朝俳句 -2022.07

07/01 戦闘は斯くあるべしと鰹釣
07/02 ではそこで見ていろよ黒南風と死ぬ
07/03 蚊の声が描く命の相似形
07/04 黙っても仕方がないのにね浮葉
07/05 黴の香を嗅ぐほんの僅かの自傷
07/06 源五郎一生にある浮き沈み
07/07 小暑から目指す暑さの消失点
07/08 初蝉の生きる力がおそろしい
07/09 伽羅蕗の色は盲点と同じ
07/10 破れた夢はそれっきり青田道
07/11 飛魚が次々に躱す国境
07/12 金魚玉視界は360°
07/13 蘆茂るわたしがやめたいのはにんげん
07/14 ただ暑し暑し暑しとぼやく息
07/15 告げ口の色で広がる朝曇
07/16 可能性も青鬼灯も潰せない
07/17 ニンゲンを人間にする初浴衣
07/18 餡蜜のほうが甘くてどうしようもない
07/19 戻り梅雨かわいそうだという主観
07/20 茉莉花のポジティブにつく嘘の匂い
07/21 一票の格差のニュースメロン割る
07/22 羅も(黙っていれば)美しい
07/23 何もかも大暑で影が短いせい
07/24 破裂するまで待っている初茄子
07/25 本能のかたちで進む船料理
07/26 失ったまま失っていく帰省
07/27 夏雲雀そこから空が落ちてくる
07/28 生存は実務のひとつ蝉の殻
07/29 線香の角度で土用鰻へ箸
07/30 夏茱萸で打ったカンマで愛を知る
07/31 浮ついた話は嫌い氷水

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