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記憶


久しぶりに自分のnoteを読み返してみたら文体が固くて不自然で一生懸命で見苦しくて可愛かった。
昔から形に残すこと、自分を表現することに対してこだわりが強くて完璧主義で、とりあえずでやりたくない!とか変な意地を張っているうちに薄れて消えていった。私の記憶は全然ない。

何から話したらいいんだろう。何から残せばいいんだろう。
夢ですら会えなかったミンギュさんに、SEVENTEENに、会いにいきました。

スケジュール帳の小さなひと枠をキラキラに飾りたくなること、会う約束があること。
何週間も前からその日を目掛けて生活を頑張ったり耐えたり、いつもは嫌になっちゃう出来事もどうってことなくなったり。そういう感覚が自分にとってあまりに久しぶりで、世界的に制約されていたその類の喜びが嬉しくて、それだけで少し涙が出た。

落選の文字を何度見たかわからなくなってきた頃に注釈付きでようやく""当選""にお目にかかり、その時点で残り3週間。夜行バスをひとまず予約してTO DOリスト作って。ソンムル…何したらいいんだろう、ネームボード可愛いから絶対やるぞ、と毎日のように100円ショップにお世話になりつつあっという間に迎える当日。
その間にもずっと供給があるので危うく命日を迎えるビジュを浴びつつなんとか生還。全てはこの日のためである。TO DOリストのダイエットの項目だけチェックがつくことはなかったけど今まで一番体が軽かったのは言うまでもない。

セブチくんの来日から急に真夏日に変わり入念に準備した服装を変えることになったのももはや本望、ありがとう太陽たち。BE THE SUNをここで完結させるSEVENTEEN。
久しぶりに丁寧におめかしして背筋の伸びる服を着て、シャッフルで"Beautiful"から始まる1日は美しい日の確定演出だ。

京セラドームに向かうまでの道、階段、足が震えてふわふわしてちゃんと歩けてるか不安だったな。でも大好きな曲爆音っていうおまじないがなくても一番強い気持ちで歩ける日。
ずっと見るだけだったスローガンを手に、会場に入る。

ここからはもう自分語りというか私から見るミンギュさんの話になるんだけど、ミンギュさんて完璧なアイドルだ。いや万国共通かこれは。

「来てくれてありがとうございます」
オタクの自分勝手な妄想ではなく彼らの愛を日々受け取るひとりの人間として言えるみんなが当たり前に思ってくれていること。当たり前だから逆にあまり言わないこと。(最後ドギョムくん言ってたね)
あまりの愛のデカさ故に試行錯誤してどうにか表現しようといろんな言葉を言ってみるのは私もSEVENTEENもきっと一緒で、その中で極めてシンプルな言葉で伝えてくれたのが、ミンギュさんらしいなと、ミンギュさんのことあまりよく知らない私が勝手に思った。欲しい言葉をわかっている。

初めて舞台で輝くミンギュさんをこの目でみて、何だか少し怖くなった。
馴れ初めを話すのを躊躇してしまうほど新参者の私はまだ新しいことの連続だけど、知れば知るほどミンギュさんのことわからなくなる。今回の記録を一言で表すのであれば「もっとわからなくなった」かもしれない。
対ファンのミンギュさんは、ゴセやその他番組で見せる愛嬌たっぷりで人懐っこい部分が薄れる。
一線を引いているな、と思う。距離の近さは分け隔てないようで疎外感を生む。一定で安定した愛。私はその距離感がたまらなく好きだ。

どこまでがアイドルMINGYUなのか、どこからが人間김 민규なのか。ある程度かかってしまう/自ら課すであろう負荷は苦痛ではないか。

他者を知ること、自分を知ってもらうこと。曖昧でぼんやりしたものが形を持つこと。
「他者の新しい面を知ったとき揺るがない自分がいるということが信じられるということ」という言葉を思い出す。
私はそこまで出来た人間ではないのでそうだよなあと思いながら面倒だなあと思う。
物心ついた時から他者との関わりをなるべく避けたいと思っていたヤバガキの私には知ったり知ってもらうことって結構面倒で、自分だけがわかっていればいいしあなただけがわかっていればいいと思う。
でもそこに辿り着くまでに"わかる"をクリアしなきゃいけなくて、しかも自分のことであろうが完璧にわかることってなくて。だったらこの好きを利用してそこに行きたいなと思う。
この好きは綺麗で温かいものだけではないかもしれないけど、このエネルギーを持て余してたまるか。

信じるとか信じないとか愛とかなんとか、今までの私の生き方とかそういうの全部取っ払ってミンギュさんのこと知りたい。見せてくれる分だけでいい。作られたものでもいい。ミンギュさんが作る世界にずっといたい。

SEVENTEENという物語は偽造でも創造物でないことが今回のFMLで確固たるものになったけど、"アイドル"としてある程度切り替えている部分はあって、私たちはそれを忘れるべきではないし、そこを強く感じるのがミンギュさんかも知れない。
アイドルを演じているというよりは向いているという感じがする。

頭の回転が速く常に俯瞰で物事を見られて冷静で、愛に溢れて惜しみなく伝えることができるけど媚びたり擦り寄ったりしない。イジられキャラだけど見下されたりはしない強さがある。
芯があるけど自分にも今にも執着せず脱ぎ捨てられる。
少しの冷徹さが好きだ。利他的でありながら誰のためとか関係なくただ前だけを見ている。ミンギュさんが想像する未来はどんな色?

のちに嘘になる可能性のある言葉を発するのが苦手だった。"愛してる"は天上の言葉で"一生"はありえない。
予防線をいつも張っている逃げ腰の弱虫。

でもこれからは全部嘘になってもいいからどんなにくだらなくて笑われるようなことでも私というフィルターから見る世界、今感じたこと、今だから見えたこと、ちゃんと残しておきたい。ちゃんと存在したい。
だからミンギュさん、いつか私のこと見つけてね。



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