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MINT SPECの新作カバー動画『DAHLIA』(オリジナル・アーティスト:X JAPAN)

 2人組ロックバンド・MINT SPEC。そのボーカリスト・Miiが自身のYouTubeチャンネルで生歌を披露するのが、「MINT SPEC MiiのYouTube Live」である。
 こちらは2部構成になっており、前半は事前に募ったリクエストからMiiの準備が整い次第、応えていく。後半はX JAPAN縛り。YouTubeのコメント欄に寄せられたリクエストに、リアルタイムで応じるものだ。どの曲をピックアップしてどの順に歌うのかも、すべてMiiのそのときの気分次第。なかなか面白い趣向だ。
 今回は、この生配信がYOSHIKI(X JAPAN / THE LAST ROCKSTARS)の誕生日と重なった。アーカイブが残らないので、後追いで鑑賞というわけにはいかないが、ここから2022年11月20日に行われた配信のうち、第一部の様子を少しだけご紹介しよう。この度は、約400人の視聴者を集めた。

 まずは配信前に彼らのYouTubeチャンネルのコミュニティ欄や、MiiのTwitterアカウントで、その日の第一部の曲目が発表される。お気に入りの曲が入っていたら、鑑賞前からテンションも高まることだろう。最近の傾向だと、オープニング・ナンバーはシークレットになっていて、Miiの持ち歌や、過去に制作したカバー動画から1曲選んで歌っている。この日は持ち歌『南国MIX』だった。
 選曲を100%視聴者に委ねるよりも、Mii自身の意思が反映される枠があるというのは、いいことだと思う。何が飛び出すか分からないドキドキ感もあるし、オープニング・ナンバーを予想する楽しみもある。以前の第一部は全曲、完全公開だったが、より面白い構成に変わったと思っている。全曲、非公開では興味の持ちようがないし、かといって完全公開にして最初から流れが読めてしまうのもどうだろうか。現体制がちょうど良い案配だと思う。

 Miiは視聴者とのやりとりを大切にするスタイルの配信をしている。今回は、約3年ぶりに故郷の沖縄に帰った話をしていた。視聴者も彼女のみやげ話に期待していたので、早速応じていた。故郷のようすはTwitterアカウントに写真で掲載されていたので、そちらとMiiの話しぶりを合わせて、和やかな気持ちになった視聴者もいたことだろう。
 そう言えば、この配信はMii本人はもちろん、Miiのご両親・ご兄弟の誕生日でも、コメント欄に「おめでとう」の言葉がたくさん書き込まれ、なんともアットホームな空気が流れている。誕生日の他に、MINT SPEC結成記念日など、節目節目で視聴者が出演者を盛り上げてくれる。このあたりからも、Miiが視聴者に愛されているのが伺い知れる。

 今回の第一部はYOSHIKI特集が組まれ、全編・YOSHIKIが手掛ける楽曲となった。まずはV2『背徳の瞳~Eyes of Venus~』から。過去に2度、このチャンネルで歌っているだけに、Miiにもステージングに気を遣う余裕がでてきたのだろう。この曲では間奏のピアノソロからオーケストラ・ヒットの音色で徐々に盛り上げていく展開がある。ここのアクセントのタイミングでMiiの拳にギュッと力が入る瞬間があった。配信を重ねていくうちに、見せ方も上達している。休符の間も、自らが表現者であることを忘れない。そんな彼女の良さを、この場面でも垣間見ることができた。

 この後は、YOSHIKIの誕生日祝いや、新作動画のエピソードで盛り上がる。前日に公開されたばかりのX JAPANカバー動画『DAHLIA』は、先週の生配信でプレ公開されたが、そこからさらなる手直しが入ったようだ。制作の中核を担うTsukushiの言葉をMiiが持ち帰り、この場で代弁した。彼はスマホや車など、いろいろとリスニング環境を変えながらミックスバランスを調整し、今週だけで20回以上も聴き直して仕上げたという。特に苦労したのはギターの音の定位。このあたりにも注目して鑑賞してみてはいかがだろうか。
 尚、この動画ではアパレルブランド・KINGLYMASKから発売されたコラボアイテムである、MINT SPECパーカーを着用して撮影に臨んでいる。こちらも見どころだ。
 プレ公開の時点で、すでにコメント欄は絶賛の嵐。ここからさらに調整が入るという話を聞いて、「一体どこを直すんだ?」と思ったほど、筆者にも隙のない完璧な仕上がりに思えた。そこからTsukushi入魂のグレード・アップが施されている。ぜひチェックしていただきたい。

MINT SPEC『DAHLIA』

 長いMCが明けて、MiiがSixTONES『Imitation Rain』を披露。この曲の一番の聴かせどころは、後半の「戻れない時を振り返る」という、ハイトーンの部分だろう。このパートが徐々に近づくにつれて、「ああ~っ、大丈夫かなあ。うまく決まりますように!」と、見ているこちらも祈るような気持ちになるのだが、見事に音が届いていた。筆者はとりあえず最低でも1曲は聴いてから、良いと思った時点で高評価ボタンを押すようにしている。今回はここで押した。
 第二部の開始時間が迫っている時点で2曲がまだ消化できておらず、駆け足な感じで、松田聖子『薔薇のように散って桜のように咲いて』とGLAY『RAIN』を披露。曲調に合わせてカメラ・アングルを切り替えるのも、Miiの配信の特徴だ。スタート時は衣装がよく見えるように全身を映すアングル、途中から顔のアップに切り替わる流れが定番である。視聴者を飽きさせない心遣いが感じられる。2曲とも過去に歌っているので、不安要素は少なかっただろう。特に「RAIN」の出だしは、声の調子も良かったように感じられた。

 チャンネルの立ち上げ以降、視聴者を増やし続けている「MINT SPEC MiiのYouTube Live」。一度ご覧になってはいかがだろうか。この後続く第二部では、『DAHLIA』が生歌で披露され、チャンネルが沸き上がった。過去に何度となく歌われてはいるが、Tsukushiの映像出演を伴うのは今回が初である。やはり映像付きの楽曲は、ライブ感が増して楽しめる。Miiはときどき、自分の出番ではないときに、ギターを弾く手元をアップにする演出をしかけてくる。これも嬉しいね。自らも歌いながら、スイッチャーの仕事も兼ねるのは大変だろう。

 こちらはコメント欄からX JAPANの楽曲のリクエストもできる。ぜひあなたもリクエストを送ってみよう!


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