くものあなた(雲乃彼方)

創作物専用アカウントになる予定です。

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最近の記事

積乱雲読#06『近畿地方のある場所について』

いつも行く本屋さんに平積みされていて、そのなんとも言えない物々しい感じの装丁に惹かれて、気になっていた一冊。ようやく読むことが出来ました。 ジャンルは…一種のジャパニーズ・ホラーのような、ミステリーのような、得体の知れぬ、底知れぬなんとも言えない不気味さ…こういう作品を読みなれていなかったので、怯えました(笑 実際、何も知らずに寝る前に読み始めたんですが、怖すぎて部屋の電気を煌々とつけ、スマホから陽気な動画を流し、果てはテレビまで点けながら読みました(おおよそ読書には不向

    • 冬の小倉から夏の小倉へ。

      ◎返し馬(前書き) 2024年冬の小倉開催が終了した。 僕は仕事の関係で最終週に行くことはできなかったので、一週前に、一足早くこの冬の小倉開催を終えたことになる。 本当は最後の馬場解放まで参戦したいところだったが、まあ仕方がない。 まずは、この冬の小倉開催のおさらいをしていこうと思う。 ◎収支的な何か 現地に行くと、なぜか紙で馬券を買いたくなってしまう。 いきなり貨幣論の論理的文章みたいな言い方になるが、普段はスマホで馬券を買うので、ある意味「実体のないお金を扱って

      • 漫然と日々は流れて。

        今週は珍しく猛烈に忙しかった。 いや、実際時間はそこそこあったのだけど、空き時間が惜しくて予定を詰め込んだせいで、自分で自分の首を絞めてしまった感じ。そして気付けば22時を迎えて、「ああ、明日からまた騒々しい日々が始まるな」とため息をついている。みんなこういうモノなんだろうか。 いや、実際のところ僕と同じ年の頃合いになると、世間では結婚したり子どもがいたりなどという感じで日常生活も忙しいというか、思いのままにならないというか、そういうものなんだろうけど、僕のようにリアルBL

        • 積乱雲読#05『プラマイゼロの生き方』

          「死んだ魚の目をしてる性格の悪い太ったおじさん」という途方も無い悪口(時折これに「頭の悪い」が付け加わったりもする)が、もはや何かのキャッチコピーのようになっていて、ネットで冒頭の言葉を検索すると、一発で辿り着いてしまう、そんな人物がいる。 それが、“ひげおやじ”だ。 言うまでもなく、ひげおやじというのは本名ではない。それどころか、本人は髭を生やしてすらいない。本文によれば、それを西村博之(ひろゆき)氏からは初対面のときに嘘つき呼ばわりされたとのこと。 今回読んだ『プラ

        積乱雲読#06『近畿地方のある場所について』

          積乱雲読#04『超能力者とは言えないので、アリバイを証明できません』(甲斐田紫乃)

          「積乱雲読」というのは僕が勝手に作った言葉で、「積読」と「乱読」の合体版である。小説、エッセイ、詩歌、ミステリ、少年漫画、BLなど、ジャンルも問わず、買い漁ったまま積んでおいた本が沢山あったので、今年こそいろいろ読むぞとの決意のもと、読みまくっているというものであります。 今回は、『超能力者とは言えないので、アリバイを証明できません』(甲斐田紫乃)を読みました。ジャンルとしては、軽めのミステリというところでしょうか。 萌貴は「人に言えない超能力」を持っている。 それは、「

          積乱雲読#04『超能力者とは言えないので、アリバイを証明できません』(甲斐田紫乃)

          積乱雲読#03『夢なし先生の進路指導』

          インターネット上でオススメされて、すごく面白かったマンガがありまして。 それが、『夢なし先生の進路指導』(笠原真樹)。 中心人物は元キャリアコンサルタントの数学教師、高梨。 彼は観葉植物がいっぱいの進路指導室に生徒を読んで面談をするスタイルで、そこにやってくる生徒たちはそれぞれ「声優」、「鉄道運転士」、「メンズアイドル」などの夢を語る。 しかし高梨は生徒たちの夢に対し、データや実情を踏まえて否定的な見解ばかりを述べる。そんな彼のことを生徒たちは「夢なし」と呼ぶ。 学園

          積乱雲読#03『夢なし先生の進路指導』

          積乱雲読#02『あと少し、もう少し』

          この本と出逢って、読むまで。 以前、『ありがとう、さようなら』というエッセイ作品を、「カバーを志村貴子が描いた」というので買ったというたいへん不純な理由で読んだのが、瀬尾まいことの出会いだった。 『ありがとう、さようなら』は、瀬尾まいこ本人が教員であった頃のエピソードをエッセイにまとめたもので、僕自身ものすごく共感をもって読んだ記憶があった。今も大切に職場の手に取れるところに置いていたりする。 その後、小説も読んでみたいと思って買ったのが『あと少し、もう少し』であった

          積乱雲読#02『あと少し、もう少し』

          積乱雲読#01『東京日記7 館内すべてお雛さま。』

          川上弘美という作家に初めて出会ったのは、高校の図書室だった。 その時に読んだのが『光ってみえるもの、あれは』(2003年刊 中央公論新社)である。その世界観がとても気に入った僕は、夏休みの読書感想文の題材にするそのつもりで、2冊目に『溺レる』を読んで、「え? なんか全然違う」と、戸惑った。 後で分かったことなのだが、『光ってみえるもの、あれは』のように主人公が高校生男子という方が川上作品の中ではかなりレアで、『蛇を踏む』とか『センセイの鞄』、『神様』といった代表作は長編も

          積乱雲読#01『東京日記7 館内すべてお雛さま。』

          すごいね。年明けだってよ。

          何を差し置いても、自分に足りないものは「継続力」だ。 自慢じゃないが、今年用に買った日記帳はまだ一度も書いていない。 始まって9日が経とうとしているというのに、なんとまあ体たらくなこと。 何かテーマが与えられればそれについて文章を書いたりするのって、そんなに難しくない。だけど、別に誰からテーマを与えられるわけでもなく、日々無味乾燥な毎日を、低感受性で生きているので本当に書くことは無いのである。 思えば、高校生の頃にはブログをやっていて、大学生の頃にはmixiと同人小説ブ

          すごいね。年明けだってよ。

          なんとなく名前の話。

          その昔(学生時代)、文学フリマやコミケにBL小説を出している時があった。 オリジナル小説をメインに、少しだけ二次創作小説なんかを出したりしていた。 その時には別の筆名を使っていたんだけど、今はなんとなく矢野という名前と雲乃という名前を使っている。 矢野の方は、フルネームで言うと「矢野あさって」という名前である。 由来はもちろん、「あした→あさって→しあさって→やのあさって」である。地域によっては別の呼び方をすると聞いたこともあるけど。「ししあさって」とか「ささって」とか。

          なんとなく名前の話。

          僕の「ふつう」を整理するために

           元日になると去年のことがまるで全てリセットされたかのように感じるのと同じで、誕生日になったら新しい自分に生まれ変わるという感覚がある。かくいう僕自身もそういうタイプの人間でいっちょ前に「〇〇歳の抱負・目標」みたいなものを書いてみたりする。しかし、そんなものは常に絵に描いた餅というか、絵空事というか、実際は昨日までの自分と何ら変わりはしない。大きな問題も解決していやしないし、悩みが尽きることもない。「明日は明日の風が吹く」なんて言葉もあるけど、その風は地球を一周ぐるりと回って

          僕の「ふつう」を整理するために