Twitterの俳句 2023.01

01/01 人のまま屠蘇が唇へと触れる
01/02 年新た北極星は手の内へ
01/03 去年の香りをクローゼットから抜く
01/04 俺にない抱負が飛んで来る賀状
01/05 小寒は部屋の暗がりに蹲る
01/06 梯子乗の見える高さが全て空
01/07 懺悔室として供する七日粥
01/08 まっさらなおまえに成人式が来る
01/09 墓標には輝きすぎているオリオン
01/10 広がった夢に似ている春小袖
01/11 鐘氷る愚痴になるはずだったもの
01/12 北の果ての天気は「吹雪」と「吹雪以外」
01/13 初凧が私を恋へ連れていく
01/14 初相撲みな白星であったなら
01/15 どんど焼き神になるのは諦めろ
01/16 善も悪も濾過した果ての寒造
01/17 海へ行かない牡蠣船という棺
01/18 炭焼は内なる声を聞きながら
01/19 思い出が美化されていく雪明り
01/20 大寒もスキップされている広告
01/21 恋情が寒三日月に引っかかる
01/22 鰭酒を痛みの名残りのように干す
01/23 まとまってラガーはジュールの形容詞
01/24 冬滝もかつて欲した人身御供
01/25 手放した願いがきれい初天神
01/26 春永の無言の祈りへ日が注ぐ
01/27 あとは独楽をひとりで回しているばかり
01/28 初旅は足下を決して見ないこと
01/29 わたしたちおしまいですね避寒宿
01/30 生きるのを忘れて生きる二の替
01/31 冷たしとまるで望んでいたやうに

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