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『左様なら』を観た。

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高校生の由紀は平穏な日々を過ごしていた。ある日、中学からの同級生の綾が亡くなる。綾の死をきっかけに由紀はクラスの女子からハブられるようになり、クラスメイト達の人間関係にも思わぬ波紋が広がる。海辺の町を舞台に描かれる、次世代の青春群像劇。
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Amazonプライムで何気なく関連動画を見ていた際に、たまたま出会った。

この出会いは、何かを意味しているのかもしれない。この映画に出てくる女子高生たちは、わたしの周りに確実に居たし、わたしの記憶が映像化されたのかとすら思えるほど、身近に感じられる映画だった。こんなにもひとつの映画の中に、「共感」「共鳴」できてしまうシーンがあるなんて想像もしていなかった。

イラストレーター「ごめん」さん、2019年に出会っているはずなのに、映画化されていたのは知らず…。イラストにも心が奪われてしまうが、繊細な筆致で切り取られた“切ない瞬間”の描写と共に残してくれている言葉たちが、とても美しくて儚い。

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あの頃、3年間という短い月日の中で、私たちは確かに永遠を感じていました。友達、好きな人、先生、家族、そして自分。目には見えない狭い箱の中で、誰かの顔色を伺いながら、上手に、不器用に、ぐるぐると日々を繰り返していくその一人ひとりを、この映画は決して馬鹿にしない。だからこそ残酷で、美しくて、優しいのだと思います。
その中で誰かがいなくなってしまうことも、きっと日常のほんの一部に過ぎないけれど、その一瞬、何かが少しでも変わる一瞬を、どうか劇場で見届けてください。                    – ごめん(原作)
自身が学生だった頃の事を思い返すと、教室の中には目に見えないルールがあって、誰かがハブかれていても傷ついていても黙認されるような空気があったように思います。しかしそれは決して特別な事ではなく、あの頃の私たちにとってただそこにある「日常」でした。そんな息苦しさを抱えながらも私にとってはあの時間が一番輝かしく、代え難い大切な時間だったのだと思います。
『左様なら』ではあの時間を、あの空気を、教室ごと描こうと思いました。置き去りにしたままだった想いを掬い上げるようにこの作品と出会って頂けましたら幸いです。                – 石橋夕帆(監督)
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もう二度と経験したくないと思う、
あの高校時代を生々しく感じられました。
ごめんさん原作…最高だ…。
あの漫画がこんな物語として出来上がるなんて。

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昨日までは普通に話してたのに、
次の日「おはよう」にも返事してくれない。
すぐ話題が移り変わっていく生活。
ひとの”死”ですらも、そう。

気を遣いすぎてしまうのもそれ相応の理由があるし、
気を遣わせてる周りのせいでもあるよって。
班分けの雰囲気、本当に嫌い。嫌いだった。
前半だけでもう崩れそうなくらい、痛くて刺さった。
「女子っていろいろ大変だね」って
当時嫌になるほど聞いたけど、あれは何なん?同情??
女子高生は男が絡むと本当に面倒だし、
本人がいないとこでなら何でも言えちゃう魔法なのか?ってくらいに、気付いたらひたすら悪口大会になる。ここまでリアルなの、めちゃくちゃこわい。

グループ内でだけ嫌われて、ハブかれて、一人ぼっちになって。でも、一人ぼっちでも全員に嫌われてはいない。なんなら味方になってくれるひともいる。いるけど、やっぱり気まずくて、気を遣われすぎて惨めな思いをする。仲のいい先生もいたけど、先生に頼っているとさらに嫌われる。(面倒)

学校に居場所を見つけられなくなって、ライブハウスを居場所にしたのはわたしです。
心の休まる場所を探すのは大切だし、
なにかを続けることも生きることもやっぱり難しい。

ん?これはわたしの話か?という錯覚。
特別なことかと思って過ごしてたけど
ありきたりな日常だったのかもしれない。
少しだけ、救われた気がする。

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