注意するべき関節リウマチの合併症

関節リウマチの看護を行う際に注意しておきたい症状がいくつかあります。

1つ目は突然の貧血です。関節リウマチの治療に使用する抗炎症剤は潰瘍ができやすいという副作用があります。
その潰瘍の出血が続くと、突然貧血になることがあるので、きちんと経過を観察しておく必要があります。

2つ目は、抑うつ状態です。
関節リウマチの治療薬の1つであるステロイド薬には、さまざまな副作用があります。
その副作用の中でも抑うつ状態は重度の症状とされているため、様子がおかしいと感じたら注意が必要です。

3つ目は、関節の変形の進行です。
関節リウマチは手指などの小さな関節から始まることが多い病です。
しかし症状が進行してしまうと、股関節やひざなどの大きな関節の変形も始まってしまいます。
腰椎や頸椎にまで変形が及んでしまうと、マヒやしびれの症状が出ることもあるため、早い段階でせき止める診療を行う必要があります。

4つ目は骨粗しょう症です。
骨粗しょう症とは、骨の密度が下がり、スカスカの状態になってしまう病です。
関節リウマチは関節の炎症から始まりますが、その周辺の骨の組織などを破壊してしまう病でもあるため、骨粗しょう症になりやすい傾向があります。
他にも痛みによる運動不足や、ステロイド剤の副作用が原因となることもあります。

関節リウマチの患者さんは、治療の過程で上記のような合併症を併発するリスクが高くなります。
合併症を発症した場合、そちらの治療も併せて行う必要があるため、患者さんの負担は倍増してしまいます。
治療中は患者さんに寄り添い、合併症にならないよう手厚くフォローしていくことが大切です。