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大事な「寄り道」

この記事は、武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコースの授業で毎回、様々な分野で最前線でご活躍されている方々の講義を聞き議論する、クリエイティブリーダーシップ特論の授業内容と自身が感じ、考えた事のまとめです。

2021年9月20日 第11回 クリエイティブリーダシップ特論

Guest

大阪芸術大学 三木 健さん

1982年 三木健デザイン事務所設立。ブランディング、アドバタイジング、パッケージ、エディトリアル、空間など、様々なフィールドにおいて情報を建築的にとらえる発想で五感を刺激する物語性のあるデザインを展開。大阪芸術大学教授《参照:Wikipedia

話すようにデザインする

話すデザイン=対話を可視化すること
聞くデザイン=相手の考えを理解すること

三木さんのお話の中で印象的であったのが、冒頭にお話いただいた話すようにデザインする。デザインを話すという事。

三木さんは普段、話の中から理念に繋がるような言葉を会話しながら探しており、余談の中でヒントが潜んでいることがあり、仮説や妄想、物語を組み立てていくそうです。
そして、コンセプトをいろんな角度から組み立てていくと仰っていました。それがどんどん組み立ていく事で思考が物語化していくという事です。
そして、人の脳を借りる借脳で人の話を聞きだすことで、自分の中にはないアイデアがでてくるそうです。

発想、アイデアにおいて最も難しいと思うところは思い浮かばないという事だと思っていましたが三木さんのお話を伺っていると、アイデアは思い浮かばないのではなく、見つけて組み立ていくものもあるのだと感じました。

また、このようにして見つけ出し組み立ていく事は、余談や道草といった身近なものから見つけ出したものであって、普段ポツンと浮かんでくるもの、これだ!と湧いてくるものと違ってとても現実性の高いアイデアや発想になるのではないかと感じました。

Serendipity

また、三木さんは寄り道や道草を大切にしており、決まったルールやゴールに向かっていくのではなく偶然の幸福に出会うように動くようにしていて、三木さんは「良き隣人の法則」と呼んでいるそうです。

三木さんの事務所では、「本の並びを整理してはならない」というルールがあり探していた本と別の本に出会う事ができるという訳です。

これは、本当にその通り最近よく痛感する事で通販で買い物をする時、特に本などは確かに欲しいものは検索して注文すれば手に入る。
しかし、買い物に出かけいろんな景色を見て、寄り道した先のお店で探していたものよりも良いものを見つけたり気分は変わったりするもの。
そして、本などは本屋で探している途中で気になるタイトルを見つけて本を開く行為があり、その開いた本の作家が書いている他の本に出会えたりする。

そう考えると、セレンディピティはデザインにも本当に重要であると考えました。
ゴールに向かうだけではなく、もっと過程を活かし寄り道していく事でヒントを得てデザインがよりよくなっていったりするのかと思いました。


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