2019/6/27

ああ、もう、それは散々な就職活動だった。今思えば、スーツ屋さんが墨汁をぶっかけたみたいな真っ黒のスーツしか売ってくれなかった時点で散々だったのだ。2万、3万の衣類を買うことなんて滅多にないのだから、せめて好みのスーツを選びたかったのに、希望を伝えても他の色のものは見せてくれさえしなかった。

かつてのファンからは不評を買っているらしい(気持ちはわかる)オザケンのTwitterが結構好きなのだけど、とくに面白いなと思ったのがこれ。

https://twitter.com/iamozawakenji/status/1120122057805537281?s=21

たしかに、さいきん大学の講座で英会話を習いはじめたのだけど、何をしているかというと専ら会話の型を学びまくっている。例えばテキストに謝罪の章がある。で、謝り方を何パターンも学習する。「悪いと思ってる」とか「もう二度とやらないよ」とか。他には意見の違う相手を説得するための章や、雑談の仕方の章もある。学んでいて思ったのは英語話者は建前の声が大きい、というかハローハウアーユー/ファインセンキュー、のレベルで半ば自動的にその場に居合わせた人同士会話できてしまうのだ。意識しているかはわからないけど、会話の作法があるから。たぶんだけど。ちなみに好きなツイートはこれ。

https://twitter.com/iamozawakenji/status/1127773126626910208?s=21

それでもって大学の就職予備校化、みたいなことがよく言われる割に、インターンや選考ではあまりにディスカッションができている学生が少なかった。主観でしかないけれど。意見に反論されると狼狽える、とかって国民性じゃなくてもはや型無し、おそらく教育の問題なのだ。もしかして、誰もできるようになろうとしてないんじゃないかな〜とか思う。企業だってディスカッション人材がほしいわけじゃないのだろうし。

まあ他の就活生と関わらなきゃいけない場面が概してつまらなかったこと以外にも悲劇は色々と起こった。結局異なる進路を選んだので社会の構成員になるための格闘はこれきり済んでしまったのでもう関係ないのだけど、ディスカッションで反対意見を言わないのもそうだし、痛いけどパンプス履くとか、好印象を与える"就活メイク"をするとか。あるいは黒いスーツしか着ないことさえも、本当は今すぐ全員で辞めなきゃダメなんじゃなかろうか。社会のことって何一つわからなかったけど、なんとなく建前がうまく機能していないように見えた。みんなで息苦しくなるって馬鹿馬鹿しいし、信じていないことに加担するのは倫理に反するでしょう。これこそ建前ですけれど。

それにしても、主語の大きな文章を書くのは意味があっても危険なことだ。だからあんまり書きたくない。当てはまらない人やこともたくさんあるし。それに社会、社会というけれど「世間じゃない。あなたが、ゆるさないのでしょう」(『人間失格』)って感じもする。就職活動への不満はこれきり忘れて今日からちゃんと、自分の勉強と規則正しい生活を心がける。ついでにnoteの更新ももうちょっと頑張る。


#エッセイ #就活 #日記

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