近いのだ。

ファミリーといっていい。編集部の方々は、選手を中学高校、あるいはそれ以前から知っている。一人一人の青年の成長物語を言葉にして紡いでいるようなものだ。

編集部の方々に、年齢、レベル等を問わず、ラグビー選手への無償の愛みたいなものを感じる。

専門雑誌には独特の暖かさがある。

この雑誌は、選手以外の、ラグビーに携わる様々な職種の方も取材している。失礼ながらどなたか存じ上げなかった方が殆どだが、読むとほろりとさせられる事が多い。

今回のW杯成功で、ラグビーファンは飛躍的に増えた。しかし、編集部としては、新しいファンとの距離感が掴めないでいるようだ。

でもこのままでいいと思う。ゆっくり読んでいくうちにジワジワくる記事は増えていくだろう。毎月買って興味のある所だけ読んでいても、気がつくと読むページは増えていくだろう。

ただひとつだけ。写真はもう少し女性読者も意識したカメラ目線でもいいかもしれない。先月号は沢木監督だけがなぜかananの表紙みたいに写っていた。この方はサンリオ的lovelyなキャラだ、ということは分かったが、箕内さんも同じように撮って欲しかった。

anan的に撮った箕内さんは『シャープで自分に厳しい男』に写ってかなり素敵だと思うが。

そしてできれば、字ももう少し大きい方がよい。










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