🅿️16・🅿︎17〜🅿︎34・🅿︎47参照。
裏プロフィールを主軸に、公式プロフィールを補助として創作してます。

仙台市営地下鉄の入口を目前にして、自分の名を呼ぶ女性の声を耳にした島田真夢は、無意識に左手を盾に、右手を手刀として軽く身構えます。
（🅿︎17参照、勝ち気なお嬢さんです）
相手を確認すると帰宅した筈の林田藍里でした。
「どうしたの？何か問題が有った？」

【ここからの予備知識です。
林田藍里は、ＷＵＧの中での行動中は「まゆしぃ」と呼び、他のメンバーの姿が見えない時は「真夢」と呼びます。親友アピールをしないように、気を遣っているのです。
島田真夢は、親しみを込めた場合は「藍里」と呼びますが、心の距離を置く時・置きたい時は「あいちゃん」と呼びます。が、無意識で口にします】

緊張した顔を見せた真夢に、
「そうじゃないけど…『人肌を脱ぐ』って…あれは笑いを誘った演技だよね」

慎重に訊ねる藍里の目を凝視していた真夢は、目を細めると、
「ふ〜ん、“あいちゃん”はそう捉えたんだ」

いつもと変わらぬ優しい表情を見せますが、曖昧な返事をするので更に問い掛けます。
「あの場の空気を変えようと、ワザと道化を演じたでしょう？」

しかし変わらぬ表情で、
「“あいちゃん”の考え過ぎだよ…。だとして実害が有った？」

その言葉が藍里に確信を抱かせるのですが、
「いや、ごめん。ただ確かめたかっただけなの、御免なさい」

藍里が萎縮してしまったと感じた真夢は、一瞬彼女に近付くとその両手を掴み、自身の胸の前で握り締めます。
意表を突いた真夢の行動に…何か叱られる…と身を強張らせた藍里ですが、

「それよりもね藍里、私感動したよ。楽曲作りだなんて思っても見なかったよ。ＷＵＧの為に考えてくれたんだね。藍里が居てくれて心強いよ」

突然ベタ褒めする真夢に驚きましたが…そこまで感激して貰えるのか…と機嫌が良く成る藍里です。
「有り難う。でもね、本当はＷＵＧの為だけじゃ無いんだ」

意外な言葉に驚き、握っていた手を離した真夢が訊ねると、

「まゆに…、真夢に歌って欲しくて作曲しようと思ったんだよ…。よくあるでしょう『アイドルだから適当に歌わせてもウケるよね』みたいな、内容の乏しい数だけ消化させちゃう歌が…。だから何年経っても新鮮に歌える楽曲を、真夢の為に作りたかったの」

反応を確かめながら話す藍里から、一歩退いた真夢は一瞬空を見上げると、
「そうなんだ…。“あいちゃん”が作曲してくれた歌なら、ＷＵＧで大切に歌うね」
胸の前で指を絡めて合掌し、喜びを伝えるのでした。

…（あれ？）…
何か違和感を覚えましたが、喜んでくれる姿を見ると、俄然気合いが入ります。
「必ず期待に応えるからね」
そう明言すると、帰宅の途につく藍里でした。
しばらく歩くと、
…・・・え〜と？なぜ真夢を追いかけたんだっけ？・・・まぁいっか…

藍里の姿が見えなくなるまで見送った真夢は、薄笑いを浮かべながら地下鉄の入り口を下りて行くのでした。

【このお嬢様は計算してません。生真面目に語り、意図せず相手を洗脳するのです🅿︎44と🅿︎17の職業運を参照。俳優であり宗教家としての天賦の才能を持ちます】

この二人は、芸能活動を続けて行く限り、生涯コンビを組んで行く事になるのです。
🅿︎10、最終場面を参照。

【それにしても🅿︎65での反応の真意は何でしょうかね。
天然？演技？それとも初めは天然で、瞬時に演技に切り替えたのでしょうか】

自宅に戻った真夢は、身支度を整えると夕食を早々と済ませ、ナイトウェアに着替えた後、深夜遅く日付けが変わっても卓上のパソコンに向かっていました。
丹下順子が言う「島田真夢」の「ブランド」力、との言葉に不満を引き摺りながら帰宅し、
…会議に出席しても私は御飾りだ…
との不甲斐ない感覚を払拭したくて、
何か協力出来る提示はないかと、関係自治体の経済に関係する情報を一心に検索していました。
その集中振りは、手元に置いたボトルの水に手を付けない事で分かります。

一通り閲覧し頭の中で整理すると、再度検索を繰り返すと言う忘我状態が続き、無理が生じたのか目に痛みを感じると、涙で画面を見る事が出来なくなる状態でやっと我に帰り、テーブルに置いたタオルで目を押さえます。

時刻を確認すると、その時間経過に驚き、同時に身体に張りを感じてきたので、パソコンを停止させると大きく背伸びをして椅子に寄り掛かり、痛みが治るまで静止しました。

無意識にボトルに手を掛けると、一気に半分以上飲み込む自分に驚き、身体が渇いていた後を実感します。

照明を弱めると、ベッドに仰向けとなり身体を預け、呼吸を楽にしました。
息を整えると次は煩悩が襲います。
真夢の心に何が起きたのか、覗いてみましょうか…。

……私だってＷＵＧよね…。なのに何故、私を別物扱いするの？……
『“まゆしぃ”が行くならＷＵＧも出席したい』
『どうしてＷＵＧはダメで“まゆしぃ”はOKなの』
『私達（ＷＵＧ）だってＲＧＲに協力したい』
との言葉が頭から離れません。
……皆んな悪気がなく言ってる事は分かっているけど、でも心の片隅では距離を置いてるのね…。藍里だって『私に歌って欲しくて』ってＷＵＧと切り離している…。I-１club出身なんてもう過去の事、今はＷＵＧの方が芸歴は長いのに…。・・・いや、私の方が未だに I-１に執着しているのかも…。自分では意識してなくても、皆んなにはI-１の島田真夢と言う顔を見せているのかもしれないね・・・嫌だな……。

悪い方に考え始めると止まらないもので、昨日神社で引いた御神籤（🅿︎52）
を思い出し、左側に横たわり身体を丸めると、

……暫くソロ活動に集中しようかな……

そのまま布団も掛けずに眠りに就きました。
（まだまだ寒い季節です。風邪を引かないようお休みなさい）

page 17に続く。

【🅿︎17参照。生涯運に、変化が好きなので……。と有りましたので、そのような行動を設定して行きます】