演芸界の今に思う事その3

令和6年2月25日に落語協会100周年記念式典が行われた事を受け、懲りずにその3を書かせて頂きます。

100年前のこの日に同じ上野精養軒で落語協会の発足式があったことが、当時の都新聞でも報じられています。
今回リニューアルされた協会のHPにも発足の経緯が載っています。
記事内容とHPから推測すると、離合集散を繰り返していた東京落語界であったが、関東大震災を契機に席亭も巻き込み諸派の対立を乗り越え団結したのがその流れの様です。
今回100年前の同日に合わせ大々的な式典を行い、色んな企画(各寄席での特別興行や、グッズ販売等々)が用意されている事は素直に喜ばしいと思います。
ただここで何度も繰り返していますが、単に協会が100年続いた事を慶ぶだけでは無く、発足に至った先達の想いがどのようなものであったのかを協会に残る資料から紐解き現会員の中で共有する事が必要だと考えます。
記事と協会HPにも書かれていますが、この協会発足に奔走したのは初代頭取の一人(二人頭取制)五代目柳亭左楽だそうです。
左楽と言う噺家自身が、芸を極める事だけではなく東京の落語を残して行く為にするべき事を考え行動したのではないかと思います。
きっとその想いが呉越同舟の協力を得たのでしょう。

会場になった上野精養軒も当時とは建物も中身も全く違っている事でしょうし、今回参加した噺家には当時は居なかった女流噺家も沢山いらっしゃいます。
同協会所属に関わらず、芸人である以上その芸を磨く事は当然ですが、協会以上に歴史のある落語と言う芸能を受け継ぐものの一人として考えることが必要だと思います。
大きく環境が変わっていく世の中(現在なら諸々のハラスメント対応等)に合わせアップデートしてきた事がこの芸能が生き残ってきた本質だと思っているので。

演芸ファンとして芸を見続ける事が何より必要だと思うと同時に、周辺事情に関し考えを持つ事もいるのではないかと思い、noteを書いています。

リニューアルした落語協会HP

https://www.rakugo-kyokai.jp/about


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