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ミカンを食べようか迷っている。

ミカンを食べようか、かれこれ20分くらい迷っている。


ミカンは目の前にある。

ミカンがみっかんない。

訳では無い。
はよ食え。
誰もがそう思うだろう。


僕は、迷っている時間がもったいないとは思わない。
今までの人生ずっと迷ってばかりだったし
迷いに迷って答えが出たことなんて、多分一度もない。
なにか答えが欲しくてあれこれ迷うけれど、
そんなに答えを求めていない自分もいる。

あれこれ余計なことを考えて、
何分も何時間もぼーっと過ごして
そんな時間が好きだったりする。
時間は有限とよく言うけれど、
1分1秒を無駄にせず
最大限有効に使おうっていう生き方は、
自分には向いていない。

確かに言いたいことはすごい分かる。
人には最長でも寿命っていう制限がある。
時間はあっという間に過ぎていくし、
いつの間にか年齢を重ねる。
昔出来なかったことが、出来るようになったり
その逆も然り。
心も身体もいつまでも健康でいられるわけではない。



ミカンを食べようか、かれこれ40分くらい迷っている。


さっき飲みきったレッドブルの缶の横にミカンはある。
缶の上にミカンを乗せる。

アルミ缶の上にあるミカン。

時間がもったいない。
誰もがそう思うし、自分もそう思う。
これは迷っているわけではない。

ただただ時間を無駄にしている。
何も考えていない。
ひたすらに虚無を過ごしている。

今年で24歳になる。
こんな事をしている場合ではない。
時間は過ぎていくのだ。

いくら文字を書こうが、
写真を取ろうが、
時間は過ぎていくのだ。

どんな手段を用いたって、
思い出そうとしたって、
それは過ぎ去った日々でしかない。
時間は過ぎていくのだ。

別に焦る必要はない。
一分一秒を大切にしろってことを、
自分自身に説きたい。



当たり前のように日々を送り、
当たり前のように明日は来る。
いくら想像しようと、
想像しきることの出来ない
訳の分からない明日が待っている。
まだ存在していない時間に、
存在していた時間をいくら重ねようと
なにもわかることはない。


なんてカッコつけた文章を
ぬるくなったミカンをずっと揉みながら考えている。
多分1時間は揉んでる。

今日はミカンは食べない。

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