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【読書記録】2024年3月17日〜3月23日

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 いったい何がどうなっているのか。
 Amazonのリンクが埋め込めなくなったと思ったら、今度は出版書誌データベースのリンク先の画像が表示されなくなりました。
 noteは難しいコンピューターやプログラム言語の知識がなくても快適に使えると思ったから始めたのに…。
 書影なしだとどうにも殺風景な記事になってしまうので、とりあえず昨年のようにネットで画像を拾って貼り付け、その画像にAmazonの商品リンクを埋め込んでみました。

 さぁ、気を取り直して今週出会った本たちをご紹介します。

【2024年3月17日〜3月23日に出会った本たち】

⚪️薫香のカナピウム

著者 上田早夕里

【内容紹介】
 生態系が一変した未来の地球、その熱帯雨林で少女は暮らす。次第に明らかになる森の秘密と、初恋。少女の季節は大人へと巡っていく。

出版書誌データベースより

【感想】
 主人公の名前が愛流、パートナーの名前が鷹風そしてライバルの名前がオーキッド。舞台は熱帯雨林。嗅覚の鋭い小動物や手足が6本ある猿など、ラノベファンタジーかと思いきやまさかのSFな展開。しかも環境調整とか生物の遺伝子操作とかかなりハード。
 地球がまさか大規模な…。もしかしたら今我々が暮らしている地球もそうだったりして。
 管理された安全な人工世界で暮らすか、それとも危険を承知で未開拓の地で暮らすか、これは究極の選択。
 この後の展開が気になるところ。
 全編を通して香りの表現が豊かな物語でした。

⚪️美月の残香

【内容紹介】
 遙花は、奔放なふたごの姉・美月に複雑な思いを抱いていた。常に比べられることへの反発――。が、二人が選んだ相手もまた、ふたごの兄弟だった。傍目には幸せなカルテットの誕生だったが、新婚間もない美月が、突然、謎の失踪を遂げた。後に残されたひと瓶の香水が引き起こす思わぬ愛憎劇とは? 深い内面描写にスリリングな展開。期待の俊英による書下ろし長編!

光文社書誌情報より

【感想】
 双子の姉妹・美月と遥花。容姿はそっくりですが性格の違う2人。
 2人は双子の兄妹・真也と雄也と出会い美月は真也、遥花と雄也がそれぞれ恋に落ち…。
 そこからドロドロの昼ドラ展開かと思いきや美月が突然失踪。真也は美月の行方を探しつつ、彼女の香りが忘れられず…。
 SF要素は全くないし、結局美月は遺体として発見されるものの、その事件の真相が明かされるわけでもないし、謎の天才調香師は出てくるも、こだわりが強いだけで物語には大きく関与しないし…。
 コレは何?
 匂いフェチ小説?
 確かに香りには人それぞれこだわりがあるだろうけど、真也の言動がかなり怖いというのが一番心に残りました。

⚪️破滅の王

著者 上田早夕里

【内容紹介】
 1943年、魔都・上海。ひとりの科学者の絶望が産みだした治療法皆無の細菌兵器。その論文は分割され、英・仏・独・米・日の大使館に届けられた。手を取り合わなければ、人類に待っているのは、破滅。世界大戦のさなかに突きつけられた究極の選択に、答えはでるのか? 第159回直木賞候補作

双葉社書誌情報より

【感想】
 舞台は第二次世界大戦下の上海。
 細菌の研究者だった宮本は、ある機密文書の精査を依頼される。
 その機密文書とは治療法のない細菌兵器に関するものだった!
 私の知識不足のために正直どこまでが事実で、どこからが上田さんの創作なのか判断がつかず、すべて真実と言われたら信じてしまうかもしれないくらい、まったく違和感がありません。むしろこれが今のコロナに繋がっているのではないかと思ったくらい。細菌兵器、毒ガス、枯葉剤、地雷、核爆弾、etc.人間はどこまでやったら気が済むのだろう。
 これはかなりハードな読み応えのある物語でした。

⚪️ブラックボックス

著者 篠田節子

【内容紹介】
 真夜中のサラダ工場、最先端のハイテク農場、地産地消を目指す給食現場……。利益を追求し、科学技術を駆使した果てに現れる「食」と環境の崩壊連鎖を、徹底した取材と一流のサスペンスで提示する、エンターテインメント超大作。

出版書誌データベースより

【感想】
 スーパーに買い物に行くと便利だからつい手に取ってしまう袋詰めのサラダミックス。コンビニに行けば弁当だけでは栄養が偏ってしまうだろうと買ってしまうカップサラダ。果たしてこれらは本当に安全・安心なのか?そんな問いを突きつけてくる物語でした。
 考えてみればいくら国の安全基準はクリアしているからといって、買ってから数日経ってもシャキッとしているように見える野菜は、やっぱりちょっと怖いというか不気味。でも同じ野菜を全部別々に買って揃えるとなると…。
 この物語で食の安全と並んで扱われる外国人研修生の労働問題も、いったいどう手をつけたら解決するのか…。

⚪️宇宙人のしゅくだい

著者 小松左京

【内容紹介】
 「ちょっとまって! わたしたちがおとなになったら、きっと戦争のない星にして、地球をもっともっと、たいせつにするわ……。」ヨシコのした宇宙人とのやくそくは、はたして実現されるでしょうか。表題作『宇宙人のしゅくだい』ほか、次代を担う子どもたちへの期待をこめておくる25編のSF短編集。

出版書誌データベースより

【感想】
 朝日新聞連載の後、1981年に文庫化、つまり40年以上前に執筆された日本SFの第一人者が未来ある子供達に贈る短編集。
 対象は小学3・4年生くらいかな。
 ヨシコ、ケンイチなど登場人物の名前に時代を感じますが、わかりやすい物語の中にちょっとしたブラックユーモアや反戦メッセージが盛り込まれていて、大人が読んでも充分楽しめるし、色々考えさせられる一冊です。
 この本が今でも〝青い鳥文庫〟で刊行され、子供たちに読み継がれているというのが何だか嬉しいし、こういう本を子供たちに手渡し続けられるなら、いつの日か人類は宇宙人から出された宿題を、何とかやり遂げられるかもしれませんね。今はまだ無理そうだけど。

【まとまらないまとめ】

 いかがでしたか。
 今週心に残ったのは篠田節子さんの〝ブラックボックス〟。
 この物語、一応フィクションと書かれていますが、全くの創作とは思えないくらいリアルで、正直背筋が寒くなりました。
 そういえば栽培方法の工夫や流通経路の拡充で、いつの間にか野菜や果物で旬を感じることってなくなりましたね。それから品種改良で野菜独特の苦味や青臭さもなくなるし、果物は異常なくらい甘い。そしてそれを美味しいと感じ手に取ってしまう我々消費者。
 人間はもう後戻りできない領域まで踏み込んでしまったのかな。
 なーんて考えていると暗い気持ちになってしまうので、今週の最後はちょっとだけ未来に光を灯す物語で締めくくってみました。
 宇宙人に滅ぼされないために我々地球人がやるべきこととは…。

最後に
 読書っていいよね。


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