演芸界の今に思う事その2

2月6日に一般社団法人落語協会が「ハラスメントをめぐる協会員間の民事訴訟について」というコメントを公式HPサイトで発信しました。

この発表についても演芸ファン(主に落語愛好家だと思います)から様々なコメントが寄せられています。
前回初めてnoteに投稿した内容に補足したく書いてみます。

落語界に一番求める事は、この芸能の継承です。
一言に継承と言っても様々な意見はあると思います。
私は大衆と共に歩んできた落語は時代に合わせてアップデートしてきたからこそ、今に至っていると思います。
ここで私が言葉を尽くすよりもっと分かり易く書かれているのが、立川談笑著『令和版現代落語論』です。
ご承知の方も多いと思いますが、ご紹介しておきます。

https://hironobuto.base.shop/items/78445515

また継承の条件として絶対に外せないのは「後進の育成」です。
本件について落語協会の対応として絶対に必要だと思っているのは、既に協会員である人達、これから門を叩いてくる可能性がある人達に対してきちんとメッセージを伝えられているかと言う事です。
大衆芸能である以上その愛好家を広げ深める事が大切なのと同じ様に、新たな継承者が入って来る事が必要である事は論をまたないでしょう。
厳しい修行があってこその芸の伝承であって、そのことを理解しない者は継承者にならなくて結構と言う意見があることも承知しています。
只、これだけ時代の趨勢が変わっていく中で(直近の芸能界を取り巻く環境変化は誰の目にも明らかです)芸の伝承方法が変わっていかないままで済むのかを協会としてきちんと議論して欲しいと思っています。
それは「後進の育成」に直結します。

私は落語の可能性を信じています。
コロナ禍を経て来日する多数の外国人ツーリストに日本の良さを再発見させてもらう記事やニュースをよく目にするようになりました。
舞台装置や音響視覚効果を極限まで省いた落語は、世界でも類を見ない「地球に一番やさしいエンターテイメント」だと思っています。
いつか落語が『RAKUGO』になる日が来る事を信じています。
もちろん同じ伝統芸能と並べられる歌舞伎や文楽に比べ言葉の壁が大きい事も承知しています。
その壁を越えようと外国語落語、「やさしい日本語」落語、同時通訳落語等々に挑戦しておられる噺家さん達がおられますが、その数はまだまだ少数です。
まず落語界がしっかりと未来へ向けてその幹を伸ばし続けることがあってこその世界への発信だと思っているので、書いてみました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?