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【読書記録】2023年9月3日〜9月9日

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 先日、いわた書店から「一万円選書」で選んでいただいた本が届きました!!
 (そもそも「一万円選書とはなんぞや?」という方は、以下のリンクをご覧ください)

 実は、当選は2021年に次いで二回目。
 もちろん選書していただいた本が全て自分にピタっと合うわけではありませんが、普段なら絶対に手に取らないであろうジャンルや作家さんの本に触れる機会が持てるというだけで、なんだか幸せな気分になれます。
 いわた書店のおかげで、あちこちで「選書」という言葉や取り組みを目や耳にすることが多くなりました。ちなみに来月(10月)に、2024年上半期の一万円選書の応募受付がありますので、興味のある方はぜひ。

…ということで、早速今週出会った本たちをご紹介します。

【2023年9月3日〜9月9日に出会った本たち】

⚪️乱反射

著者 貫井徳郎


【内容紹介】
 地方都市に住む幼児が、ある事故に巻き込まれる。原因の真相を追う新聞記者の父親が突き止めたのは、誰にでも心当たりのある、小さな罪の連鎖だった。決して法では裁けない「殺人」に、残された家族は沈黙するしかないのか?第63回日本推理作家協会賞受賞作。

裏表紙より

【感想】
 主人公・加山の息子がある事故で命を亡くしたことから始まる物語。
 その事故の原因は、ほんの些細な非常識の積み重ね。軽い症状なのに夜間救急に行く大学生、適当に職務をこなすアルバイト医、潔癖症が原因で街路樹の診断を怠った業者、街路樹の伐採に強硬に反対した主婦たち、犬の糞を片づけない老人、プライドを傷つけられ職務を放棄した市の職員、車庫入れが苦手な女性。
 一つ一つの小さな非常識が、幼児の死亡という大きな事故を引き起こします。
 この事件の犯人はいったい誰?
 これはある意味バタフライ・エフェクト?
 それともリスク管理で言うところのハインリッヒの法則の実例??
 モラルに欠ける行動については、自分にも何だか思い当たる節がいくつもあって、他人事ではない物語でした。

⚪️愚行録

著者 貫井徳郎

【内容紹介】
 ええ、はい。あの事件のことでしょ?-幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。深夜、家に忍び込んだ何者かによって、一家四人が惨殺された。隣人、友人らが語る数多のエピソードを通して浮かび上がる、「事件」と「被害者」。理想の家族に見えた彼らは、一体なぜ殺されたのか。確かな筆致と構成で描かれた傑作。『慟哭』『プリズム』に続く、貫井徳郎第三の衝撃。

裏表紙より

【感想】
 閑静な住宅街で夜中に家族4人が惨殺されるという事件が中心となって展開される物語。
 近所の主婦、妻のママ友、夫の同僚、妻の大学時代の同窓生などが殺された夫婦の人となりを語り、合間合間に謎の人物のモノローグが挟まれます。つまりいわゆる「ト書き」が一切なくて、最初から最後までインタビューによるセリフと謎の人物の独白のみ。こういう形式の物語ははじめてだったので、かなり苦戦しました。
 …で内容は、殺された夫婦の愚かさはもちろんのこと、証言している人たちも、そして犯人も、タイトル通り揃いも揃ってみんな愚か。
 嫉妬や傲慢など誰もが持つ嫌な部分を突きつけられた物語でした。

⚪️慟哭

著者 貫井徳郎

【内容紹介】
 連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。異例の昇進をした若手キャリアの課長をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心をよせる。こうした緊張下で事態は新しい方向へ!幼女殺人や怪しげな宗教の生態、現代の家族を題材に、人間の内奥の痛切な叫びを、鮮やかな構成と筆力で描破した本格長編。

裏表紙より

【感想】
 幼女連続誘拐殺人のパートとある男が新興宗教にハマっていくパートが交互に展開される物語。この二つがどう繋がるのかが読みどころです。
 自分の子供が不可解な死を遂げ、未だにその犯人が逮捕されないとしたら、自分はいったいどうするだろう。やはり藁をも掴む想いで神や悪魔に縋るだろうか。
 物語の中である雑誌記者が語っていた新興宗教→ビジネスという話は何だか納得。ここに政治なんかが絡んでくるからさらに話は厄介だし、だからいつになってもこの手の話はなくならない。

⚪️フクシノヒト2 こちら福祉課保護係

原案 役所てつや
著者 先崎綜一

【内容紹介】
 役所の中で1番の嫌われ部署と言われる福祉課保護係。入庁2年目。仕事にも慣れてきた堺クンだったが、試練は次々とやってくる。働くことを諦めてしまった若者。問題を起こして周りを巻き込む悲劇のヒロイン。そして、生活保護受給者の悲しい最後……。個性豊かな仲間に支えられ、成長する若者の姿を描いたシリーズ第2弾! シリアスなテーマながら読後スカッとする“青春お仕事小説"

裏表紙より

【感想】
 前作〝フクシノヒト〟を読んだのが約4年前。主人公の堺くんの入庁したての初々しさと、強烈な個性のヒロイン・白井野さんのことは何となく覚えていたものの、あとは記憶の引き出しを引っ掻き回しながら読みました。
 2年目となった堺くんが向き合うのは、「努力する才能がない」と働くことを諦めてしまった若者、ネグレクトの母親、自死を選んだ高齢者など難題ばかり。
 「健康で文化的な最低限度の生活」を保証するための生活保護ですが、「世話になるのが恥ずかしい」と申請を拒む人がいる反面、不正受給の例も多く聞かれ、この問題は本当に難しいと感じます。

⚪️友がみな我よりえらく見える日は

著者 上原隆

【内容紹介】
 ホームレス同然の生活を続け妻子からも捨てられた芥川賞作家、アパートの五階から墜落し両目を失明した市役所職員、その容貌ゆえに四十五年間、一度も男性とつきあったことのない独身OL…人は劣等感にさいなまれ深く傷ついたとき、どのように自尊心をとりもどすのか。読むとなぜか心が軽くあたたかになる、新しいタイプのノンフィクション。

裏表紙より

【感想】
 この記事の最初で触れたいわた書店の「一万円選書」の中で一番心惹かれたのがこのタイトル。奥さんと息子に「こういう気持ちってあるよねぇ」って言ったら、二人が口を揃えて「ないけど」だって。何だろうこの切ない気持ちは。
 この本は、居酒屋や電車の隣の席にいそうな、ほんの少しだけ変わった境遇の人たちにスポットを当てたノンフィクション。
 例えば、父子家庭、リストラ、ホームレス、うつ病、離婚、登校拒否、失明などの境遇にあった人たちが、淡々とその時の気持ちを吐露しています。そこには物語のような誇張や脚色は一切なく…。
 そんな本のどこが面白いのか?
 面白はないかもしれませんが、でもたぶん、こういう等身大の本が本当に生きる力や勇気をくれる気がします。

⚪️文章は接続詞で決まる

著者 石黒圭

【内容紹介】
 多種多様な役割を知り、効果的に使い分けるにはー接続詞使用のセンスを磨くための小辞典。

裏表紙より

【感想】
 この本は難しい、だけど面白い(接続詞の使い方、これで合ってるかな?)
 読書が趣味だと公言して5年以上経ちますが、今まで目の前にある文章を何となく読んでいただけで、その文章の細かい構成に思いを馳せたことはありませんでした。読メのレビューやnoteの記事を書く時も然り。
 この本は日本語の接続詞を4種10類に分類、具体的な例文を用いながら詳しく解説し、さらに話し言葉における接続詞の役割にまで言及した本です。
 一度読んだだけで完全に理解することは難しいので、折に触れて必要な部分を読み返していけば、私の駄文も少しはマシになるかも。

【まとまらないまとめ】

 いかがでしたか。
 今週初めましての作家さんは貫井徳郎さん。
 Twitter(今はXだっけ)のタイムラインに流れてきた〝乱反射〟のツイート(今はポストだっけ)をみて興味を持ち手に取ってみたらどハマり。ただ貫井さんの作品は、読むのに体力と気力が必要だと感じています。
 あぁ、これ以上推し作家さんが増えたら、私の財政は破綻だよ!!

最後に
 読書っていいよね。


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