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カラフルでダイナミック!Mika Pikazo個展「REVENGE POP」

2022年12月10日(土)〜12月29日(木)の期間、渋谷のイベントスペース「Hz」で開催されているMika Pikazo氏の個展「REVENGE POP」へ行ってきました。

Mika Pikazo

Mika Pikazo氏は、東京都出身のイラストレーター。バーチャルYouTuber「輝夜月」をはじめ、人気タイトルのキャラクターデザインや、書籍の装画、CDジャケットなど、数々の作品でアートワークを手がけています。

展示のようす

会場の外観

渋谷PARCO前を通りかかると、色鮮やかなイラストが目を引きます。会場は混んでいて、並んでの入場となりました。尚、今回の個展はSupported by pixivです。

イベントスペース「Hz」

REVENGE POP

個展のタイトルにもなっている作品です。力強い目で見つめる「REVENGE」、爽やかで明るい「POP」。そして、その二つが組み合わさった「REVENGE POP」。力強い色彩が印象的です。

「REVENGE POP」のテーマについて、彼女はこう語っています。

自分は『POP』という言葉や、それが持つ意味が大好きで、それを信じています。 それをいつか体現するためには、自分のなかで持っている黒く煮えたぎった部分や後悔している過去も含めて振り返り、作品に落とし込むべきだと思いました。 その気持ちにリベンジを挑みたい。自分の感情や過去に向き合った先に、何があるのかを見てみたい。 それが今回展示会をやりたいと思った経緯です。

https://revenge-pop.mikapikazo.info/
REVENGE
POP
REVENGE POP

VISIONS

「VISIONS」とはpixivによるクリエイターの作品を世界に発信していくプロジェクトです。先日発売された、クリエイター約170名のイラストレーションが載った画集「VISIONS 2023 ILLUSTRATORS BOOK」では、彼女が表紙を手がけていました。

アクリルに光るビビッドな色彩が、行き交う人々を釘付けにします。

VISIONS

ANIMATION

彼女は今年から、CLIP STUDIO PAINTを使用したアニメーション制作にも挑戦されているそうです。静止画でも大迫力のMika Pikazo氏の絵、動きを得ることでさらに表現力が高まります。

アニメーションの例

コラボレーション

インターネットでも見ることができるデジタルイラスト、わざわざリアル会場で見る必要があるのか、もしかしたら疑問に思う人もいるかもしれません。ここでは(リアルにはリアルの良さがあるという話は置いておくとして)作家とのコラボレーションや、展示方法のギミックによる、作品の美しい魅せ方についてご紹介します。

油彩オーバーペイント@岡村芳樹

色鮮やかで美しい世界を油彩で表現する、岡村芳樹氏とのコラボレーション作品です。表現豊かな油彩の技術で持ってして、まさしく華を添える形に仕上がっていました。

Fall Alone, Sweet Love, Just Friends, Memorable

フラワーアート@花芝翫

花芝翫は、アーティフィシャルフラワーという名の高級造花を専門に扱うフラワーデザイナーが営むアトリエです。アクリルボックスの外にはイラスト、中にはフラワーが入っているという作品です。透明なアクリル越しに見えるアーティフィシャルフラワーの自然な色合いが、UVプリントとの美しい調和を醸し出しています。

MORPHINE
FLASH BACK

ギミックプリント@(株)ショウエイ

フラッシュ撮影すると絵が浮かび上がるギミックプリントです。まるで急に色合いが生まれたかのように感じられます。これはその印刷技術もとても面白いのですが、普通の展示会だとフラッシュ撮影禁止が多い中、あえてフラッシュ撮影で表現するその手法にも驚かされました。

Fly Me To The Moon(フラッシュ無し)
Fly Me To The Moon(フラッシュ有り)

感想

Mika Pikazo氏が描く大迫力で色鮮やかなイラストは、見ている人に元気を与えてくれます。1枚のイラストに多数の色を使っていながらも、乱雑でなく美しい表現を可能にしている、その色彩感覚はとても素晴らしいものです。

そして今回の個展では、そんな彼女の魅力を最大限に引き出してくれる印刷技術の高さも印象的でした。デジタルイラストだからこそ、パソコンのモニタ越しで見える映像には負けられませんからね。またそれに加えて、油絵による質感、フラワーアートによる立体感を持たせた工夫も、これからのアートの表現力を広げる可能性を、大いに感じさせてくれました。

個展「REVENGE POP」の来場者数は、開催初日から1週間で5000人を超えたそうです。会期中はMika Pikazo氏のサイン会や、YouTube生配信イベントも行われます。また、BOOTHではグッズも販売されています。

もちろん、インターネット上のpixivでも彼女の作品を見ることができますが、機会があれば、是非リアルな展示にも足をお運びください。きっと華やかで力強い空間のとりことなることでしょう。


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