Twitterの俳句 2022.10.

10/01 目眩 栄光を遺物に天高し
10/02 それからは冷ゆる意識の底に居る
10/03 秋の蛇おれにエデンは早すぎた
10/04 割るさつまいもからファンファーレの湯気
10/05 かさぶたがそこにも見えて障子貼る
10/06 宵闇に光る双眸を置いてきた
10/07 各々の狂気へ触れる水の秋
10/08 わかりあえないとわかりあう寒露
10/09 大いなる沈黙として色変へぬ松
10/10 秋寒し人の噂の嘘ばかり
10/11 幸福の上澄みを集めれば古酒
10/12 俺よりも菜虫のほうが生きている
10/13 木瓜の実も墜死していて庭に影
10/14 刈田からやって来るエスカトロジー
10/15 人の輪も儀式のひとつ芋煮会
10/16 色鳥はいなくなるからする懺悔
10/17 柿干して振る舞いにある年相応
10/18 海もさみしいのに蛤になる雀
10/19 旨味とは魂の揺れ走り蕎麦
10/20 榠樝の実さえある役が俺にない
10/21 できるだけ囮にかかる鳥でいて
10/22 朝寒にわたしの青い鳥が去る
10/23 霜降に傷を眺め合う地獄
10/24 ドッペルゲンガーと会ふ笑ひ茸
10/25 万物を黄金たらしめよ芒
10/26 生きていたものだけがいる美術展
10/27 ほろほろと崩れる栗の持つ記憶
10/28 問わず語りを秋の金魚へとする
10/29 白露よ思い残したことはない
10/30 海螺打がバタフライエフェクトだった頃
10/31 愛がもし木の実だろうと痛かった

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