🅿️16。🅿︎17〜🅿︎34・🅿︎47参照。
裏プロフィールを主軸に、公式プロフィールを補助として創作してます。

島田真夢から聞かされた内容に、期待していたＷＵＧのメンバーは拍子抜けしてしまいました。

…そんな事でいいの？…（シロクマ）
…何の役に立つのかな？（ワニ）
…それよりも都合よく出会えるか不安よね…（サメ）
…保険として誰か仕込んで置きましょうよ…（ワシ）
…そんなヤラセ、直ぐにバレて怒られちゃうよ…（トラ）
…ていうか、仕込める知り合い居るの？…（オオカミ）
…『式神』を動員しちゃいますよ…（ワシ）
…企画を漏らしてどうすんのよ！拡散でもされたら違約金ものだよ…（ワニ）
…芸能界からハブられたら嫌だな…（トラ）

…今のうちに『千臺朝市』の魅力を発信（ネットに）しておけば、当日に一人くらいは来てもらえると思うけど…（サメ）
…それよ！…（オオカミ）
…でも何の役に立つの…（シロクマ）

メンバーが不安がる様子を鎮めようと、にこやかな笑顔で気軽に語りかけます。
「どう捉えてもらえるか分からないけど、担当ディレクターにアピールしてみるだけだから、気楽に行動してね」（ライオン）

「あら、あなた達いつの間に学んでいたの？」
丹下順子以下、マネージャー達の三人は感心しきりです。

…あぁ、せっかく合宿して居ますので、“あいちゃん”と“まゆしぃ”に教えてもらってたんです。今でも続けてますよ…（ワニ）

更にＲＧＲの三人は驚きを隠せませんでした。
…皆さん全員出来るんですか？…（はやまる）
…うんうん…（あっちゃん）
…全然気付きませんでした…（もっちー）
…驚き…（あっちゃん）

「それで…、これが解決策だと言うの？」
不安げに尋ねる丹下順子に対する真夢の返答は、
「いいえ、先程も申し上げたように、これは単なるアピールです『好印象を与える事が出来ればいいな』と言う自己紹介程度のものです…。打開策は、採用してもらえるか分かりませんが、メンバーの出演を七分の一から六分の一に上げる為に、私の配役を変えていただこうと思うのです。上手く行けば I-１clubとニ対ニの対等に出来ますので…、その手立てとは・・・」

⁈ エエェっっっっ‼︎

室内が驚きの声で溢れました。
丹下順子は再確認します。
「真夢…あなた、それ本気で言ってるの⁈不可能ではないけれど狭き門よ『お願いします』と伝えて、二つ返事で受けてもらえるポジションではない事ぐらい理解しているわよね？」
さすがに皆動揺するのですが、次の真夢の言葉に、今度は場が静まり返ります。

「実は私、この企画が採用された事が驚きでした…。 I-１club（白木さん）が会議を開かずに（独断で）同意してくださり、TV局にも年末年始の慌しい中で制作を決定していただいて、正直順調（半信半疑）だなと今でも思っています…。でも良く考えると、世間から見ればＷＵＧ（私）と I-１club（白木さん）との共演は、格好の（狙い澄ました）話題（特ダネ）なのですよね…。それならば可能な限り（限界まで）活用（利用）し挑戦（勝負）させていただこうと思ったのです」

（・・・）内の言葉が本心です。
彼女との付き合いが長ければ、その話し言葉を［解釈］出来るようになります。
丹下順子・松田耕平やＷＵＧのメンバーには次のように聞こえてます。

『私はこの企画が採用されるとは思いませんでした…。白木さんが独断で即決し、TV局も早急に採用した事に半信半疑です。でも疑いの目で見れば、私と白木さんの共演は、狙い澄ました特ダネなのですよね。それならば、限界まで利用し、勝負します』

臆せず笑顔で柔らかく語る真夢ですが、自虐ネタ或いは闘争心とも取れる言葉に、どのように声を掛けて良いのか戸惑う一同です。

「一体どうしたんだ？いつもの真夢らしくない、アグレッシブ（攻撃的）な言葉じゃないか」
真夢の負けん気が漂う中、松田耕平が皆の『代弁』をする言葉を掛けます。
これは、日頃の島田真夢なら［自分がどう思われているか］との感心が無く、周囲と［摩擦を起こす］ような言葉は口にしないためです。

ＲＧＲらは真夢の言葉を［通訳］出来ませんので、なぜ皆が戸惑っているのか、どうして“まゆしぃ”が攻撃的と分かるのか不思議でした。
彼女達の目から見れば、いつもの穏やかな島田真夢に映るからです。

松田の心配に真夢はやはり穏やかに答えますが、
「そのよう聞こえますか？東京側が手筈を整えてくださるので、その期待に応えたいと思っただけです」
これは、
『そう聞こえますよね。東京側が脚本を書き、それを演じるだけですから、その［役割以上］の事をしたいのです』
と語っているのですが［お膳立て］に素直に従うお嬢様ではないので、どんな些細な振る舞いでもＷＵＧの存在感を示そうと策を講じているのです。

真夢が何か意地になっていると感じた丹下は、
「分かったわ、I-１（白木さん）にはキャスティングの変更と、真夢の推薦をお願いする事でいいわね」
心配しながら伝えます。
希望（要求）を通してもらえる事に満足した真夢？
「有り難うございます『お手数をお掛けしますが、お力添えをお願い致します』とお伝えください」
機嫌良く礼を述べるのですが、丹下以下メンバーらの耳には、
「感謝します『迷惑でしょうが協力願います』と伝えてください」
と、相手（白木徹）に無茶を言ってるように聞こえます。

…“まゆしぃ”が本気を出している…
［饒舌な島田真夢は人並み外れた考えをする］と認識しているＷＵＧらは、奇異な目で彼女を見ます。

その両者の表情を戸惑いながら見比べるＲＧＲらは、確かに素人の自分達から見ても“まゆしぃ”の余裕とも取れる仕草には、何かを期待させる雰囲気が発せられていました。

そして林田藍里。
彼女は、存在感を示す島田真夢の変化に気付き、
…もしかすると過去の輝き（ I-１club時代）を取り戻しつつあるのかもしれない…
と不安を感じるのでした。
何故なら“ファンの一人”として、喜ぶべき事なのですが、今は同じメンバーなのに、何処か手の届かない存在に変わって行くような憂いなのです。

page 24へ続く。

映像五作品中の島田真夢は、軽いPTSD（心的外傷後ストレス障害）を患っていた姿です。
新章での彼女は、徐々に我を取り戻す途中の姿・言動を表現しています。
私の書く島田真夢の設定は、漸く成人して呪縛から解き放たれ、過去にローカルアイドルだった I-１clubを、自らのパフォーマンスでスターダム（人気スターとしての地位）に押し上げた当時の姿に描き、🅿︎17を忠実に表現します。