最果ての地で
空がオレンジ色に燃えている。
果てしなく続く草原の真ん中に、私は一人で立っていた。
もう、こうしなきゃいけないとか、こうするべきとか、そういうことは一つもないのだとわかった。
心に浮かんだ人に、どうか健やかにと祈る。気持ちが込み上げてきて、ありがとう、と幾度かつぶやいた。
ふと、人の気配を感じて振り返った。
見ると、あなたがぼんやりと立っている。
私には気付かず、ぼんやりと夕焼けを眺めているようだった。でも私は、あなたも私と同じように解き放たれたのだということを知っていた。
あなたの名を呼ぶ。全力で駆けていく。体が軽い。
あなたが私に気付いてくれた。その瞬間、もうこれ以上の幸せは要らないと思った。お腹に抱きつくと、あなたも私の頭を優しく抱き締めてくれた。
あたたかい手をとり、握りあって歩き出す。
夕焼けの草原には私たちの他に何もなかった。
日々感じたことなど。