朝俳句ひと月ぶん -2022.05

05/01 黄金週間を混ざっていく訛
05/02 母も母の母より産まれ来て鰊
05/03 独活和とそれから言えなかったこと
05/04 争いの炎の絶えぬまま暮春
05/05 ツァイガルニク効果として来る立夏
05/06 はじまりのおわりは若楓の一葉
05/07 黄金比の余韻を残す麦嵐
05/08 まだ何も知らない頃に見た目白
05/09 4Kの画質で唸る卯月波
05/10 告げ口を海芋は咎めはしない でも、
05/11 わたしだってほめられたいよ燕の子
05/12 根切虫ふたりで滅ぶまで待って
05/13 わかりやすいはかなさになる愛鳥日
05/14 大南風に切られて開く過去の傷
05/15 オーガンジーリボンを結び著莪の花
05/16 かつてあつた慕情のやうに明易し
05/17 赦し合うための青野でまだ一人
05/18 選ばれない銭亀と見ている水辺
05/19 さようならはワルツの響き竹の葉散る
05/20 夏掛へくるんで獏の換毛期
05/21 小満にフラグを回収して死にたい
05/22 比類なき嫉妬の色の青大将
05/23 若葉風秩序は守るためにある
05/24 走り茶の旨味で死ぬ語彙の数多
05/25 箱釣もおまえも可視化された罠
05/26 竹の皮散る約束はヒトの概念
05/27 Andanteの体現としてパナマ帽
05/28 麻暖簾そこから先は別の国
05/29 豆飯の豆を除いた箸の磔刑
05/30 「思い出」でくくる暴力夏柳
05/31 公然の秘密の色で咲く牡丹

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?